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第3章 アレクを狙って
第601話 薬学神だけで聖王国攻略できたのでは!?
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アレクと薬学神は、無数に襲い掛かってくる住民を相手にして服が破れたり、汚れたりとボロボロになってしまう。
そして、なんとかおかしくなった住民の対応を終えたアレク達は、王城前まで辿り着くのだ。
「はぁはぁはぁ、なんとかなったかな......」
アレクは、無実の住民達を数多く殺めたことで精神的に参ってしまう。その影響で顔色も悪くなり、肉体的にも疲れを見せるのだ。
「アレク、精神回復薬と疲労回復薬を飲んでおけよ!どうやら、ここからが本番らしいからな」
薬学神は、王城内から溢れ出ている街中でも感じ得なかった禍々しい瘴気と呪いを見ながら言う。
ちなみに、ハイポーションなどの肉体の傷を治す薬とただ肉体の疲れを取る疲労回復薬は別物である。
「はい!こんなに苦しい気持ちになったのは初めてです!ごめんなさい!もう大丈夫です」
アレクは、薬学神に言われた通りに精神回復薬と疲労回復薬を飲んで完全に回復するが、今までに経験したことのない疲労に嫌気を感じてしまうのだ。
「この経験は、きっと役に立つが、飲み込まれるなよ!飲み込まれたやつが、快楽を感じ、犯罪者になるのだからな!じゃあ、行くとするか」
「はい!わかりました!快楽を感じることはないので大丈夫です!早く終わらせましょう!」
アレクからしたら、一生犯罪者の気持ちは理解できないなと感じると同時に、こんな苦しい経験は、いち早く終わらせたいと思ってしまう。
そしてアレクと薬学神は、最後の悪即斬をするために王城内へと乗り込むのだ。
「これは、なんですか?」
王城内に入ってアレクが見たものは、ヘドロのようにドロドロとした山のように大きな物体であった。
「私にも、わからないが、元は人間ではないな!魔物の匂いがする!チッ」
薬学神が、発言している途中でヘドロの化け物は、薬学神目掛けてヘドロの球を放ってくる。
しかし薬学神は、舌打ちをしながら後方へと避けるのだ。
「オデヲコンナミニクイスガタニシタ!ユルセナイ」
ヘドロの化け物は、カタコトで何かを伝えるように話しながら、見境なくヘドロの球を放ってくるのだ。アレクと薬学神は、ヘドロの球を避けて反撃する隙を窺う。
「アレク、絶対にその球に当たるなよ!それから、ありったけの疑似神力薬を投げつけろ」
「はい!」
アレクと薬学神は、走り出して左右から挟み込むように移動する。そして、ヘドロ目掛けて疑似神力薬を投げつけるのだ。
「グォォォ、ヤメロオデノジャマヲスルナァァァァ」
疑似神力薬を投げつけられたヘドロは、大声を上げて苦しみ始める。
大声を上げたままアレクと薬学神に向かって、体から何本もの真っ黒な触手を出して鞭のようにして攻撃してくるのだ。
「うわぁ!ちょっ、これでどうだ!ってまた生えてくるの!うわぁぁ」
アレクは、咄嗟に襲いかかる触手を剣で切り落としたのだが、ムニュムニュとまた生えてくる。
「アレク、そのまま相手をしろ!」
「え!?ワァッ!危な!薬学神様、わかりました」
薬学神は、触手を切り落としたアレクの姿を見て、何かを思いついたのか、アレクに声をかける。
アレクは、言われた通りに襲いかかる触手を切り刻んでいくのだが、気付くと薬学神の姿がどこにもないのだ。
「よくやったアレク!あとは任せろ!死さらせ!このヘドロ野郎がぁぁぁ」
大きな釜を持った薬学神が、ヘドロの頭上へ急に現れて、アレクを褒めたあと、持ち上げていた釜をひっくり返して、中に入っていた大量の疑似神力薬をヘドロにぶっかける。
ぶっかけられたヘドロは、悲痛な声を上げながら、ドロドロに溶けてしまうのだ。
「あの~薬学神様......俺いらなかったですよね?」
アレクからすると、一瞬で大量の疑似神力薬を作って、更にはどこから出したかわからない釜を一瞬で取り出せる力があるなら、自分のフォローなど不必要だったのではと考える。
「まぁ、なんだ!これも経験だ!ほら、行くぞ」
薬学神は、ばつが悪くなったのか、話を早々に切り上げて城の中に入って行く。
