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第6章 帝国の侵略
第277話 帝国軍の弱さと重要な情報を伝えに行くルーヘン!
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「こんな大勢でどうしたのですか?」
ルーヘンは、屋敷の玄関を飛び出して帝国兵士の前に姿を見せる。
「敵だ。殺せぇぇぇ!」
何故かわからないが、帝国兵士の格好をしているにも関わらず、敵認定されたのだ。指揮官らしき人物の合図で一斉に帝国兵士は、剣を抜いて襲いかかってくる。
「チッ!なんでわかったんだよ。飛翔斬撃」
襲いかかってきた兵士数十人をあっという間に倒すルーヘン。しかし、まだまだぞろぞろと帝国軍はいっぱいいるのだ。
「面倒くさいよ。竜の嵐」
直線上に螺旋状の渦を描き飛んでいく竜の嵐。数百いた敵が一瞬にして消え去るのだった。
「くっクソ~お前達、相手は一人だぞ!何をしている!ハァハァハァ」
「しかし、これでは近付けません。無理です」
「この役立たず共がぁぁぁ!俺が行く」
指揮官らしき人物と部下が言い合いをして、我慢の限界にきた指揮官は、自らルーヘンに襲いかかるのだ。
「え?」
ルーヘンは、スッと相手の攻撃を難なく躱して、指揮官の首を刎ねたのだ。指揮官は、一瞬のことで、「え?」と疑問の声を出して倒れるのであった。
「弱すぎだよ...ねぇ~君たちまだやるかい?やるなら相手するけど」
ルーヘンが、そう言うと帝国兵士達は一斉に武器を捨てて逃げていくのだった。
「本当にデストロイ頼りの国なんだね。二人共、もう出てきて大丈夫だよ。早くヘリオス達と合流しよう」
「はい!マルティル辺境伯様には、ポーションを飲ませたのですが、すぐに気を失ってしまいました」
マルティル辺境伯の様子を確認すると、先程とは違い、顔色はよくなっていた。心労と栄養失調により気を失ったのだろうと考えるルーヘン。
「これなら問題はなさそうだね。よし、帰るよ。我が家に」
ルーヘンは、そう言って辺境伯領の門を出て、騎士団の鎧を身に纏い、馬に乗って来た道を帰るのだった。
◆
「団長、お帰りなさい。うまくいったようですね」
ヘリオスが、ルーヘンの帰還を待っていたようで、馬を下りるとすぐに駆け寄ってきたのだ。
「うまくいったけど、大変な事実まで知ってしまったよ。すぐに、陛下に伝えないといけないね。セイランさんは、いるかい?」
「はい!もうすぐ移送の準備が整いますので、転移してもらう予定です」
「そうか...先に俺とマルティル辺境伯様を転移で連れて行くよう手配してくれないか?あと...」
ルーヘンは、残党狩りをするようにヘリオスに命令を下したのと、辺境伯領の人々を安心させる為に、すぐに王国の兵を向かわせるように言うのだった。
「了解しました」
そして、卒なく指示を出すヘリオスは、すぐに準備を完了させる。それを見ていたルーヘンは、俺が団長ではなくヘリオスが団長をすべきではないかと思うのであった。
「あの?ヘリオス副団長から指示を受けて参りました」
そんなことを考えているとセイランがやってきたのだ。
「悪いけど、俺とマルティル辺境伯様を、すぐに王城に送ってくれないかい?」
「わかりました。では、私に近寄って下さい」
言われた通り近寄ると一瞬にして景色が変わり、王城に着くのであった。
「う~ん?みんな忙しそうだね。仕方ないか。セイランさんもついてきて」
「は、はい!わかりました」
ルーヘンは、マルティル辺境伯を背負って宰相アントンを探しに行くのであった。
「あの~君、宰相様がどこにいるか知らないかい?」
王城内を歩いていると、文官らしき人物がいたので尋ねるルーヘン。
「宰相様でしたら、執務室に居られるはずです。緊急を要するのでしたらご案内致します」
第三騎士団の格好をして、胸には団長である証をつけているのを見て、そう答える文官であった。
「ありがとう。悪いけど頼むよ。すぐに知らせないといけない重要な情報があるんだ」
「わかりました。こちらです」
文官に案内されて、アントンの執務室に向かうルーヘン達。
トントントン
文官が執務室をノックする。
「ただいまよろしいでしょうか?緊急を要するとのことで、第三騎士団団長様をお連れ致しました」
「入りなさい」
アントンの許可が下りたので、文官はドアを開ける。そして、ルーヘンとセイランは部屋へと入るのだった。
「ルーヘンどうしたのですか...って背負っているのは、マルティル辺境伯ですか?」
マルティル辺境伯を見るやいなや驚きの声を上げるアントン。
「今すぐ、マルティル辺境伯の治療をお願い致します。それも丁重に頼みます。理由は今からお話することに関わっていますので」
