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第7章 新たな出会いと仲間
第296話 夜明けの雫の出生と善良な領主様!
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「おいしい~あたい、こんなおいしいの食べたことない~」
「ん~本当においしいわね。普段の料理が食べられなくなりそう」
リンとラミリスが、大和ノ国の料理を気に入って食べてくれている。
「よかったわ。皆さんのお口に合って」
ヘルミーナと夜明けの雫は、挨拶を済ませて、今はみんなで夕食を取っているところである。
「ヘルミーナ様、あとでアレク様との馴れ初めを聞かせて~」
「私も是非聞きたいですわ」
リンは、相変わらずといった感じで緊張感などなく聞いている。ラミリスも、それに乗っかるように聞くのだ。
「おい!リン、ラミリス!失礼だろ」
やはりそれを止めるのはリッドである。しかしリッドは、屋敷での夕食ということもあって緊張でガチガチになっている。
「リッドさんいいのよ。気にしないで。リンちゃん、ラミリスさん、あとで色々話しましょ」
ヘルミーナは、気にする様子もなく受け入れるのであった。
「やった~」
「ありがとうございますわ。ヘルミーナ様」
リンは、ガッツポーズをする。ラミリスは、意外にも慣れているのか、言葉遣いもきっちりしているのだ。
「久し振りに気兼ねなく話せるのは嬉しいもの。貴族になると...なかなか本音で話せないのよね」
アレクは、それを聞いて苦労をかけているんだなと思うのと、気付いてあげられなくてごめんなさいと思うのであった。
そして女性陣は、盛り上がっている様子だが、男性陣はというと、リッドが緊張して料理に手をつけられないでいるのだ。一方、ゼフは日本酒が気に入ったようで一人晩酌を楽しんでいる。
「ゼフさんは、お酒が好きなんですね」
「あぁ~だが、この酒は格別だな。今までに、味わったことのないうまさだ。それより、そろそろ畏まった口調をやめないか?」
「う~ん、わかったよ。ゼフがそう言うなら普通に話すよ。にしても、リッドさんは大丈夫かな?」
敬語をやめるように言われたので、普通に会話をするアレク。そして、リッドのことが気になって平気なのか尋ねるのであった。
「リッドは、小さい時から貴族に憧れているからな。緊張してしまうんだろう。そっとしといてやってくれ」
「なんでリッドさんは、貴族に憧れというかなりたいのですか?」
小さい頃からの憧れと聞いて何か理由があるのだろうと気になって聞いてみる。
「俺達は、孤児院育ちなんだ。その孤児院にいた頃、定期的に領主様がやってきて、食べ物や寄付金や色々な物を持ってきてくれてな...」
それから、ゼフは孤児院での話をしてくれた。その領主はかなり善良な人で、常識や剣の使い方や勉強まで教えてくれたそうだ。そんな領主を見て憧れを抱いたのが始まりらしい。そして、いつしか大人になって悪どい貴族や最低な貴族を見るようになり、俺もあの人のような貴族になって困っている人を助けたいと思うようになったそうだ。
「そんなことがあったんだね。その領主様は、今も健在なの?」
「いや...病で倒れられて、今はご子息のメルビン様が、跡を継がれているな」
「そうか...もし治せるとしたらどうする?」
アレクは、そんな善良な領主がいるなら治してあげたいと思うのだった。
「え?どういうことだ?」
ゼフは、少し興奮したように話しかけてくる。
「それは秘密だよ。誓約書を書いてもらって、メルビンさんや家族の了承も得ないといけない。それでも、信用して俺に任せてみる気があるかな?」
スキルのことは、あまり公には出来ないので、夜明けの雫にもその貴族の家族にも了承と誓約書を書いてもらわないといけないのだ。
「俺は信用する!だから助けられるなら助けてくれ!頼む!俺達の恩人なんだ」
リンとラミリスは、女子会で盛り上がっていたので、話を聞いておらずなんのことかさっぱりで、ゼフの急な大声に驚いてこっちを見ている。
「わかった!なら明日にでも手紙を書いてみよう。ファビロ、朝一で頼めるかな?それとゼフ、あとで、その領主とメルビンさんの正式な名前と領地を教えてくれるかな?」
「はい!畏まりました」
ファビロが、返事をする。
「わかりました。ありがとうございます。アレク様」
ゼフは、頭を下げてお礼を言うのだった。
「まだ、何も始まっていないよ。とりあえず進展したら知らせるよ。リッド、いつまで緊張してるの!ちゃんと食べてよ。せっかく用意したんだから」
「へ?あ!はい!食べます」
