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第5章 日常を脅かす敵と求める豪牙
第446話 模擬戦決着と新魔法は封印決定!?
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見事に投げ飛ばされたアレクだが、一回転して着地し、すぐに地面を蹴って豪牙に向かって走り出す。
「複火弾」
複数の火の弾が豪牙を襲う。
「水壁」
豪牙は、自分の前に水の壁を作り出して、全ての火弾を吸収するような形で無効化する。
「えっ?魔法まで使えるの?強過ぎない!?」
アレクは、先程の死角からの攻撃をいとも簡単に避けたことや魔法まであっさり使うところなどを見て、今までの豪牙とは明らかに違うことを悟る。
「複氷弾」
豪牙が、襲いかかってくるアレク目掛けて氷弾を撃ち込んでくる。アレクは、難なく避けて対処するが、急に目の前で曲がってくる氷弾を途中から撃ち込んでくる豪牙。
「おっと!豪牙、魔法操作もできるの!?」
アレクは、パンチと蹴りで曲がってくる氷弾に対応する。しかし、何度も弾き返したアレクの拳と足は真っ赤になっている。豪牙が、純度の高い魔力を練り込んで撃ち出している証拠だ。
「かなりの魔力を練り込んだのですが、森の長様流石ですね!ですが、動きが鈍くなっていますよ」
この好機を逃すまいと豪牙が、地面を蹴ってアレクに向かって拳を突き出す。拳と足が真っ赤に腫れ上がり動きが鈍くなったアレクに直撃するかと思われた拳だったが、気付くと赤く腫れた箇所は治っていて、豪牙の拳を避けて逆に連打を浴びせる。
「クッ!氷柱」
豪牙は、危ないと感じて氷の柱を出す。アレクは、瞬時に地面から何か来るのを悟り後ろへと飛び退く。
「森の長様、何故治っているのですか?」
豪牙は、連打を浴びながらも平気な顔をして立ち上がる。そして、何故回復しているのか尋ねる。
「狂化強靭薬による回復だよ!でも、時間がもうないから新魔法と妖鬼化の勝負をしない?」
狂化強靭薬の残り時間が刻一刻と近付いており、もう残された時間は残り僅かだ。そこで、お互いの全力をぶつけ合って終わりにしようと提案する。
「構いません。私も妖鬼化がどうなるのか気になっていましたので!では、妖鬼化」
豪牙が、そう叫ぶと闘技場の真上の空だけが暗くなり、地面から黒い花が辺り一面に咲く。アレクは、その面妖な光景に目を奪われてしまう。そして、豪牙を見てみると、髪の毛と眉毛とまつ毛が真っ白になっており、更に面妖さが増すのである。
「豪牙、どんな演出だよ!全くの別風景になっているからね」
優しい風が吹くたびに揺れる黒い花と豪牙の白い髪のコントラストが美しさを醸し出しており、アレクは思わずツッコんでしまう。
「私もまさかこのようになるとは思ってもいませんでした。不思議な感覚です。今なら森の長様の動きが先読みできる気がします」
「はぁ~この潜在能力の化け物め!どれだけ強くなったら気が済むんだよ」
アレクは、豪牙の言葉を聞いて勝てる気配が一切見つからないと感じてしまう。模擬戦でなければ絶体絶命だろうと考えて恐怖すら感じるのだ。
「化け物は酷いです!もっと優しい言い方をしてくれてもいいと思いますよ!それと、新魔法いつでも来てくださいね!受ける覚悟はできていますから」
豪牙は、普段とは全くの別人のようになり、どこかしら心に余裕があるようにも見える。
「じゃあ、遠慮なくいくよ!地獄の業火」
地獄の業火と叫ぶと、豪牙を囲うように円形の火柱が現れる。その直後、一気に火が豪牙へと襲い掛かり呑み込むのである。
「妖鬼闇幻」
呑み込まれる瞬間に、ポツリと呟く豪牙。だが、見事に火に呑み込まれてしまう。