アレクは、これ以上薬学神に、何かを言ったり責めたりすれば、思いがけない最悪のプレゼントを貰うことになるだろうと思って、発言をやめるのだった。
そして、なんとかおかしくなった住民の対応を終えたアレク達は、王城前まで辿り着くのだ。
「はぁはぁはぁ、なんとかなったかな......」
アレクは、無実の住民達を数多く殺めたことで精神的に参ってしまう。その影響で顔色も悪くなり、肉体的にも疲れを見せるのだ。
「アレク、精神回復薬と疲労回復薬を飲んでおけよ!どうやら、ここからが本番らしいからな」
薬学神は、王城内から溢れ出ている街中でも感じ得なかった禍々しい瘴気と呪いを見ながら言う。
ちなみに、ハイポーションなどの肉体の傷を治す薬とただ肉体の疲れを取る疲労回復薬は別物である。
「はい!こんなに苦しい気持ちになったのは初めてです!ごめんなさい!もう大丈夫です」
アレクは、薬学神に言われた通りに精神回復薬と疲労回復薬を飲んで完全に回復するが、今までに経験したことのない疲労に嫌気を感じてしまうのだ。
「この経験は、きっと役に立つが、飲み込まれるなよ!飲み込まれたやつが、快楽を感じ、犯罪者になるのだからな!じゃあ、行くとするか」
「はい!わかりました!快楽を感じることはないので大丈夫です!早く終わらせましょう!」
アレクからしたら、一生犯罪者の気持ちは理解できないなと感じると同時に、こんな苦しい経験は、いち早く終わらせたいと思ってしまう。
そしてアレクと薬学神は、最後の悪即斬をするために王城内へと乗り込むのだ。
「これは、なんですか?」
王城内に入ってアレクが見たものは、ヘドロのようにドロドロとした山のように大きな物体であった。
「私にも、わからないが、元は人間ではないな!魔物の匂いがする!チッ」
薬学神が、発言している途中でヘドロの化け物は、薬学神目掛けてヘドロの球を放ってくる。
しかし薬学神は、舌打ちをしながら後方へと避けるのだ。
「オデヲコンナミニクイスガタニシタ!ユルセナイ」
ヘドロの化け物は、カタコトで何かを伝えるように話しながら、見境なくヘドロの球を放ってくるのだ。アレクと薬学神は、ヘドロの球を避けて反撃する隙を窺う。
「アレク、絶対にその球に当たるなよ!それから、ありったけの疑似神力薬を投げつけろ」
「はい!」
アレクと薬学神は、走り出して左右から挟み込むように移動する。そして、ヘドロ目掛けて疑似神力薬を投げつけるのだ。
「グォォォ、ヤメロオデノジャマヲスルナァァァァ」
疑似神力薬を投げつけられたヘドロは、大声を上げて苦しみ始める。
大声を上げたままアレクと薬学神に向かって、体から何本もの真っ黒な触手を出して鞭のようにして攻撃してくるのだ。
「うわぁ!ちょっ、これでどうだ!ってまた生えてくるの!うわぁぁ」
アレクは、咄嗟に襲いかかる触手を剣で切り落としたのだが、ムニュムニュとまた生えてくる。
「アレク、そのまま相手をしろ!」
「え!?ワァッ!危な!薬学神様、わかりました」
薬学神は、触手を切り落としたアレクの姿を見て、何かを思いついたのか、アレクに声をかける。
アレクは、言われた通りに襲いかかる触手を切り刻んでいくのだが、気付くと薬学神の姿がどこにもないのだ。
「よくやったアレク!あとは任せろ!死さらせ!このヘドロ野郎がぁぁぁ」
大きな釜を持った薬学神が、ヘドロの頭上へ急に現れて、アレクを褒めたあと、持ち上げていた釜をひっくり返して、中に入っていた大量の疑似神力薬をヘドロにぶっかける。
ぶっかけられたヘドロは、悲痛な声を上げながら、ドロドロに溶けてしまうのだ。
「あの~薬学神様......俺いらなかったですよね?」
アレクからすると、一瞬で大量の疑似神力薬を作って、更にはどこから出したかわからない釜を一瞬で取り出せる力があるなら、自分のフォローなど不必要だったのではと考える。
「まぁ、なんだ!これも経験だ!ほら、行くぞ」
薬学神は、ばつが悪くなったのか、話を早々に切り上げて城の中に入って行く。
アレクは、これ以上薬学神に、何かを言ったり責めたりすれば、思いがけない最悪のプレゼントを貰うことになるだろうと思って、発言をやめるのだった。
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