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第6章 帝国の侵略

第280話 国境越えと入国!帝国はかなり酷い国だった...

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夜になりワイバーンに乗って国境付近まで近寄るオレール達。

「ガリル隊長、ありがとうございました」

ルーヘンが代表してお礼を言う。

「ご武運を願っております。そして、あのデストロイを捕縛して頂いたこと大変感謝しております」

ワイバーン部隊全員が頭を下げてお礼を言うのであった。

「倒したのは、タカハシ伯爵様達ですがね...」

まだ負けたことを引きずっているオレールが呟く。

「いえいえ、事実がそうであっても、貴方様方が、活躍された話は聞いております。そして、尽力を尽くして頂いたこと感謝しております」

魔ノ国がなし得なかったことをいとも簡単に行ったことで、尊敬の眼差しでオレール達を見るワイバーン部隊の面々であった。

「そう言って頂いたこと感謝します。ですが、これからが本番です。私達が死なないよう願っていて下さい」

「魔ノ国から願っております。そして、この場所に魔道通信機を埋めておきますので戻る際はご連絡頂くようお願いします」

ガリル隊長は、一本の木の根っこ辺りを掘り返して通信機を埋めるのだった。

「では、ご武運を。このまま進めば明け方には国境を通過できると思います」

「よし!行くとしますか。今回の指揮は任せましたよ。ルーヘン殿」

オレールがルーヘンの肩を叩いて言う。

「私がですか?子爵様であるオレール殿ではなくですか?・・・・わかりましたよ。引き受けますよ」

ジッと見つめるオレールに対して諦めたように答えるルーヘンであった。

「ここからは、冒険者なので対等でいきますからね。オレール子爵様、よろしいですか?」

「対等で構いませんよ。畏まった言葉遣いもいりません。まぁ、私はこれが普通ですから変えるつもりはありませんけどね」

「私も、普段からこれですから、今更...」

オレールとヘリオスは、普段通り敬語の方が楽だと主張する。

「俺だけって...まぁいいか。じゃあ、しゅっぱ~つ」

これ以上、押し問答をしても無意味に終わると考えたルーヘンは、諦めモードに入るのであった。

「お気をつけて~」

ガリル隊長と隊員は、手を振って見送るのだった。





あれから、数時間歩き、やっと国境にたどり着いたのだ。明け方だというのに警備兵はしっかりと立っており、警戒しているのだろうか?何十人もいるようであった。

「こんな朝早くに何の用だ?」

不躾に尋ねてくる国境の兵士。

「こいつを狩るのに手間取って、間に合わなかったんだよね。一攫千金を狙いにね」

事前に用意して貰っていたオークジェネラルを魔袋から出す。オークジェネラル2体を出したので、国境の兵士も驚いた顔をしている。

「これを三人でか...一応冒険者証を見せてみろ」

そう言われたので三人は、冒険者証を提示する。

「確かに!帝国のだな。今は戦争中だ。当分は国境を越えるなよ。おい!こいつらは本人か?」

「はい!変身している様子はないようです」

どうやら変身の魔道具を使っているのか、調べられたようだが、何事もなくうまくいきそうである。

「よし!通っていいぞ!」

「ありがとうございます」

魔袋にオークジェネラルを入れる。
オレールが、通る間際に国境の兵士に礼を言うのだった。

「それにしても、凄い数の兵士ですね。帝国軍は、本格的に侵攻する予定なんでしょうか?」

ヘリオスが、辺りを見渡しながら話し始める。

「まだデストロイが捕まったことを知らないからね。それより、こんな国では生活したくないよ」

平民の税を軍事費にばかり使う国にいたら平民が豊かにならず疲弊してしまうだろうなと思うルーヘンだった。

「ここから帝都までは、どのくらいの距離があるのでしょうか?」

オレールが、疑問に思ったことを口にする。

「乗り合い馬車で5日くらいだと聞いていますよ。早速、この近くの街で乗り合い馬車を探しましょう」

それから、オレール達は国境付近の街に入り、ちょうど出発間近の乗り合い馬車見つけて乗るのであった。

「お兄さん達、冒険者だろ?また戦争らしいからね。色々取られないように気をつけなよ」

急に横にいた人物が話しかけてきたのだ。

「色々ですか?最近まで国境の外にいたもので何かあったのですか?」

オレールが、それとなく色々が何かを尋ねる。

「そうか...知らないのか...鉄が不足しているという理由で冒険者から剣や防具を巻き上げてるんだ。それに反発した冒険者が既に何人も捕縛されているよ」

「そんなことが...市民は大丈夫なのですか?」

「市民からも当たり前のように巻き上げている。だから手が及ばない場所に逃げるなら今しかないよ」

三人は、帝国は既に終わった国だなと感じると共に、俺達が皇帝を捕まえなくても自然に崩壊するのではないかと思うのだった。

「おじさん、情報をありがとう。俺達も早めに逃げるよ」

「そうしな。無駄に逆らうとか考えないことだよ」

帝都に着いたら面倒なことになりそうだなと感じる三人であった。
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