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第3章 アレクを狙って

予約ミスしてました!第630話 大樹が走る・駆ける・駆け回る!

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もうすぐ目的地に着くというところで、ある物が目に飛び込んできてノアがアレクに尋ねてきた。

「アレクにぃ、あれなに~?」

「ん?あ~、あれは漁師さんが取ってきた魚を水揚げ......えっと、お魚をお店に運ぶために積み込んでるとこだね。みんなが食べるお魚は、あ~やって漁師さんが頑張ってくれてるから食べれるんだよ」

アレクは、説明を頑張ってしようと試みるが、改めて小さい子に説明するのは難しいなと思うのだ。

「そうなんだぁ!じゃあ、かんしゃしないとだね。いつも、おいしいお魚ありがとうございますって」

「そうだね。ノアが、感謝してくれたら、きっと漁師さんも喜んでくれると思うよ」

アレクは、満面の笑みで見つめてくるノアの頭を撫でながらかわいいなと思うのだ。
そうして、外を眺めながら馬車を走らせていると目的地に到着した。

「皆様、着きましたよ。降りてくださ~い」

ナハスが、目的地に到着したことを伝えると、アレク達は馬車から順番に降りていく。
子供達は、馬車降りた瞬間、「わぁぁぁ」と叫びながら砂浜にダッシュして走り回り始めるのだ。

「潮風が気持ちいい......ねぇ、ヘルミーナ、大樹なんだけど普通に走ってるよね?俺の見間違いじゃないよね?」

アレクは、広大に広がる海を堪能しようとした時に、ノアとカレンと同じように砂浜を平然と走る大樹が目に入り目を疑ってしまう。

「......うん、あれは完全に走ってるわ......赤ちゃんて走れてたのね」

ヘルミーナは、目の前の現実を信じることができずに驚きよりも自分の目を疑ってしまって、逆に感情の起伏なく話してしまうのだ。

「だよね。ってヘルミーナ!現実を見てね!赤ちゃんは走れないから!俺達の子って......いや、変なこと考えたら駄目だよね?受け入れるしかないよね?」

アレクもヘルミーナと同じでよくわからない感情の起伏をする。
アレクは一瞬、自分の赤ちゃんが転生者か何かかと思ってしまうが、そんなことは考えたら駄目だと自分に言い聞かせるのだ。

「今は受け入れることにしましょ。あの子が、もう少し大きくなった時に色々話を聞いてみましょうよ。今は、すくすく元気に育ってほしいわ」

ヘルミーナは、アレクの言おうとしていることを察したが、アレクと同じで今大樹と話す問題ではないと思い、成長する姿を見届けようと決めた。

「うん!そうだね。もしあの子が何者だったとしても、俺も転生者だし、物心ついた頃に話せば理解し合えると思うからさ」

「私も、何があろうと受け入れるし、家族を見捨てることはしないからね。大樹は、大事な家族だから何があっても守りましょう」

アレクとヘルミーナは、また家族としての絆が強くなる。
そして、アレクは「そうだね!」と言ったあと、子供達のところに走って行くのだ。

「大樹、ノア、カレン、水着に着替えるよ!こっちにおいで!ナハス、着替えが見えないように土魔法で壁を作ってくれないかな?」

「はい!畏まりました」

大樹とノアとカレンは、「うん」と言ってアレクの下に走ってくる。ナハスは、砂浜の砂を利用して正方形の部屋のような物を一瞬で作り出すのだ。

「ナハス、ありがとう。まずは、大樹とノアおいで。着替えるからね」

アレクは、二人を連れて水着に着替え始める。みんな男なので、服を脱いで履き替えるだけなので一瞬で着替え終わるのだ。

「お待たせ。みんな、大樹とノアの水着可愛くない?」

アレクは、ナハスを連れて、全員の水着を作るために、魔物の街の仕立て屋に行っていた。そこは、女性のドワーフが経営するお店なのだが、アレクの要望に全て応えて作ってくれたのだ。

「かわいいわぁぁ!大樹もノアも、似合ってるし、女の子からもモテそうね」

「大樹様もノア様も、お似合いでございます!流石アレク様です!美的センスもお有りとは、感服しました」

大樹とノアは、褒められて照れ笑いを浮かべる。アレクに至っては、前世の記憶でイメージした物だから美的センスがあるわけではないのにと思い、どういう顔をしていいかわからなくなるのだった。
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