それを聞いたアントンは、文官に連れてきたことの礼を言い、マルティル辺境伯の治療が出来る場所と人員を確保するように命令するのだった。
ルーヘンは、屋敷の玄関を飛び出して帝国兵士の前に姿を見せる。
「敵だ。殺せぇぇぇ!」
何故かわからないが、帝国兵士の格好をしているにも関わらず、敵認定されたのだ。指揮官らしき人物の合図で一斉に帝国兵士は、剣を抜いて襲いかかってくる。
「チッ!なんでわかったんだよ。飛翔斬撃」
襲いかかってきた兵士数十人をあっという間に倒すルーヘン。しかし、まだまだぞろぞろと帝国軍はいっぱいいるのだ。
「面倒くさいよ。竜の嵐」
直線上に螺旋状の渦を描き飛んでいく竜の嵐。数百いた敵が一瞬にして消え去るのだった。
「くっクソ~お前達、相手は一人だぞ!何をしている!ハァハァハァ」
「しかし、これでは近付けません。無理です」
「この役立たず共がぁぁぁ!俺が行く」
指揮官らしき人物と部下が言い合いをして、我慢の限界にきた指揮官は、自らルーヘンに襲いかかるのだ。
「え?」
ルーヘンは、スッと相手の攻撃を難なく躱して、指揮官の首を刎ねたのだ。指揮官は、一瞬のことで、「え?」と疑問の声を出して倒れるのであった。
「弱すぎだよ...ねぇ~君たちまだやるかい?やるなら相手するけど」
ルーヘンが、そう言うと帝国兵士達は一斉に武器を捨てて逃げていくのだった。
「本当にデストロイ頼りの国なんだね。二人共、もう出てきて大丈夫だよ。早くヘリオス達と合流しよう」
「はい!マルティル辺境伯様には、ポーションを飲ませたのですが、すぐに気を失ってしまいました」
マルティル辺境伯の様子を確認すると、先程とは違い、顔色はよくなっていた。心労と栄養失調により気を失ったのだろうと考えるルーヘン。
「これなら問題はなさそうだね。よし、帰るよ。我が家に」
ルーヘンは、そう言って辺境伯領の門を出て、騎士団の鎧を身に纏い、馬に乗って来た道を帰るのだった。
◆
「団長、お帰りなさい。うまくいったようですね」
ヘリオスが、ルーヘンの帰還を待っていたようで、馬を下りるとすぐに駆け寄ってきたのだ。
「うまくいったけど、大変な事実まで知ってしまったよ。すぐに、陛下に伝えないといけないね。セイランさんは、いるかい?」
「はい!もうすぐ移送の準備が整いますので、転移してもらう予定です」
「そうか...先に俺とマルティル辺境伯様を転移で連れて行くよう手配してくれないか?あと...」
ルーヘンは、残党狩りをするようにヘリオスに命令を下したのと、辺境伯領の人々を安心させる為に、すぐに王国の兵を向かわせるように言うのだった。
「了解しました」
そして、卒なく指示を出すヘリオスは、すぐに準備を完了させる。それを見ていたルーヘンは、俺が団長ではなくヘリオスが団長をすべきではないかと思うのであった。
「あの?ヘリオス副団長から指示を受けて参りました」
そんなことを考えているとセイランがやってきたのだ。
「悪いけど、俺とマルティル辺境伯様を、すぐに王城に送ってくれないかい?」
「わかりました。では、私に近寄って下さい」
言われた通り近寄ると一瞬にして景色が変わり、王城に着くのであった。
「う~ん?みんな忙しそうだね。仕方ないか。セイランさんもついてきて」
「は、はい!わかりました」
ルーヘンは、マルティル辺境伯を背負って宰相アントンを探しに行くのであった。
「あの~君、宰相様がどこにいるか知らないかい?」
王城内を歩いていると、文官らしき人物がいたので尋ねるルーヘン。
「宰相様でしたら、執務室に居られるはずです。緊急を要するのでしたらご案内致します」
第三騎士団の格好をして、胸には団長である証をつけているのを見て、そう答える文官であった。
「ありがとう。悪いけど頼むよ。すぐに知らせないといけない重要な情報があるんだ」
「わかりました。こちらです」
文官に案内されて、アントンの執務室に向かうルーヘン達。
トントントン
文官が執務室をノックする。
「ただいまよろしいでしょうか?緊急を要するとのことで、第三騎士団団長様をお連れ致しました」
「入りなさい」
アントンの許可が下りたので、文官はドアを開ける。そして、ルーヘンとセイランは部屋へと入るのだった。
「ルーヘンどうしたのですか...って背負っているのは、マルティル辺境伯ですか?」
マルティル辺境伯を見るやいなや驚きの声を上げるアントン。
「今すぐ、マルティル辺境伯の治療をお願い致します。それも丁重に頼みます。理由は今からお話することに関わっていますので」
それを聞いたアントンは、文官に連れてきたことの礼を言い、マルティル辺境伯の治療が出来る場所と人員を確保するように命令するのだった。
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