「はぁはぁはぁ、魔力をかなり消費したなぁ。それに、闘技場もボロボロにしちゃったし、後でドワーフに謝らないと」
業火の影響で、壁が溶けて地面も融解して大変なことになっている。
「豪牙は、大丈夫かな?あまりにも強いから新魔法を試したけど、これはやり過ぎたよね......」
周りの大惨事を見て、いつものように舌を出してテヘッとした顔をする。
「森の長様、死ぬかと思いましたよ!私の幻を見てください!ドロドロになってますよ」
豪牙は、何もなかったかのように、火柱の外から姿を現す。そして、次第に収まる業火の中からドロドロになったもう一人の豪牙が現れる。
「えっ?いつの間に!全く気づかなかった!もうお手上げ!俺の負けだよ」
アレクは、その場に仰向けで倒れて降参の意を示す。
「森の長様、幻ですが、私がもし呑み込まれていたらと想像した姿がこれです。恐ろしい魔法を作りましたね」
どうやら、新魔法は弱いわけではなかったようだ。ドロドロに溶けた幻の豪牙がそれを物語っている。
「でも食らわせられなきゃ意味ないよ。いつ入れ替わったの?」
「この花達は、相手に幻影を見せる効果があります。ですが、全て燃やされていたら、今頃は私自身があれになっていましたよ」
アレクになら全て話しても問題ないといった感じで、効果と攻略法を伝える。
「それなら結果的によかったよ。豪牙が、ドロドロに溶けていたら慌てふためくところだったしね」
アレクは、初めからこの強さがある豪牙なら平気だろうと思っていたので、あまり驚かったのだ。だから、ドロドロの姿を見ても平然とした部分があったのである。
「この新魔法は、本物の強敵が現れるまで封印してください!二次被害を引き起こします」
幻を使える豪牙と狂化強靭薬で超回復ができるアレクだったからこそ、何もなく終わったのだ。本来なら、周りにいる仲間達に被害が及ぶ凄まじい魔法なのである。
「うん!それは身にしみてわかったよ。試し撃ちができてよかった!豪牙ありがとう!あと、そろそろ薬が切れるからこれを飲ませてね」
アレクは、激痛が始まる前に、エクストラポーションを魔法鞄から出して自分の頭の上に置くのだった。
「複火弾」
複数の火の弾が豪牙を襲う。
「水壁」
豪牙は、自分の前に水の壁を作り出して、全ての火弾を吸収するような形で無効化する。
「えっ?魔法まで使えるの?強過ぎない!?」
アレクは、先程の死角からの攻撃をいとも簡単に避けたことや魔法まであっさり使うところなどを見て、今までの豪牙とは明らかに違うことを悟る。
「複氷弾」
豪牙が、襲いかかってくるアレク目掛けて氷弾を撃ち込んでくる。アレクは、難なく避けて対処するが、急に目の前で曲がってくる氷弾を途中から撃ち込んでくる豪牙。
「おっと!豪牙、魔法操作もできるの!?」
アレクは、パンチと蹴りで曲がってくる氷弾に対応する。しかし、何度も弾き返したアレクの拳と足は真っ赤になっている。豪牙が、純度の高い魔力を練り込んで撃ち出している証拠だ。
「かなりの魔力を練り込んだのですが、森の長様流石ですね!ですが、動きが鈍くなっていますよ」
この好機を逃すまいと豪牙が、地面を蹴ってアレクに向かって拳を突き出す。拳と足が真っ赤に腫れ上がり動きが鈍くなったアレクに直撃するかと思われた拳だったが、気付くと赤く腫れた箇所は治っていて、豪牙の拳を避けて逆に連打を浴びせる。
「クッ!氷柱」
豪牙は、危ないと感じて氷の柱を出す。アレクは、瞬時に地面から何か来るのを悟り後ろへと飛び退く。
「森の長様、何故治っているのですか?」
豪牙は、連打を浴びながらも平気な顔をして立ち上がる。そして、何故回復しているのか尋ねる。
「狂化強靭薬による回復だよ!でも、時間がもうないから新魔法と妖鬼化の勝負をしない?」
