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第4章 アレクの子供と日常

第426話 使用人の高待遇に思わず涙!

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ヘルミーナ達は、大きな城に驚くのと、一番嬉しがっていたのは、メイド達である。どんな形であれ、夢に見た城での勤務に、城の敷地内に建てられた屋敷ほど大きな使用人専用の住まいに共同にはなるが住めると知ったからだ。

「本当に、ここで私達が住んでよろしいのですか?」

一人のメイドが、立派過ぎる住居に驚きながら尋ねてくる。

「そうだよ!君達のために建てた家だからね。一人一部屋好きに使っていいよ!家族がいる人は、広い部屋を使うといいから」

アレクが、当たり前のように言うが、このような待遇普通では有り得ないことなのだ。一般的には、主人と同じ屋敷の中にある狭く必要最低限の物しか置けない部屋なのだ。酷ければ物置き小屋に近い場所で住まなくてはならない。

「こんな立派な......驚いて声が出ません!本当に私達は幸せ者です。ありがとうございます」

「すぐに部屋を見に行って荷物を置いてくるといい!俺達は、ここで待っているから」

アレクが、そういうと待っていましたと言わんばかりに、一斉に走り出す。

「普通なら最優先に使用人のことを考える貴族なんていないわよ」

ヘルミーナが、この世界の一般的貴族について語る。

「俺達を支えてくれる大事な人達だからね。気持ちよく働いてほしいし、少なくとも魔物がいて落ち着かないだろうから、このくらいはしてあげたいなって」

アレクは、使用人も大切な家族であり、欠かせない存在であるので、無下にはしたくないのである。そんなことを話していると、使用人達が一斉に涙を流しながら走ってアレクの下にやってくる。

「え?みんな、どうしたの?何かこの家に不備があった?」

アレクは、全員が泣き出すものだから何か駄目なものがあったのではないかと慌てる。

「ち、違います!こんないい待遇に感動してしまいまして......まさか、一部屋に一つ湯浴み場があり、トイレまで完備されていて、あんなフワフワなベッドまで用意されているなんて......ご主人様ぁぁぁぁ本当にありがとうございます」

メイド長が代表して、屋敷内で見た有り得ない光景と使用人への素晴らしい待遇に嬉しさを現すのだ。あのファビロまで泣き出してしまっている。

「あ~よかったぁぁぁ!不備があったわけではなかったんだね。喜んでもらえて本当によかったよ!あ!忘れるところだった!明日一人ずつ面談をするからよろしくね」

今まで喜んでいたのが、嘘のように面談と聞いて使用人が暗い顔になる。領主と一対一で顔を合わせるのは、採用時か解雇になる時のどちらかが多いからだ。

「旦那様、皆が不安がっております!どのような面談をするのか、詳しくお話されるべきだと愚考致します」

ファビロが、みんなの顔を見てアレクに面談の意図を進言するように言う。

「あ!そうだね。待遇について査定をしようかなってね。みんな頑張ってくれているし、環境も大きく変わるから給金を大幅に上げようと考えているんだ」

それを聞いた使用人は、暗い表情から一変して、大泣きする者や歓喜する者に分かれる。

「今でも他の領地に比べて多く給金を頂いて、更に上げて頂けるのですか?」

メイド長が、代表して尋ねてくる。それほどに信じられないことなのだろう。

「うん!これから更に大変になるだろうし、君達には支えてもらう必要があるからね!まぁ、待遇や何故給金を上げるかは面談時に話すよ!それよりも、荷解きをして城に来てくれるかな?」

全員が、「はい」と言っていつも以上にキビキビ動き出すのだ。

「私達は、本当に恵まれた使用人でございます。本当に旦那様の下で働けて幸せです。では、私も荷解きが出来次第、すぐに城へと参ります」

ファビロが、感謝の言葉を言ってから、他の使用人達と一緒に荷解きに向かうのだ。

「いずれは、皆が知ることになるだろうけど、口止めしといた方がいいわよ。そうしないと、すぐに使用人になりたいって殺到するわ」

ヘルミーナは、アレクのことだから住居や給金以外にもかなりの高待遇を打診するのだろうと考えて、起こりうることを助言する。

「え?殺到するかな?」

「するわ!さっきの使用人の顔を見たでしょ?あれが何よりの証拠よ!普通こんな待遇は受けられないわ」

アレクは、あまり気付いていないようだが、ヘルミーナは、心配で仕方ないようだ。

「奥様のおっしゃる通りです!使用人以外にも、もし人間を街で雇う場合、気を付けてください。週休2日に1日8時間労働など有り得ませんから」

パスクが、横から更に助言をしてくる。今は、ドワーフと魔物だけだが、人間が来た場合、どえらいことになってしまうと考えている。

「そうなのか~ちゃんと口止めは必要だね。あとは、殺到した時の対策も考えるべきだね。ありがとう。二人共」

アレク的には、日本のホワイト企業を参考にしたつもりで、あまり深く考えていなかったが、よくよく考えると、殺到してしまうなと思うのだった。
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