524 / 718
第3章 アレクを狙って
第635話 あっさり海の旅とはいかないのがアレクらしい!
しおりを挟む
イカは、アレク達を気遣っているのか、適度なスピードで沖を目指して進んでいく。
「ナハス、これなら魔法を使わなくても大丈夫そうだね」
アレクは、振り下ろされるくらいのスピードで沖合いに向かうと思っていたので、意外にも優しいイカに驚いてしまう。
「はい!わかりました。解きますね」
「お!風が気持ちいいね」
ナハスが風よけの魔法を解いた瞬間、ブワァっと風が吹く。
アレク達に、適度な気持ちいい風が当たり、全員が目を瞑って全身で風を感じるのだ。
「ぷにぷにしてる~」
「ほんとだぁ!ぷにぷにして冷たくて気持ちいい」
ノアとカレンは、小さな両手でイカの背中を撫でたり押したりして、最終的には、ほっぺたをイカの背中にくっつけて気持ち良さそうに目を瞑るのだ。
「ママ~、僕もイカしゃん触りたいでしゅ」
「あ、コラ!大樹危ないでしょ!」
大樹は、ノアとカレンを見て、自分も触りたいと思って、抱っこするヘルミーナから、するりと抜け出して、うつ伏せ状態でイカの背中にダイブする。
「ヘルミーナ、大丈夫だよ。落ちそうになったらすぐに助けるからね」
アレクは、すぐにヘルミーナの方を向いて、心配させないように笑顔で話しかける。
「アレクのことを信じるからね。お願いよ」
ヘルミーナは、不安そうな顔をして答える。それを見たアレクは、ヘルミーナに近付いて軽く抱き寄せて安心させようとするのだ。
「アレク.......」
ヘルミーナは、アレクの肩に顔を乗せて目を瞑って安心した表情を浮かべる。
その間も、大樹はうつ伏せで大の字になって背中を堪能しているのだ。
「パパ~、気持ちいいでしゅ~ひんやりでしゅ~」
「気持ち良さそうだね。って、もう寝てるよ。アハハ」
アレクが、返事をすると大樹は疲れたのか、イカの背中でスヤスヤと眠りについているのだ。アレクは、そんな大樹を見て、今も大物だけど将来は今以上にとんでもない子に育つなと思うのである。
「イカさんは、クラーケンとは違うのかな?」
アレクは、前世の記憶からイカは、クラーケンではないのかと予想して聞いてみる。
「クラーケンは、別におります。私よりも、更に大きく力も強く結界も張れますので、出会ったら逃げるしかありませんけどね」
どうやら、このイカはクラーケンとは別のようで、クラーケンを恐れているようだ。
「そうなんだね。じゃあ、こうやって背中に乗せてもらってるけど大丈夫?怖かったりしない?」
「大丈夫です。クラーケンは、数が少ないので滅多に出会いません。もし出会ったら諦めて、この身を捧げます」
イカは、笑いながら冗談ぽく返事をする。すると、何故か光が遮られて、アレク達の周りだけが真っ暗になるのだ。
「ねぇ~?イカさん、あの馬鹿でかいのってクラーケンだったりする?」
アレクが、振り返るとイカの何倍もある更に巨大なイカが、こちらを見下ろしていた。
「そんな、なにをおっしゃっ......ギャァァァァァ」
イカさんは、振り返って見ると、お約束のコントのようなリアクションをして飛び跳ねるのだ。
「クラーケンみたいだね。ナハス、全員を守ってくれるかな?俺が相手をするから」
「はい!わかりました。ご武運を」
アレクは、上空へ飛び上がってクラーケンと目を合わせる。
ナハスは、アレクに言われた通りに、イカに結界を張って、被害がないように防御するのだ。
「クラーケンさん、俺達は遊んでただけなんだけど見逃してくれるかな?」
アレクは、無差別に殺めるつもりはないので、一度話し合いをすることにした。しかし、問答無用で先の尖った足で突き刺そうとしてくるのだ。
「そういうことなら、こっちも手加減しないよ!武功、魔装甲、身体強化」
アレクは、軽々躱すと薬学神から学んだ三つの融合を発動する。
アレクの体には、真っ赤な鎧と武功による蒸気が体から溢れ出すのだ。
「一瞬で決着をつけるからね」
アレクは、そういうと常人では反応しきれないスピードでクラーケンに近づく。クラーケンも、足を何本もアレクに向けて放つが無惨にも全て弾かれて、アレクがパンチを放つといとも簡単に防御結界を突き破り、クラーケンの胴体に風穴を開ける。
更に、威力はとどまるところを知らずに、地平線の果てまで海が真っ二つになるのだ。
「みんな、終わったよ」
アレクは、武功と魔装甲と身体強化を解いて、みんなの方へと振り返り笑顔で手を振る。
すると、イカは当たり前なのだが、あのナハスでさえも、アレクの常人離れした姿に目を丸くして驚いているのであった。
「ナハス、これなら魔法を使わなくても大丈夫そうだね」
アレクは、振り下ろされるくらいのスピードで沖合いに向かうと思っていたので、意外にも優しいイカに驚いてしまう。
