チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第6章 帝国の侵略

第282話 皇帝陛下、悪足掻きするもあっさり簀巻きになる！

「奔放なる風精の魔弾ランダムバレット」

オレールが無差別に飛んでいく魔弾を放つと、あらゆる城壁は破壊されて、帝国兵にも着弾し大惨事になるのであった。
急に起こったことにより、帝国兵も慌てて対処出来ずにいるのだ。

「絶対零度アブソリュートゼロ」

それでも、やめることのないオレールは、次にあたり一面を凍らせるのだった。
ほとんどの兵士は、固まってしまい壁や門もカチカチに凍るのだった。

「風弾ウインドバレット」

凍った門に風弾ウインドバレットを撃ち込んで破壊するオレール。そして、中へと歩みを進めるのだった。


◆


その頃、城でいつものように偉そうにしていた皇帝はというと、オレールの攻撃によって爆発音があちらこちらで聞こえて狼狽えるのである。　　

「なんの騒ぎだ！一体どうなっておるのだ！」

「陛下！敵襲です！既に門は破られ、多数の死者が出ております」

兵士が、血相を変えて部屋へ飛び込んできたのだ。

「敵襲だと！相手は魔ノ国か？」

「違います！一人の人間です！」

魔ノ国が侵攻してきたと思っていたら、まさかの人間！それも一人というではないか。それを聞いた瞬間、皇帝は怒りの形相へと変わる。

「一人だと！何をこまねいておる。さっさと殺さんかぁぁぁぁぁ！」

「そ、それがあまりの強さに...」

「敵が城内へと侵入しました。食い止めてはいますが、時間の問題です。陛下、お逃げくださ...い。ぐはぁ...」

またしても新たな兵士が飛び込んできたのだが、話している途中で背後から飛んできた剣が胸に刺さり死亡する。

「やっと見つけたよ。大人しく捕まってよね」

そこに姿を現したのは、ルーヘンであった。

「貴様、何者だぁぁぁ」

このような状況下でも強気の姿勢を崩さない皇帝。

「貴方を捕縛又は殺害にきた者でいいかな？まぁ、この状況なら誰でもいいよね」

「よくも我に向かって！許さん許さんぞ！誰かおらんのかぁぁぁぁ！こいつを殺せぇぇぇ」

皇帝は、喚き散らすが誰も来る気配がない。

「誰もこないよ。ここに来るまでに全員殺したからね。で、君はどうするんだい？」

オレールの攻撃を知らせにきた兵士にルーヘンが尋ねる。

「我を守らんか！」

「も、申し訳ございません」

皇帝に謝りながら走って逃げていくのだった。

「これで誰もいなくなったね。じゃあ、大人しく捕まってよ」

そう言いながら皇帝に近付くルーヘン。

「ま、待て！今なら許してやる！いや、侯爵として迎えてやる。どうだ？魅力的であろう？」

この期に及んで、まだそんなことを口にする皇帝にルーヘンは、呆れた顔をするのだった。

「魅力？一切ないね。あんたが皇帝のうちはね。じゃあ、大人しく...」

「ブッハハハ、死ねぇぇぇ」

皇帝に近付くと、罠が発動してあらゆるところから槍が飛んでくる。しかし、ルーヘンは難なく全て斬り伏せたのだ。

「なにぃぃぃぃぃ」

皇帝は、その様子に驚き目を丸くするのであった。

「土拘束アースバインド」

皇帝の体を簀巻きのようにぐるぐる巻にするのであった。

「なにをする。すぐに離さんぁぁぁぁ...うっうっうっ」

「うるさいよ。黙っててね」

土魔法で喋れないように封じるルーヘン。

「皇帝には、人徳がなかったんだね。さっき逃げた兵士が仲間を呼ぶと思ったけど来る気配が一切ないしね。じゃあ、行くとしますかね」

簀巻きにした皇帝を担ぎ上げて外に向かうのだった。


◆


「さっきからぞろぞろ現れますね。土弾アースバレット」

先程締め上げた兵士からマルティル辺境伯の家族が捕らえられている場所を聞き出して向かっているのだが、近付くに連れて兵士の数が増えてきたのだ。

「逃げ場はないぞ！覚悟しろ！」

数十人の兵士に囲まれて、その中の一人が話し出す。

「気付いていなかったのですか？わざと集まるように仕向けたのですよ」

ヘリオスは、囲まれながらも余裕の表情を見せる。

「旋風裂空斬」

ヘリオスは、回転して鋭い刃で帝国兵達を斬り捨てていく。

「ぐぁぁぁぁ」

帝国兵は、一切反応すらできずに、斬り伏せられていくのだ。

「これで粗方片付きましたね。では、さっさと助けに行きますか」

そう言って地下牢に閉じ込められているであろうマルティル辺境伯の家族の下に向かうのだった。

「早く鍵を開けて案内してくれませんか？」

地下牢の入口に着くと兵士が二人いたので、簡単に制圧し、二人のうち一人を脅して地下牢へ案内をさせるのであった。