リッドに対しても敬語をやめるアレク。リッドは、アレクから言われて慌てて料理を口にするのだ。しかし、緊張の所為もあり、味もわからず食べるのであった。
「ん~本当においしいわね。普段の料理が食べられなくなりそう」
リンとラミリスが、大和ノ国の料理を気に入って食べてくれている。
「よかったわ。皆さんのお口に合って」
ヘルミーナと夜明けの雫は、挨拶を済ませて、今はみんなで夕食を取っているところである。
「ヘルミーナ様、あとでアレク様との馴れ初めを聞かせて~」
「私も是非聞きたいですわ」
リンは、相変わらずといった感じで緊張感などなく聞いている。ラミリスも、それに乗っかるように聞くのだ。
「おい!リン、ラミリス!失礼だろ」
やはりそれを止めるのはリッドである。しかしリッドは、屋敷での夕食ということもあって緊張でガチガチになっている。
「リッドさんいいのよ。気にしないで。リンちゃん、ラミリスさん、あとで色々話しましょ」
ヘルミーナは、気にする様子もなく受け入れるのであった。
「やった~」
「ありがとうございますわ。ヘルミーナ様」
リンは、ガッツポーズをする。ラミリスは、意外にも慣れているのか、言葉遣いもきっちりしているのだ。
「久し振りに気兼ねなく話せるのは嬉しいもの。貴族になると...なかなか本音で話せないのよね」
アレクは、それを聞いて苦労をかけているんだなと思うのと、気付いてあげられなくてごめんなさいと思うのであった。
そして女性陣は、盛り上がっている様子だが、男性陣はというと、リッドが緊張して料理に手をつけられないでいるのだ。一方、ゼフは日本酒が気に入ったようで一人晩酌を楽しんでいる。
「ゼフさんは、お酒が好きなんですね」
「あぁ~だが、この酒は格別だな。今までに、味わったことのないうまさだ。それより、そろそろ畏まった口調をやめないか?」
「う~ん、わかったよ。ゼフがそう言うなら普通に話すよ。にしても、リッドさんは大丈夫かな?」
敬語をやめるように言われたので、普通に会話をするアレク。そして、リッドのことが気になって平気なのか尋ねるのであった。
「リッドは、小さい時から貴族に憧れているからな。緊張してしまうんだろう。そっとしといてやってくれ」
「なんでリッドさんは、貴族に憧れというかなりたいのですか?」
小さい頃からの憧れと聞いて何か理由があるのだろうと気になって聞いてみる。
「俺達は、孤児院育ちなんだ。その孤児院にいた頃、定期的に領主様がやってきて、食べ物や寄付金や色々な物を持ってきてくれてな...」
それから、ゼフは孤児院での話をしてくれた。その領主はかなり善良な人で、常識や剣の使い方や勉強まで教えてくれたそうだ。そんな領主を見て憧れを抱いたのが始まりらしい。そして、いつしか大人になって悪どい貴族や最低な貴族を見るようになり、俺もあの人のような貴族になって困っている人を助けたいと思うようになったそうだ。
「そんなことがあったんだね。その領主様は、今も健在なの?」
「いや...病で倒れられて、今はご子息のメルビン様が、跡を継がれているな」
「そうか...もし治せるとしたらどうする?」
アレクは、そんな善良な領主がいるなら治してあげたいと思うのだった。
「え?どういうことだ?」
ゼフは、少し興奮したように話しかけてくる。
「それは秘密だよ。誓約書を書いてもらって、メルビンさんや家族の了承も得ないといけない。それでも、信用して俺に任せてみる気があるかな?」
スキルのことは、あまり公には出来ないので、夜明けの雫にもその貴族の家族にも了承と誓約書を書いてもらわないといけないのだ。
「俺は信用する!だから助けられるなら助けてくれ!頼む!俺達の恩人なんだ」
リンとラミリスは、女子会で盛り上がっていたので、話を聞いておらずなんのことかさっぱりで、ゼフの急な大声に驚いてこっちを見ている。
「わかった!なら明日にでも手紙を書いてみよう。ファビロ、朝一で頼めるかな?それとゼフ、あとで、その領主とメルビンさんの正式な名前と領地を教えてくれるかな?」
「はい!畏まりました」
ファビロが、返事をする。
「わかりました。ありがとうございます。アレク様」
ゼフは、頭を下げてお礼を言うのだった。
「まだ、何も始まっていないよ。とりあえず進展したら知らせるよ。リッド、いつまで緊張してるの!ちゃんと食べてよ。せっかく用意したんだから」
「へ?あ!はい!食べます」
リッドに対しても敬語をやめるアレク。リッドは、アレクから言われて慌てて料理を口にするのだ。しかし、緊張の所為もあり、味もわからず食べるのであった。
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