チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
469 / 821
第3章 アレクを狙って

第581話 固まるルイスと魔物の兵士の進軍!

しおりを挟む
「どういうことだ!?ドラゴンに魔物だと!何を言ってるんだ!理由がわからん」

ルイス第一王子は、スタンピードも経験したことがなく、魔物すらも間近で見たことがなかったので、この兵士は何を言っているんだとなる。

「ルイス第一王子様、自分の目でお確かめ下さい!ドラゴンが上空を飛んでいるのです」

「俺に、口答えする気か!そんなことあるはずがないだろ」

兵士は、一切意見は言っていないのだが、ルイスからすると、何か自分と違う考えを言われただけで不機嫌になってしまうのだ。

「失礼致します!ルイス王子様、ドラゴンの攻撃で王城の一部が倒壊!そして、魔物が大量に王都内へ侵入!直ちに、騎士団長と共に兵が討伐に向かうとのことです!」

大量の汗をかいた元騎士団の一人が、息を切らせながら慌ててやってきた。

「ま、待て!」

ルイスは、やっと事の重大さに気付いて、玉座の間を飛び出し、廊下に出てる。
そして、窓から外を眺める。

「う、嘘だ......ろ......」

ルイスは、上空にいるレッドドラゴンを見た瞬間、固まってしまい、そのまま腰が抜けてへたり込んでしまう。

「ルイス王子様、大丈夫ですか?ルイス王子様?ルイス王子様?」

兵士が、ルイスに声をかけるが、完全に我を失ってしまうしまい、誰の声も届かない。

「ピケ卿、ルイス陛下に護衛を付けて、寝室に連れていき、いつでも避難できるようにするんじゃ」

「はい!畏まりました!おい!すぐに、陛下をお守りする兵を連れてくるんだ!早くしろ」

ユンベルンは、ルイスが再起不能だと判断して、ピケに指示を出す。
それを聞いたピケは、偉そうに兵士へ言って、呼びに行かせるのだ。

「ピケ卿は、ルイス陛下の側におるんじゃ!もし逃げることになった場合、あの場所まで逃がすんじゃぞ」

「畏まりました!陛下を必ずお守り致します!では、陛下参りましょう」

ピケは、ルイスを支えながら寝室に向かう。
ピケと陛下が去ると、すぐにアーレントがユンベルンに駆け寄ってくる。

「ユンベルン卿、これからどうされるおつもりですか?」

「カルロ第二王子様に、近況を報告して指示を仰ぐのが一番じゃろう」

ユンベルンは、カルロならばいい案を出してくれて、この危機的状況も解決してくれるのではと考える。
そして、ユンベルンとアーレントは、カルロのいる部屋に向かうのだった。





「団長、あのドラゴンをどうやって食い止める気ですか?」

元第一騎士団の騎士が、元団長に声を震わせながら尋ねる。

「クソッ!どうなっていやがるんだ!ありえないだろ!とりあえず、第二騎士団団長には、ここに残り王城を守るようにと伝令をしてこい」

元騎士団や雇われた兵士達が、城にいると、急に何が飛んできて城で見たこともない異様な爆発が起こり、ドラゴンが上空に現れたのだ。
しかも、その数分後、街にいた兵士から伝令があり、魔物まで押し寄せてきたことを知らされたのである。

「はい!わかりました」

「任せたぞ!俺達は、魔物討伐に向かう!1000の兵とともに何としても食い止めるんだ!副団長、今すぐ1000の兵を呼んでこい!あと、お前はすぐルイス第一王子にこのことを伝えてくるんだ」

どんな魔物が、襲ってきたか知らない元団長は、1000人の兵士がいれば、どうにかなると考えた。
正直、魔物よりも上空にいるレッドドラゴンが襲ってきた場合を想定して、大量の兵士を城に残すべきだと思ったのだ。

元団長に命令された兵士は、ルイスの下に急いで向かう。

「すぐに集めてきます!ですが、街にも大勢の兵士がいますから、私達が向かう......」

副団長は、街にいる者達であっさりと片付けるだろうと、余裕の表情を見せていると、大爆発が起きる。

「まさか......もうここまできたというのか!クソッ!掻き集められるだけの兵を集めて迎え討つぞ!準備しろ」

団長は、近くにいた騎士団と兵士に武器を構えるように言う。
そして、副団長は先程とは打って変わり、血相を変えて大急ぎで兵士を掻き集めに行くのだった。
しおりを挟む
感想 2,193

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです

かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。 強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。 これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった

今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。 しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。 それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。 一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。 しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。 加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。 レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。