上 下
207 / 763
第8章 復学生活の始まり

第322話 クラスメイトとの休憩時間!意外な新事実を知る!

しおりを挟む
2限目の授業が終わると、一斉に皆がアレクの下に集まってくるのだ。

「アレク、久しぶりだな!俺はずっと待ってたぜ!」

ランスが、拳を突き出してアレクを迎えるのだ。アレクもランスの拳に合わせるように突き出す。

「ランス、久しぶりだね。元気そうでよかったよ」

「当たり前だろ!それより、アレクがいない間に俺は最強になった...」

「ランスばかりズルいです!アレク様、ずっとお待ちしていたんですよ!お父様に言ってもアレクは忙しいの一点張りで悲しかったです」

ランスの話しを遮るように入ってくるエリーゼ。真剣な顔でアレクに訴えるのだ。

「エリーゼ王女殿下...」

「むぅぅ!王女殿下ではなくエリーゼです!また畏まったら許しません!」

王女殿下と言うと、頬を膨らませながら、すぐに訂正してくるエリーゼ。

「エリーゼ、ごめん。これからは、卒業まで一緒だからよろしく頼むよ。仲良くしよう」

「うっ!アレク様はズルいです。そんな顔で言われたら許してしまいます。おかえりなさいアレク様」

そんな顔とは、どんな顔なのだろうと思うアレクだったが、許して貰えたようなので一安心する。

「ただいま、エリーゼ!」

笑顔でアレクがエリーゼに言うと、エリーゼも笑顔になるのだ。前みたいに見境なく抱き着いてくることはなく、淑女としても成長しているようである。

「エリーゼ王女殿下、よかったですね。ずっとお待ちになっていましたものね」

エリーゼの従者のイルタがエリーゼに声をかけている。

「お久しぶりです!僕のこと忘れていませんよね?」

金髪で目が細く常に笑っているような顔をしているのが、レオナードが話しかけてきたのだ。

「レオナード久しぶり!忘れるわけないだろ!レオナードもかなり強くなったみたいだね」

「みんなで、特訓しましたからね。Sクラスとして恥じないように努力しています。それより、辺境伯への陞爵おめでとうございます」

レオナードは、わざとらしく片膝を突いてアレクに頭を垂れるのだ。

「レオナード、やめてよ!ほら、皆が騒ぎ始めたじゃないか...」

他の生徒もアレクと話したいのか?気になっており、ずっと聞き耳を立てていたのだ。すると、辺境伯に陞爵されたと聞いて騒ぎ始めているのだ。

「ごめんなさい!でも、僕からしたら祝わずにはいられないことだったんです。凄いことですから!」

いつか貴族の当主になるレオナードからしたらアレクは雲の上のような存在で、尊敬する人でもあり、目指す目標でもあるのだ。

「ありがとう!でも学園では今まで通り接してね。友達だろ?」

身分差で、畏まられたくないアレク。

「わかりました。今まで通りに接しますね」

「レオナード様、やはりアレク様はアレク様でしたね」

「そうみたいだよ!変わっていなくてよかった」

従者のフレデリカが、レオナードに声をかける。すると、レオナードは変わっていなかったアレクのことが嬉しかったのか?終始笑顔になるのである。

「スローとレティーも久しぶりだね。元気そうでよかったよ」

スローとレティーとは、対抗戦で補欠として出場したSクラスの仲間である。

「アレクくん、久しぶり!でも、辺境伯様だし、アレク様って言わないといけないかな?」

レティーが、悩むようにアレクに言うのだ。

「ハハハ、今まで通りでいいよ。レティーとスローは、初めから普通に接してくれたし、嬉しかったんだよ。今変わられたら悲しいな」

アレクは、レティーとスローの前でワザと悲しそうな顔する。

「アレクごめんね。今まで通り接するからそんな顔しないで」

「俺も、今まで通り接するからさ。また、魔法を教えてくれよ。あれから頑張って無詠唱も出来るようになったんだ」

レティーとスローは、慌てるようにアレクに伝えるのだ。

「おっ!凄いじゃないか!まさか無詠唱を使えるなんて。じゃあ、上級魔法を教えようかな?」

「え?上級って学園を卒業して更に進学する生徒しか習うことのできないっていうやつだろ?なんでアレクが使えるの?」

アレクは、この時「え?」と思わず声をもらしてしまった。何故かというとアレクの周りには上級いやそれ以上の魔法をバンバン使う人物がいっぱいいるからだ。それに、そんな話をノックスからもオレールからも聞いておらず驚くのだ。

「そうなの?知らなかったんだけど...それなら、先生に許可を得ないといけないよね...勝手に教えたら問題になりそうだし...」

「今更ですよ!父から聞いた話ですが、無詠唱すらも学園では教えないそうです。一部の見込みある生徒だけ三年になった際に、特別に教わるそうです。なので、僕が無詠唱を使えると知って父は非常に驚いていました」

レオナードが、また新事実を教えてくれるのだ。アレクは、そんな事知らなかったので、「え~」とまた声に出す。

「父が是非アレクくんにお礼を言いたいと言っていました。ですが、お忙しいからどうしようかと悩んでいたのも事実です」

「そうだったんだね。じゃあ、レオナードの家に遊びに行かせてよ」

「え?僕の家に?構わないですけど、普通は僕達が行かないといけない立場なのにいいのですか?」

伯爵家と辺境伯家では、辺境伯の方が上になる為、普通ならレオナード側が出向かないといけないのだ。

「友達同士なんだから別に構わないと思うよ」

「アレクくんが、そう言うなら父に話しておきますよ」

レオナードは、笑顔で答える。

「じゃあ、俺も遊びに行きたいぜ!貴族の屋敷なんて行ける機会なんてそうそうないからな」

ランスが、俺も俺もと言った感じで割って入ってくる。

「ランスくん...流石に平民の僕達じゃ無理だよ...」

セトも行きたいみたいだが、身分差があり絶対無理だと主張する。

「レオナード、みんなで行っても構わないよね?」

アレクのその一言に全員が、レオナードの方を向くのだ。中には、エリーゼも含まれている。

「僕は構いませんが...エリーゼ様がくると聞いたら父も母も卒倒しちゃいそうですね。アハハハ」

「よっしゃぁぁぁ!レオナードの言質は取ったぜ!皆で行くぞ~」

ランスが、大声で叫ぶのだ。それを皮切りに、集まった全員が「お~」と言うのであった。
しおりを挟む
感想 2,143

あなたにおすすめの小説

妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。

しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹 そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる もう限界がきた私はあることを決心するのだった

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト) 前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した 生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ 魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する ということで努力していくことにしました

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。