狂化強靭薬の残り時間が刻一刻と近付いており、もう残された時間は残り僅かだ。そこで、お互いの全力をぶつけ合って終わりにしようと提案する。
「構いません。私も妖鬼化がどうなるのか気になっていましたので!では、妖鬼化」
豪牙が、そう叫ぶと闘技場の真上の空だけが暗くなり、地面から黒い花が辺り一面に咲く。アレクは、その面妖な光景に目を奪われてしまう。そして、豪牙を見てみると、髪の毛と眉毛とまつ毛が真っ白になっており、更に面妖さが増すのである。
「豪牙、どんな演出だよ!全くの別風景になっているからね」
優しい風が吹くたびに揺れる黒い花と豪牙の白い髪のコントラストが美しさを醸し出しており、アレクは思わずツッコんでしまう。
「私もまさかこのようになるとは思ってもいませんでした。不思議な感覚です。今なら森の長様の動きが先読みできる気がします」
「はぁ~この潜在能力の化け物め!どれだけ強くなったら気が済むんだよ」
アレクは、豪牙の言葉を聞いて勝てる気配が一切見つからないと感じてしまう。模擬戦でなければ絶体絶命だろうと考えて恐怖すら感じるのだ。
「化け物は酷いです!もっと優しい言い方をしてくれてもいいと思いますよ!それと、新魔法いつでも来てくださいね!受ける覚悟はできていますから」
豪牙は、普段とは全くの別人のようになり、どこかしら心に余裕があるようにも見える。
「じゃあ、遠慮なくいくよ!地獄の業火」
地獄の業火と叫ぶと、豪牙を囲うように円形の火柱が現れる。その直後、一気に火が豪牙へと襲い掛かり呑み込むのである。
「妖鬼闇幻」
呑み込まれる瞬間に、ポツリと呟く豪牙。だが、見事に火に呑み込まれてしまう。
「はぁはぁはぁ、魔力をかなり消費したなぁ。それに、闘技場もボロボロにしちゃったし、後でドワーフに謝らないと」
業火の影響で、壁が溶けて地面も融解して大変なことになっている。
「豪牙は、大丈夫かな?あまりにも強いから新魔法を試したけど、これはやり過ぎたよね......」
周りの大惨事を見て、いつものように舌を出してテヘッとした顔をする。
「森の長様、死ぬかと思いましたよ!私の幻を見てください!ドロドロになってますよ」
豪牙は、何もなかったかのように、火柱の外から姿を現す。そして、次第に収まる業火の中からドロドロになったもう一人の豪牙が現れる。
「えっ?いつの間に!全く気づかなかった!もうお手上げ!俺の負けだよ」
アレクは、その場に仰向けで倒れて降参の意を示す。
「森の長様、幻ですが、私がもし呑み込まれていたらと想像した姿がこれです。恐ろしい魔法を作りましたね」
どうやら、新魔法は弱いわけではなかったようだ。ドロドロに溶けた幻の豪牙がそれを物語っている。
「でも食らわせられなきゃ意味ないよ。いつ入れ替わったの?」
「この花達は、相手に幻影を見せる効果があります。ですが、全て燃やされていたら、今頃は私自身があれになっていましたよ」
アレクになら全て話しても問題ないといった感じで、効果と攻略法を伝える。
「それなら結果的によかったよ。豪牙が、ドロドロに溶けていたら慌てふためくところだったしね」
アレクは、初めからこの強さがある豪牙なら平気だろうと思っていたので、あまり驚かったのだ。だから、ドロドロの姿を見ても平然とした部分があったのである。
「この新魔法は、本物の強敵が現れるまで封印してください!二次被害を引き起こします」
幻を使える豪牙と狂化強靭薬で超回復ができるアレクだったからこそ、何もなく終わったのだ。本来なら、周りにいる仲間達に被害が及ぶ凄まじい魔法なのである。
「うん!それは身にしみてわかったよ。試し撃ちができてよかった!豪牙ありがとう!あと、そろそろ薬が切れるからこれを飲ませてね」
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