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第6章 帝国の侵略

第275話 ルーヘン隊長と部下がマルティル辺境伯の行方を探す!

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アレクとノックスとパスクは、1ヶ月間レベル10になるという副作用を抱えて生活を送らなければならない。
ノックスは、マクガリアスやオレールなどと大和ノ国で買ってきた酒を思う存分飲む生活をしていた。
パスクは、アレクを支えていける家臣になる為に、宰相のアントンやセバスや文官の人達から色々学んでいるようである。
アレクは、ヘルミーナとマンテ爺とデートをしたり、復学する為に遅れている勉強を執事のファビロから学んだりしていたのだ。





アレク達の様子を語る前に、辺境伯領がどうなっていたのか話そうと思う。

「ヘリオス、じきにセイランとジキタリス殿がくるはずだからあとは任せたよ」

ルーヘンは、ある程度戦後処理を終わらせるとヘリオスに対して指揮を交代するように伝える。

「今から二人連れて辺境伯領を見に行ってくるからさ」

「わかりました。くれぐれも無茶はしないで下さいね」

「わかっているさ。残党も残ってはいないだろうし、危ないと判断したらすぐ帰ってくるよ」

そう言って、近くにいた騎士団2名を連れて辺境伯領まで馬を走らせるのだった。

「隊長、これから帝国との本格的な戦争が始まるのですかね?」

騎士団の一人が、馬を走らせている最中に、並走しながら話しかけてくる。

「どうだろう?俺の予想だと案外すんなり終わると思うよ。アレクくん達がデストロイを倒してくれたからね」

この時は、まだルーヘンが皇帝を捕まえに行く任務を与えられるとは、露知らず悠長なことを口にするのだった。

「それならいいのですが...極力戦争などしたくありませんからね...平和を願うばかりです」

「全くだね。その為にも、まずは辺境伯領の人々を安心させなきゃだよ」

「はい!」

ルーヘン達は、更にスピードを上げて辺境伯領に向かうのだった。





あれから馬を走らせて辺境伯領に着くと、帝国軍の見張りが3人門に立っていた。

ルーヘンと部下達は、即座に馬を走らせて仲間を呼ばれる前に剣で帝国軍兵士の首を刎ねるのだった。

「中にもまだいると思われますが、正面から行きますか?それともどこか抜け穴を探しますか?」

部下の一人が、ルーヘンに尋ねてくるのだった。

「これに着替えて馬と荷物を森に隠す。俺が、騒ぎを起こしているから...」

ルーヘンは部下二人に命令出して、一人辺境伯領の外壁を伝って離れた場所に行く。部下二人はその間に、先程斬り伏せた帝国軍の鎧に見を包むのだった。

「よし!派手にいこうかな。飛翔斬撃」

剣を振るうと衝撃波のような物が剣から出てきて外壁に直撃する。外壁は見事に破壊されて、中では騒ぎが起こる。ルーヘンは、即座にその場を離れて門に向かうのだった。

「よくやったね。さぁ、中に入ろう」

ルーヘンが、騒ぎを起こしている間に、門が開いて出てきた帝国軍数名を倒した部下達。騒ぎを起こした方に敵が集まっている間に、門から堂々と入っていく三人であった。

「思っていたよりすんなり入れましたね」

「攻撃を受ける予想を立てていなかったんだね。まぁ、君たち二人が優秀なのもあるけどね」

残された帝国軍の気が抜けていたことと、騎士団の部下二人があっさり敵を倒したことを褒めるルーヘンであった。それを聞いた部下二人は嬉しそうな顔をする。

「それよりも、領民は生きているみたいでよかったよ。早く領主邸へ向かおう」

領民達は、家に隠れているのか?家に閉じ込められているのか?窓から外の様子をチラチラ伺う仕草を見せている。それを見たルーヘンは、領民が生きていることがわかり、安心するのだった。
それから、ルーヘン達は走って領主邸へ向かう。

「警備は手薄のようですね。すぐに侵入しますか?」

領主邸には、警備らしい兵士は一人もいない。ここまで侵入される予想を立てていなかったのだろう。

「そうだね。早くマルティル辺境伯と家族を見つけて脱出しよう」

「はい」

そう言うと辺りを警戒しながら、鍵の開いていた正面入口から侵入するルーヘン達。

「誰もいませんね。手分けして探しますか?」

「手分けして探している間に、帝国軍が来ても困るから地下牢を探そう。生きているなら幽閉されている可能性が高いしね」

「わかりました。ですが、地下牢を簡単に見つけるのは...」

地下牢は、秘密にされていることがほとんどで場所はわからないようになっている。そんな簡単に見つかるだろうかと思う部下達であった。

「暗部の知り合いからこれを借りてきたからすぐ見つかるよ」

ルーヘンが出してきたのは、先が尖った三角形の金属が付いているネックレスだった。

「なんですか?それは?」

「ん?空間がある場所を示してくれる魔道具らしいよ」

そう言ってルーヘンは、ネックレスを垂らしながら歩き回る。なかなか反応しないネックレスに壊れているんじゃないのかと思っていると、ある部屋の前でネックレスが赤く光出したのだ。

「この中に地下牢に繫がる隠し通路があるみたいだね。行こうか」

ルーヘン達は、マルティル辺境伯がいるであろう地下牢に向かうのであった。
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