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第1章 王国を脅かす敵

第476話 準備を整えて待つ魔物とドワーフとアレク!

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「アレク様、ノックスさんと豪牙さんはうまくやっているでしょうか?」

アレクが、ソファに座りながらくつろいでいる。パスクは、いつでも動けるように立って話しかけている。

「大丈夫だと思うよ。今回は、交渉してどうにかなりそうな相手じゃなさそうだから、武力行使できる二人にお願いしたしね」

アレクは、教皇の話や十戒のことを事前にラヴァーナに聞きに行き、どういう人物かを尋ねていた。

「そうですね。それにしても、聖王国はこの事実を理解していないのでしょうか?」

聖王国が、一切問題にしないことをおかしいと考えるパスク。

「どうなんだろうね?そこまでは、ラヴァーナ様もわかっていないようだったよ。でも、教皇のやっていることは間違っているから、今回のことが終わったら、陛下に頼んで聖王国へ抗議してもらう予定」

アレクは、この教皇のやり方を考えると、このままでは終わる気配がないと感じている。それならば、根絶してしまおうと思ったのだ。

「その時は、私も連れていってください!アレク様をお側で守らせて頂きたいです」

最近は、事務仕事に就くことが多く、本来のアレクを守るという誓いを遂行できていないと感じているパスク。

「うん!パスクにはついて来てもらおうと思っていたよ。ことと次第によっては、全戦力で聖王国に行くつもりだよ」

聖王国も教会と考えが同じで、王国又は魔物の街に、侵攻してくるというのならば、容赦はしないと考えている。

「アレク様は、本当に私達を大切に考えてくれているのですね!本来であれば、戦争などお嫌いなはずにも関わらず......」

パスクは、涙が溢れる目頭を押さえながら感動する。

「争わなくていいなら戦いたくはないけど、仲間が危険に晒されるなら許さないよ!でも、何も起こらず平和に暮らしたいのが本音だけどね」

アレクは、全員が争わない優しい世界にならないものかなと考えていた。

「そうですね!いつか皆が手を取り合えるような世界になればいいですね」

パスクが、頷きながらアレクの話に賛同していると、ドタバタと廊下を走る音が聞こえて、ドアが開く。

「森の長様、ノックスさんと豪牙さんが帰ってきました」

門番を任せていたオークは、十戒がやってきたことを伝える。

「次からは、ノックくらいしなさい!わかりましたね?」

パスクが、ノックもなしに入ってきたオークに対して注意をする。

「申し訳ないです。まだ人間の作法や礼儀に慣れないです」

オークは、下を向いて落ち込んだ表情を見せる。

「パスク、俺は気にしていないからいいのに......」

「いけません!お客様が来た時に同じような行動をすれば、アレク様が舐められますし、魔物だからと馬鹿にされます」

パスクは、アレクが許したからといって世間の目は、その行動を許してはくれないと諭す。

「それなら仕方ないか......今後は、礼儀作法の講習も考えないとだね。ってそれより、早く門に向かわないと」

アレクは、礼儀作法のことに気を取られて十戒がきたことを忘れていたようだ。パスクも、アレクの一言で思い出して、二人は慌てて部屋を出て門へと向かう。

「知らせにきてくれてありがとう!」

アレクは、去り際にオークへお礼を言う。その言葉を聞いたオークは、俺のような下級魔物にも優しく声をかけてくれることに感動してしまうのだ。





それから、アレクとパスクは門へとやってきて、門を守るドワーフと魔物達に声をかける。

「皆さん、お疲れ様!どんな状況ですか?」

「これを覗いてみてくれ!あの方角だ」

ドワーフが、アレク発案の望遠鏡を手渡してくる。アレクは、言われた通りに望遠鏡を覗くと、こちらに近付くノックスと豪牙と十戒らしき人物を捉える。

「師匠、わざと遅くきてくれているね。皆さん、作戦通りに準備を進めてください!」

ノックスは、アレク達が準備をする時間を稼ごうとかなり遅く近付いてきてくれている。そして、アレクの号令と共に、魔物とドワーフ達がある準備を進め始める。

「準備は、すぐ済むはずじゃ!ワシ達の最高傑作を見せる時が来たようじゃな」

おやっさんが、アレクの前へやってきて、この日のために用意した物を早く試したいという素振りを見せる。

「そうですね!ですが、決して当てないでくださいよ!まずは、相手の戦意を失くすことが目的ですから」

「わかっとるわい!当てるとかはどうでもいいんじゃ!この武器の最大出力をはよう試したいとみんな思っておるんじゃ!」

ドワーフからすると、最高傑作の武器がどれほどのものか試したいという気持ちが勝っているようである。

「そろそろ来ます!発射の準備を急いでください」

若いドワーフは、ノックス達がきたことを伝える。

「よし!皆さん、敵の度肝を抜いてやりましょう!」

アレクは、右腕を掲げて宣言するのであった。
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