上 下
346 / 781
第6章 新たな仲間

第460話 聖王国についてとアレクとヘルミーナの赤ちゃん!

しおりを挟む
「二人共、楽にするといい。それと、アレクよ!ヘルミーナには、ナハスがついておるんじゃ心配する必要はないわい!」

創造神は、アレクの慌てる姿をずっと神界から見ており、一言言ってやらねばと思っていたのだ。

「申し訳ございません。わかっていても心配になってしまいまして......」

「ワシが、心配ないと言っておるんじゃ!安心せい!これでも創造神様じゃぞ」

馬鹿にするでないといった様子で、わざと怒ったような口調で話す創造神。

「創造神様の言葉を信じます。ハルセンさん、パスク、色々迷惑をかけてごめんなさい」

アレクは、二人に向かって頭を下げる。ハルセンもパスクも、笑顔で「大丈夫ですよ」と声をかける。

「アレクよ、何事も平常心が大切じゃ!焦る。怒る。不安は、良いことには繋がらんわい!それからハルセンよ、聖王国が何やらきな臭くなってきよったぞい。十分注意するのじゃ」

アレクは、確かにその通りだと感じて、今後は気をつけなきゃいけないなと感じる。

「創造神様、聖王国がですか?どのようにきな臭くなってきたのかお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「すまんが、詳しい内容は教えられんのじゃ。理由はわかるじゃろ?まぁ、気をつけろということだわい!最悪な事態になった時は、アレクを頼るとよい」

神は、下界へ不用意に干渉できないので、詳しいことは話せないが、優しさから忠告をする創造神。

「申し訳ございません!干渉できないことを理解しておきながら、創造神様にお聞きしてしまうなど天罰が下りますね!戻り次第、教皇様へお伝え致します」

ハルセンは、創造神様になんてことを聞いてしまったんだと額を床に擦り付けながら謝る。

「教皇には伝えるでない!すまんが、これ以上は言えんが、ハルセンの胸の内に留めておき、信頼できる仲間を集めておくのじゃ」

創造神は、干渉という制約のせいで詳しく述べることができないが、教会内部でも不穏な動きがあることを伝える。

「教皇様がまさか......わかりました!何が起きてもいいように準備をしておきます」

ハルセンは、教皇が加担しているなどあり得るのかと考えてしまうが、創造神が言うのなら間違いないのだろうと思い、創造神が言うように行動しようと思う。

「すぐに何か起こるというわけではないからのぅ。ゆっくりと最善の準備をしたらよい!お!そろそろのようじゃな!ワシは、神界に戻るとするわい!」

創造神は、急に別れを告げて姿を消す。消えた瞬間、ノック音が聞こえる。

「タカハシ辺境伯様!お子様が産まれました!」

ドアの前で、助産師が産まれたことを告げに来る。アレクは、その言葉を聞いて慌ててドアを開けて部屋を出る。

「本当ですか!?ヘルミーナと赤ちゃんは無事ですか?」

アレクは、助産師の肩を両手で掴んで状況を問いただす。

「タカハシ辺境伯様、落ち着いてください!ヘルミーナ様も赤ん坊も無事でございますから!今は、ナハス様が見てくれております。早速ですが、参りましょう」

助産師は、慌てる父親には慣れているので、焦ることなく落ち着かせようとする。アレクも、その話と創造神の言葉を思い出して平常心を取り戻さないといけないなと思うのだ。

「ごめんなさい!つい、慌ててしまいました。案内をお願いします」

アレクは、肩から手を離して謝りながら、ヘルミーナと赤ちゃんが待つ部屋に案内してほしいとお願いする。





「こちらでお休みになられております。中へお入りください」

助産師が、そう言ってドアを開けると、部屋の中にはベッドで上半身を起こしながら寝ているヘルミーナと腕には赤ちゃんが抱きかかえられていた。

「ヘルミーナ!大丈夫?」

「フフッ!大丈夫よ。それより、元気な男の子よ。アレクも抱いてあげて」

ヘルミーナは、いつもと変わらない感じで元気そうな姿を見せる。そして、ヘルミーナから赤ちゃんを受け取るアレク。

「首がまだすわってないから手を添えて......そう、そんな感じで抱いてあげてね」

アレクは、慣れてないのでうまく抱けずにいる。

「かわいい......」

アレクは、眠っている赤ちゃんを見て思わずかわいいと言ってしまうのだった。
しおりを挟む
感想 2,162

あなたにおすすめの小説

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる
ファンタジー
【10/23コミカライズ開始!】 『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました! 颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。 【第2巻が発売されました!】 今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです! 素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。 【ストーリー紹介】 幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。 そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。 養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。 だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。 『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。 貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。 『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。 『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。 どん底だった主人公が一発逆転する物語です。 ※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~

樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。 無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。 そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。 そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。 色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。 ※この作品はカクヨム様でも掲載しています。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。 アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。 ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。 アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。 去ろうとしている人物は父と母だった。 ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。 朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。 クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。 しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。 アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。 王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。 アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。 ※諸事情によりしばらく連載休止致します。 ※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。