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第1章 森の長による開拓

第402話 ノックスと豪牙の模擬戦に驚く子供達!

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ノックスが、防御結界の魔道具の設置を終わらせたようで、闘技場に戻ってくる。

「設置終わったぞ!豪牙、早速やるか!」

ノックスは、背中に背負っている大剣を抜いて闘技場の真ん中へとやってくる。

「師匠~!いつもと大剣が違うようですけど作ってもらったんですか~?」

観客席からアレクが、拡声器の魔法を使ってノックスに尋ねる。

「おう!刃がついていない大剣を作ってもらったんだ!これなら模擬戦にもってこいだろ?オリハルコン製だから折れにくいしな」

アレクは、それを聞いた瞬間、オリハルコン製なら斬る以前に、硬すぎて当たっただけで相手を潰してしまわないかと思うのだ。

「師匠、それって......豪牙が耐えきれないかと......」

「大丈夫だろう!豪牙は、頑丈だからな」

アレクは、そういう問題ではないのではと思うのだが、戦闘狂になっているノックスに何を言っても仕方ないので、これ以上何も言うまいと思う。

「回復薬を用意しておきますので、思う存分、壊さない程度にやってください」

死にはしないだろうと思ったのだが、重症になる恐れがあるので、アレクはポーションを用意しておく。

「おう!頼む!じゃあ、豪牙行くぞ」

「あぁ、外皮硬化!身体強化」

豪牙は、外皮硬化という肉体の強度を高めるスキルと身体強化を使う。すでに、ノックスとの訓練でスキルなどを自由に発動できるようになっているようだ。

「豪牙、ガッカリさせるなよ」

ノックスが、大剣を振りかぶって豪牙に襲い掛かる。豪牙は、避けることをせず、大剣に対して殴りにいく。そして、大剣と拳がぶつかり、辺りに余波が一気に伝わりブワッとした風が吹き荒れる。

「うわぁ!凄い......」

ウァラクが、思わず声を出す。その間も、ノックスと豪牙は剣と拳をぶつけ合いながらお互い応戦し合っている。

「結界が震えていますよ。これが模擬戦だなんて......」

アギケも、一挙手一投足を目に焼き付けながら、驚きの表情を浮かべる。
アギケの言う通り模擬戦の域を超えた戦いが繰り広げられている。

「ノックス様は、本当に人間なのですか!?前よりも更に強くなっているような......」

リリスは、ノックスの人間離れしたスピードとパワーに驚き、目を丸くする。そしてアレクは、心の中で化け物だよと思うのだ。

「一応人間だよ。でも、最近本当に人間なのか疑わしくなってきたよ。あれでも、全然本気を出してないからね」

アレクから防御結界を壊さないように言われているので、力を加減しながら戦っている。それでも余波だけで防御結界が揺れるほどの威力なのである。

「リリス、ノックスさんも凄いけど、豪牙さんも凄いよ。だって、オリハルコンの大剣を拳で受け止めてるんだから」

外皮硬化のスキルを使っているとはいえ、ノックスのパワーに耐えるオリハルコン製の大剣を受け止めているのだ。普通では、有り得ないことである。

「鬼人てあんなに強いんですね。魔ノ国にいたら、すぐに四天王の一角......いや、それ以上の存在になれそうです。お母様が、欲しがりそうです」

「豪牙は、あげないよ!大事な住人だからね」

リリスの考え方が、本当にラヴァーナとそっくりだなと思うアレク。

「でも、絶対にほしいと言われますよ。覚悟しておいた方がいいと思います」

鬼人という希少種族を欲しがらないわけがないという。

「そこは、断るよ。もし無理矢理連れて行くなら武力行使もありえるかもね。まぁ、ラヴァーナ様がそんなことをするとは思わないけどね」

「戦争は困ります!魔ノ国が、崩壊してしまいます。絶対に止めてくださいね」

リリスが、アレクの両肩を掴みながら真剣な顔で訴えかける。

「冗談だよ。ちゃんと話し合いで解決するよ。でも、今後魔物の街を認めない貴族が襲って来るかもしれない。その時は、本気で戦うつもりだよ」

陛下が、止めるだろうとは思っているが、バカな貴族はいるもので、いつかはそんなことが起こるだろうと考えている。

「そんな貴族......人間ならいるかも知れませんね。その時は、魔ノ国もご協力致しますよ。きっと、お母様も同じことをおっしゃると思います」

「そんな状況になったらお願いしようかな。今は、師匠と豪牙の戦いを見守ろう」

アレクは、心強い味方だなと思うのと同時に、今は起こっていない問題を考える前に、目の前の戦いに集中しようと言うのだった。
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