197 / 821
第7章 新たな出会いと仲間
第312話 ファールは高所恐怖症?お構いなく乗せるジキタリス!
しおりを挟む
「陛下これが、転移の魔導具ですか?」
ファールが、王城にある転移の魔導具を見つめながら呟く。
これから、魔ノ国を経由して帝国に訪れようとしているのだ。
「一瞬にして、魔ノ国まで移動できるのでな。驚くほどであるぞ」
陛下が、そう答えていると、転移してくる人物がいた。
「ウズベル陛下ご無沙汰しております。そして、ウスベル公爵様、初めまして魔王様の補佐をしております。ジキタリスと申します」
迎えにやってきたのはジキタリスであり、陛下と公爵に礼をして挨拶をする。
「ジキタリス殿、わざわざお迎えありがとうございます。ファール・フォン・ウズベルと申します。よろしくお願い致します」
ガッチリと二人は握手を交わして親交を深める。今更ながらではあるが、ファールも陛下と同じで異種族差別をするような人物ではないのである。
「では、早速参りましょう!」
「は、はい!」
「緊張しなくても、あっという間に着きますから」
ファールは、初めての転移に緊張してしまい、声がうわずってしまうのだ。
「うまくやってくるのだぞ!ファール期待しておるからな」
陛下は、ファールに活を入れるように発言をするのであった。
「ファール様、こちらに立って下さい」
「わかりました」
そう言って、ファールが指定された場所に立った瞬間、ジキタリスとファールは姿を消すのであった。
「ファール様、目を開けて下さい。着きましたよ」
恐怖で目を閉じてしまっていたファールに声をかけるジキタリス。
「も、もう着いたのですか?」
「はい!今は魔王城にある転移の間でございます。この後、すぐに四天王と合流して頂き、ワイバーンにて帝国に移動して頂きます」
驚くファールに対して、淡々と説明をするジキタリス。
「ずっと気になっていたのですが、ワイバーンでの移動とは、ワイバーンに乗るということですか?」
「はい!ワイバーンに乗って頂きます。あっという間に着きますからご安心下さい」
「ちょ、ちょっと待って下さい!空を飛ぶのですよね?絶対に無理です」
ワイバーンに乗って空を飛ぶ自分を想像したファールは、恐怖で絶対に無理だと言い切るのであった。
「大丈夫ですよ。落ちないように固定致しますし、呼吸もできるように結界を張っておりますから」
ファールは、それを聞いた時に、そういう問題じゃないと心の中で強く叫ぶ。
「本当に無理です!ワイバーン以外に移動手段はないのですか?」
「やはりこうなりましたか...暫く寝ていて下さい」
ジキタリスが、そう言った瞬間、急に眠くなりファールは、その場に倒れ込むのであった。
「事前に聞いていた通りになりましたね。では、起きないうちにワイバーンに乗せてしまいましょう」
陛下経由で魔王からファールが駄々をこねる可能性があると聞いていたジキタリスは、眠りの魔道具を用意していたのだ。
「よいしょっと!」
ジキタリスは、ファールを抱えて四天王とワイバーン部隊が待つ場所へと向かうのだった。
◆
「ガリル隊長、王国の公爵のファール様です。丁重に帝国までお送り下さい。よろしくお願いします。四天王の皆様も、護衛よろしくお願いします」
「はい!ジキタリス様、粗相のないよう努めさせて頂きます」
ガリル隊長は、胸に手を当てて任せて下さいと言う。
「にしても、公爵を眠らせて抱えてきて大丈夫なのか?」
マクガリアス、凄い格好で登場したファールのことを見て気になり問いかける。
「どうしても、ワイバーンに乗りたくないみたいでしたので。魔王様の許可は得ていますし、起きたらこちらの手紙をファール様にお見せ下さい。納得されると思います」
ファールが、騒ぎ出した時の為に、ウズベル陛下が手紙を用意してくれていたようである。
「わかった。じゃあ、早速行くとするか。ガリル、公爵を乗せてやってくれ」
「畏まりました」
ガリルが、ファールを抱えてワイバーンに固定をする。
「では、出発します」
そう言ってワイバーンが、空高く舞い上がるのであった。
「どうか、帝国いや公国がいい国になるよう願っております。ファール様、よろしくお願いします」
ジキタリスが、ワイバーン部隊を見送りながら、ボソッと呟くのであった。
