チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第8章 復学生活の始まり

第338話 ランスの恋バナと恋成就の計画！

アーノルと話し合った後、風呂に入って夕食を済ませたアレク達は、レオナードの部屋に集まっていた。
ちなみに、エリーゼとヘルミーナとブランシェは、まだまだ話が尽きないらしく夕食後、また三人でブランシェの部屋に行くのだった。
レオナードの部屋に集まったのは、レオナード、ランス、セト、アレク、スロー、レティーである。

「レティーは、あっちに行かなくていいの？」

唯一、女性だけにも関わらずレティーは、こちら側で遊んでいるのだ。

「無理無理！貴族様の夫人に王女殿下だよ。気が休まらないって...こっちの方が楽」

顔の前で手をブンブンと振って絶対無理だと言うアピールをする。

「そっか...まぁレティーがいいなら構わないんだけど。それよりも、ランス！そろそろ誰が好きなのか教えてよ」

アレクは、空気を読まずに皆の前で平然と言うのだ。

「おい！アレク！」

ランスは、本気で怒っているようだ。

「ランスくん、ごめん！もう皆誰が好きなのか知ってるんだ」

本気で怒るランスに、さらなる爆弾を投下するセト。ランスは、ブリキのおもちゃみたいにギギギと首を動かすのだ。

「・・・・・」

そしてランスは、黙ってしまう。

「周知の事実だよねぇ～ランス、バレバレだよ～」

レティーも、笑いながら更に追い打ちをかける。

「本当なのかぁぁぁ、レオナードォォォ？」

ランスは、壊れたようにレオナードに詰め寄って大声で尋ねる。

「え？知ってますよ。スローくんも知ってますよね？」

「カティーさんでしょ？みんな知ってるって！もしかして、分かってないと思ってた？」

レオナード経由でスローが見事に名前を言ってしまうのである。

「あぁぁぁぁ」

ランスは、頭を抱えて叫ぶのだ。

「詳しく聞かせてよ。もうここまで皆知っちゃってるんだしさ」

アレクは、ランスの肩を軽く叩いて洗いざらい話しちゃおうと言うのである。

「クソッ！なんでみんな知ってんだ！」

「だって、カティーを目で追ってたり、顔を赤くしたり、カティーの前だと緊張して話せなかったりするから丸分かりだってぇ」

レティーが、恥ずかしい日々のランスの様子を惜しげもなく話し出すのだ。

「やめてくれぇ～それ以上はぁぁぁ」

ランスが、レティーに土下座をしながら許しを乞うのだ。

「俺から始めたことだけど、みんなそこまでにしよう。真剣に話を聞こうじゃないか。で、カティーさんは、どんな人なの？」

アレクが、手をパンパンと叩いて皆を止める。これ以上してしまうと、ランスが本当に壊れそうだからである。

「ダルトハ伯爵家のご令嬢ですよ。そして、あのお尻ペンペンをしたイスラスくんのお姉さんです」

レオナードが、まさかの事実を伝えてくる。

「え？そうなの？あのイスラスを想像したら凄い令嬢のような気がするんだけど...」

「それが、誰にでも慕われて身分など関係ないといった人です。しかも、多くの男性から告白をされているのですが、全て断っているそうです」

「あれは、断っているんじゃなくて玉砕してるだけじゃないかな？」

玉砕している風景を思い出しながらセトが話しだす。

「玉砕？」

「私に勝った人を恋人にするんだてぇ。それで、見事に全員玉砕したってわけ」

レティーが、事実を伝えてくる。アレクは、やっぱり一癖も二癖もある人だと思うのだ。

「でも、ランスなら余裕で勝てるんじゃないの？」

「そうなんだけどさ、一向に告白する気配がないんだ」

スローが、首を振りながら否定してくる。

「あんな可憐で美しい女性を攻撃できるわけないだろうが！」

ランスが、吹っ切れたのか？皆を前にして大声で言う。それを聞いた全員が、そうかと納得するのだ。

「ん～？待てよ！全知全能薬学」

アレクは、ある薬を探している。

「アレクくん、何をしてるの？」

セトが覗き込むように見てくる。他の皆も何をしているのか気になるようだ。

「秘密！魔法での誓約をした人にしか話してないスキルだからさ。ごめんね」

それを聞いた皆は、深く突っ込もうとはしない。アレクの七不思議は今に始まったことではないのと、誓約の話も本当のことだろうと推測出来るからである。

「あった！よし！学園に戻ったら早速告白しに行くぞ！」

「いやいや！無理だって！戦うくらいなら一生遠くから見てる方がいい」

ランスは、絶対に戦いたくない意志を示す。

「俺に任せてよ！絶対後悔させないから。もし、失敗したら俺のスキルの秘密を教えてあげるからさ」

「そ、それは知りてぇ～！でもよ、本当に大丈夫なのかよ？」

「大丈夫！絶対うまくいくから」

「わかった！アレクを信じるぜ。その代わり、もし失敗したら秘密を洗いざらい話してもらうからな」

好きな人と付き合いたいと思うのと同時にアレクの秘密も知りたいという欲求に負けたランスは承諾してしまうのだった。