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第3章 アレクを狙って

【チート薬学2巻3/20発売】第596話 アレクと薬学神様のデート計画!

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「ノーマック、助かりましたよ!こうも易々と抜け出せるとは思いませんでした」

カルロは、平然と馬車に乗って王都をあとにした。
ちなみに、ノーマックもカルロも、平民のような格好をしている。

「敵は馬鹿みたいに、暴れ回っているみたいなので、逆に抜け出しやすかったです!それより、もう口調を戻してもよろしいかと」

「フフフ、見た目は変えますが、口調はこのままにしておきます!この方が、都合がいいですからね!」

カルロは、下ろしていた髪を掻き上げて、細めていた目を開ける。完全に人相が変わって誰かわからなくなるのだ。
このことからも、前々から計画していたのが、窺える。
そして、口調を変えないのは、紳士的だと思われるようにするためと、変な輩が来た場合に相手が油断するだろうと考えたからだ。

「私からすると、その口調は違和感しかないですけどね!それより、これからどうするつもりですか?」

ノーマックは、長髪だった髪を後ろで一纏めにしながら尋ねる。

「やっと、色々と情報を手に入りましたからね!色々計画を練りたいのですが、ほとぼりが冷めるまで暫くは大人しくしましょう!決して、飽きさせはしませんから最後まで付き合ってください」

カルロは、微笑んではいるが、全く表情から何を考えているかわからないのである。

「私は、楽しければなんでもいいですよ!貴方に、助けられた身でもありますからね!最後までお付き合い致します!にしても、母親と兄弟を利用するとは、改めて本当におもしろい方です」

ノーマックとカルロの過去に何があったのかは不明ではあるが、助けられたということから、ノーマックは少なからず恩義のためにも行動を共にしているのだろう。

「期待していますね!フフフ、母親と兄弟?あの人達は、いてもいなくても同じです!私とは、存在自体違いますからね!あの者たちは、出来損ないでしたから!では、暫く私は寝ますね」

カルロは、肉親に対する感情を一切持っておらず、平然とした表情で、事前に知らせていた目的地に向かうように言ってから、目を閉じて眠るのだ。





「薬学神様、そろそろ聖王国の問題を解決したいのですが、まだここから離れては駄目でしょうか?」

アレクは、日夜薬学神から言われた特訓を繰り返す日々を送っていた。
更には、今まで以上に薬に関する知識も付けるために、薬学神の知識も学んでいたのだ。

「私と一緒に行くなら許可してやる!デートがてら聖王国に行くか?」

薬学神は、冗談混じりで大笑いしながら言うのだ。

「え!?いいのですか?まだ神力を一緒に使えませんよ......それより、デートはやめてくださいよ!妻もいるのですから」

「何を言ってやがる!他の合わせ技も薬を使って出来ているだけだろ?今すぐにできるなんて思っていないから安心しろ!ん!?私とデートが嫌なのか?ん?どうなんだ?」

合わせ技は、思ったよりもレベルが高く薬を使わないと耐えることができない。更には、神力を混ぜた瞬間、全てが霧散する現象に悩まされている。
そして、薬学神は嫌がるアレクをからかうように、わざと近付いて耳を引っ張りながら問い詰めるのだ。

「痛いですよ!やめてください!わかりましたから!薬学神様とのデート楽しみだなぁ」

結構本気で引っ張る薬学神にアレクは、かなり痛がる。
そして、今言うことを聞いておかないと、後々変な薬を飲まされてキツイ特訓をさせられるかわからないので、薬学神の言うことを聞くことにするのだ。

「そうだろ!そうだろ!こんな絶世の美女とデートができるんだ!有り難く思いやがれ」

薬学神は、満足したような顔で腕を組みながら鼻を鳴らす。
アレクは、言葉遣いがお淑やかなら、確かに絶世の美女なんだけどなと思うのだが、決して口には出さないのだった。
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