ファールが、王城にある転移の魔導具を見つめながら呟く。
これから、魔ノ国を経由して帝国に訪れようとしているのだ。
「一瞬にして、魔ノ国まで移動できるのでな。驚くほどであるぞ」
陛下が、そう答えていると、転移してくる人物がいた。
「ウズベル陛下ご無沙汰しております。そして、ウスベル公爵様、初めまして魔王様の補佐をしております。ジキタリスと申します」
迎えにやってきたのはジキタリスであり、陛下と公爵に礼をして挨拶をする。
「ジキタリス殿、わざわざお迎えありがとうございます。ファール・フォン・ウズベルと申します。よろしくお願い致します」
ガッチリと二人は握手を交わして親交を深める。今更ながらではあるが、ファールも陛下と同じで異種族差別をするような人物ではないのである。
「では、早速参りましょう!」
「は、はい!」
「緊張しなくても、あっという間に着きますから」
ファールは、初めての転移に緊張してしまい、声がうわずってしまうのだ。
「うまくやってくるのだぞ!ファール期待しておるからな」
陛下は、ファールに活を入れるように発言をするのであった。
「ファール様、こちらに立って下さい」
「わかりました」
そう言って、ファールが指定された場所に立った瞬間、ジキタリスとファールは姿を消すのであった。
「ファール様、目を開けて下さい。着きましたよ」
恐怖で目を閉じてしまっていたファールに声をかけるジキタリス。
「も、もう着いたのですか?」
「はい!今は魔王城にある転移の間でございます。この後、すぐに四天王と合流して頂き、ワイバーンにて帝国に移動して頂きます」
驚くファールに対して、淡々と説明をするジキタリス。
「ずっと気になっていたのですが、ワイバーンでの移動とは、ワイバーンに乗るということですか?」
「はい!ワイバーンに乗って頂きます。あっという間に着きますからご安心下さい」
「ちょ、ちょっと待って下さい!空を飛ぶのですよね?絶対に無理です」
ワイバーンに乗って空を飛ぶ自分を想像したファールは、恐怖で絶対に無理だと言い切るのであった。
「大丈夫ですよ。落ちないように固定致しますし、呼吸もできるように結界を張っておりますから」
ファールは、それを聞いた時に、そういう問題じゃないと心の中で強く叫ぶ。
「本当に無理です!ワイバーン以外に移動手段はないのですか?」
「やはりこうなりましたか...暫く寝ていて下さい」
ジキタリスが、そう言った瞬間、急に眠くなりファールは、その場に倒れ込むのであった。
「事前に聞いていた通りになりましたね。では、起きないうちにワイバーンに乗せてしまいましょう」
陛下経由で魔王からファールが駄々をこねる可能性があると聞いていたジキタリスは、眠りの魔道具を用意していたのだ。
「よいしょっと!」
ジキタリスは、ファールを抱えて四天王とワイバーン部隊が待つ場所へと向かうのだった。
◆
「ガリル隊長、王国の公爵のファール様です。丁重に帝国までお送り下さい。よろしくお願いします。四天王の皆様も、護衛よろしくお願いします」
「はい!ジキタリス様、粗相のないよう努めさせて頂きます」
ガリル隊長は、胸に手を当てて任せて下さいと言う。
「にしても、公爵を眠らせて抱えてきて大丈夫なのか?」
マクガリアス、凄い格好で登場したファールのことを見て気になり問いかける。
「どうしても、ワイバーンに乗りたくないみたいでしたので。魔王様の許可は得ていますし、起きたらこちらの手紙をファール様にお見せ下さい。納得されると思います」
ファールが、騒ぎ出した時の為に、ウズベル陛下が手紙を用意してくれていたようである。
「わかった。じゃあ、早速行くとするか。ガリル、公爵を乗せてやってくれ」
「畏まりました」
ガリルが、ファールを抱えてワイバーンに固定をする。
「では、出発します」
そう言ってワイバーンが、空高く舞い上がるのであった。
「どうか、帝国いや公国がいい国になるよう願っております。ファール様、よろしくお願いします」
ジキタリスが、ワイバーン部隊を見送りながら、ボソッと呟くのであった。
132
お気に入りに追加
6,146
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。