「はい!わかりました。解きますね」
「お!風が気持ちいいね」
ナハスが風よけの魔法を解いた瞬間、ブワァっと風が吹く。
アレク達に、適度な気持ちいい風が当たり、全員が目を瞑って全身で風を感じるのだ。
「ぷにぷにしてる~」
「ほんとだぁ!ぷにぷにして冷たくて気持ちいい」
ノアとカレンは、小さな両手でイカの背中を撫でたり押したりして、最終的には、ほっぺたをイカの背中にくっつけて気持ち良さそうに目を瞑るのだ。
「ママ~、僕もイカしゃん触りたいでしゅ」
「あ、コラ!大樹危ないでしょ!」
大樹は、ノアとカレンを見て、自分も触りたいと思って、抱っこするヘルミーナから、するりと抜け出して、うつ伏せ状態でイカの背中にダイブする。
「ヘルミーナ、大丈夫だよ。落ちそうになったらすぐに助けるからね」
アレクは、すぐにヘルミーナの方を向いて、心配させないように笑顔で話しかける。
「アレクのことを信じるからね。お願いよ」
ヘルミーナは、不安そうな顔をして答える。それを見たアレクは、ヘルミーナに近付いて軽く抱き寄せて安心させようとするのだ。
「アレク.......」
ヘルミーナは、アレクの肩に顔を乗せて目を瞑って安心した表情を浮かべる。
その間も、大樹はうつ伏せで大の字になって背中を堪能しているのだ。
「パパ~、気持ちいいでしゅ~ひんやりでしゅ~」
「気持ち良さそうだね。って、もう寝てるよ。アハハ」
アレクが、返事をすると大樹は疲れたのか、イカの背中でスヤスヤと眠りについているのだ。アレクは、そんな大樹を見て、今も大物だけど将来は今以上にとんでもない子に育つなと思うのである。
「イカさんは、クラーケンとは違うのかな?」
アレクは、前世の記憶からイカは、クラーケンではないのかと予想して聞いてみる。
「クラーケンは、別におります。私よりも、更に大きく力も強く結界も張れますので、出会ったら逃げるしかありませんけどね」
どうやら、このイカはクラーケンとは別のようで、クラーケンを恐れているようだ。
「そうなんだね。じゃあ、こうやって背中に乗せてもらってるけど大丈夫?怖かったりしない?」
「大丈夫です。クラーケンは、数が少ないので滅多に出会いません。もし出会ったら諦めて、この身を捧げます」
イカは、笑いながら冗談ぽく返事をする。すると、何故か光が遮られて、アレク達の周りだけが真っ暗になるのだ。
「ねぇ~?イカさん、あの馬鹿でかいのってクラーケンだったりする?」
アレクが、振り返るとイカの何倍もある更に巨大なイカが、こちらを見下ろしていた。
「そんな、なにをおっしゃっ......ギャァァァァァ」
イカさんは、振り返って見ると、お約束のコントのようなリアクションをして飛び跳ねるのだ。
「クラーケンみたいだね。ナハス、全員を守ってくれるかな?俺が相手をするから」
「はい!わかりました。ご武運を」
アレクは、上空へ飛び上がってクラーケンと目を合わせる。
ナハスは、アレクに言われた通りに、イカに結界を張って、被害がないように防御するのだ。
「クラーケンさん、俺達は遊んでただけなんだけど見逃してくれるかな?」
アレクは、無差別に殺めるつもりはないので、一度話し合いをすることにした。しかし、問答無用で先の尖った足で突き刺そうとしてくるのだ。
「そういうことなら、こっちも手加減しないよ!武功、魔装甲、身体強化」
アレクは、軽々躱すと薬学神から学んだ三つの融合を発動する。
アレクの体には、真っ赤な鎧と武功による蒸気が体から溢れ出すのだ。
「一瞬で決着をつけるからね」
アレクは、そういうと常人では反応しきれないスピードでクラーケンに近づく。クラーケンも、足を何本もアレクに向けて放つが無惨にも全て弾かれて、アレクがパンチを放つといとも簡単に防御結界を突き破り、クラーケンの胴体に風穴を開ける。
更に、威力はとどまるところを知らずに、地平線の果てまで海が真っ二つになるのだ。
「みんな、終わったよ」
アレクは、武功と魔装甲と身体強化を解いて、みんなの方へと振り返り笑顔で手を振る。
すると、イカは当たり前なのだが、あのナハスでさえも、アレクの常人離れした姿に目を丸くして驚いているのであった。
211
お気に入りに追加
5,418
あなたにおすすめの小説
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
異世界転生したら貧乳にしかモテなかった
十一屋 翠
ファンタジー
神のうっかりでトラックに跳ねられた少年は、証拠隠滅の為に異世界に転生させられる。
その際に神から詫びとして与えられたチート能力【貧乳モテ】によって、彼は貧乳にしかモテない人生を送る事となった。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。