チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第3章 アレクを狙って

第543話 四者会談とまたしても危機！？

王城では、今回参加した初代魔王であるデュアルと料理長である隼人と現魔王ラヴァーナとウズベル王が会談を行っていた。

「まずは、今回我が国に助力してくれたこと感謝する！もし、お主らがいなければストレンいや王国はゼロの手に落ちていたであろう！」

陛下は、椅子から立ち上がって皆に頭を下げてお礼を言う。

「ラヴァーナから事前に話を聞いていたからさ。それに、世界が滅びるなら見過ごせないしね」

デュアルは、あっけらかんとしたいつもの感じで話し始める。

「妾とウォルトンの仲であろう？そう畏まるでないわ！それよりも、妾達を集めた理由があるのであろう？」

ラヴァーナは、同盟国ということで何かあればすぐ助けに行くと決めていたので、助けるのは当たり前だという表情をする。

「うむ！アナベルよ、感謝する！今回集まってもらったのは聖王国の件とゼロへの対策である」

陛下は、ラヴァーナに対して再度頭を下げてから本題に入る。内容は、アレクのいない今、デュアルと隼人とラヴァーナの協力で聖王国に攻め入りたいということと世界全土にいつ現れてもおかしくないゼロへの対策を講じたいというものだった。

「隼人、あの件を伝えて？俺は、こういうの苦手だからさ」

「はぁ～、わかった！馬鹿なお前が伝えても話が無茶苦茶になりそうだからな！」

デュアルは、面倒なことを隼人に押し付けようとしたが、馬鹿にするような返しをされて、イラッときてしまい、隼人の頭を殴ろうとする。しかし、簡単に避けられてぐぬぬと悔しい表情を浮かべるのだ。

「馬鹿は、放っておいて聖王国の件をお伝えします」

隼人は、淡々と話を進める。そして、普段の話し方ではなく、王の前ということで敬語も使うのである。隼人が話し始めた聖王国への対応は、事前にデュアルと決めていたようであり、デュアルと隼人の二人で聖王国に攻めて制圧するという内容であった。しかし、あまりにも制圧する内容が簡潔であり、残酷的であったため、陛下は目を見開いて驚く。

「聖王国全てを破壊するとな！？もし、今回の件に関わりのない人物がいたらどうするのだ？」

隼人の話を聞く限り、殺戮となんら変わりないと思った陛下は、思わず立ち上がって声を荒げてしまう。

「デュアルには、無限のスキルと魔法がありますので、関係ない者達への対応は、しっかりと考えています。一つ言えるのは、聖王国のあらゆるところに悪が潜み、人ではない存在が中心にいるということです」

隼人は、言葉を濁して話しているが、普通に攻め込んで解決する段階はとうに過ぎていると伝えたいのだ。

「ウォルトン、初代魔王のスキルと魔法は秘匿となっておる！そのため、詳しく説明が出来ずすまぬな！これだけしか言えぬが、どうか信じてほしいということだ」

ラヴァーナは、スキルと魔法が秘匿のため、詳しい作戦内容を伝えられないことを謝る。そして、最後に言葉だけになってしまうが、信用してほしいとだけ伝えた。

「アナベルよ、そこまで言うのであれば、お主を信用しよう。最後に聞かせてくれんか？聖王国は、腐りきっておるのだな？」

陛下は、再度念を押して隼人とデュアルの顔を見て尋ねる。今回助けてもらい信用していないわけではないが、初対面であるため目を見て判断しようとしたのだ。

「信用してほしい！事前にスキルで調べた感じだと、もう取り返しのつかないとこまで来てるからね」

「うむ！ならば二人に任せるとしよう！頼んだぞ」

デュアルは、人の命がかかっているので珍しく真剣な表情で話し、確信めいた表情で陛下を見据えた。その表情と目を見た陛下は、信じて大丈夫だと確信してお願いをする。デュアルは、軽く頷いて了承するのだ。

「それからウズベル王、戦った感じだとゼロへの対策はないに等しい！あれは、化け物だよ」

デュアルは、ゼロの強さをその身で感じてどうすることもできないと伝える。

「余も、離れてはおったが、禍々しい力を感じたのでな！デュアルの言うことはわかる。しかし、どうにかできんか？」

「どうにかね......どうにかしたいけど次元が......ってラヴァーナどうかしたの？」

デュアルは、ゼロのことで悩んでいると、ラヴァーナが大量の汗をかいて頭を抱えて唸り始めたのだ。

「ぐぁぁぁぁぁ、全員に、げ、ろ......」

ラヴァーナは、苦しみながらも逃げるように伝える。その直後、ラヴァーナのスキルである異空間の門が出現したのだった。