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第6章 帝国の侵略

第265話 デストロイ異常さとオレール手も足も出ない!

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オレールが、大魔法を放った瞬間、辺境伯領では大騒ぎになっていた。

「なんだこれは?」

王国へ進軍する会議が行われていた建物が急に揺れだして指揮官らしき人物が騒ぎ出す。

「わかりません!こんな揺れは初めてです」

それから暫くして、ガタガタガタと揺れていた揺れは、次第にゆっくりと収まるのであった。

「ザレド伯爵様、ご報告がございます。森の奥で魔法による大爆発が起きた模様です」

揺れが収まると、会議部屋に駆け込んできた兵士が報告しにやってくる。

「なにぃぃぃ!どういうことだ!」

「申し訳ございませんが、それ以外まだ何もわかっておりません」

「今すぐに兵一個小隊を引き連れて様子を見てこい!」

一個小隊とは30名程の人数である。

「はい!畏まりました!今すぐ行って参ります」

そう言って慌てて会議部屋から出ていくのであった。





その頃、オレールは大ピンチを迎えていた。

「おいおい!これからって時に、もうおしまいか?」

オレールは、息を切らせて限界を迎えているのだ。

「なんだ?話すこともできないのか...つまらん。ならもう死ね」

そう言うと、デストロイは走り出して、動けないオレールにハルバートで斬りかかろうとするのだった。

魔盾シールド×50」

最後の魔力を振り絞って50枚の魔盾シールドを出す。

「またこれか!つまらん」

デストロイは、普通の人間なら弾かれる強度の魔盾シールドなど、ものともせずにタックルだけでぶち破って行くのだ。そして、50枚目をぶち破ってハルバートを振り上げる。

超爆スピリームエクスプロード...」

オレールが、そう叫ぶと二人のいる間で大爆発が起きる。その勢いでオレールは吹き飛び、後方にあった木に叩きつけられる。

「グハァッ」

オレールの服はボロボロになりあちこち火傷を負って木を背にして地面に座り込み虚ろな目で大爆発が起きた場所を注視するのであった。まだ爆発の影響で煙と砂埃で視界は悪く見えない。しかし、デストロイの笑い声が聞こえてきたのだ。

「ブッハハハ、まだこんな隠し玉があったのか!とことん楽しませてくれるやつだな」

「傷一つ...負わないのですか...もう体が動きませんね...ハハハ」

オレールは、デストロイとの距離があったので、アレク特製ポーションを飲もうとするが手が動かない。

「ん?本当に終わったようだな。楽しませてくれた礼に一撃で殺してやる。せめてもの慈悲だ」

今回は、走ることなくゆっくりと近付いてやってくるデストロイ。それから、目の前にやってきてハルバートを振り上げる。

「ノックス...すまない...」

オレールは、最後の言葉を言い残す。そして、振り上げられたハルバートがオレール目掛けて振り下ろされるのだった。

「今回は、楽しめたな。王国にこんなやつがいたとはな」

デストロイは、楽しませてくれたオレールに敬意を払ったのか?おもむろに自分の着ていた上着をオレールにかけて無惨な姿を見せないようにするのであった。

「デ、デストロイ将軍!全員敬礼」

一個小隊できた兵士達がデストロイとわかると、すぐに馬を降りて敬礼するのだった。

「お前ら、何をしに来た?」

「魔法による大爆発が見受けられたもので調査に参った次第であります」

兵士の一人が緊張した面持ちで答える。

「もう終わった。今の俺は気分がいい。酒を奢ってやるから帰るぞ」

「は、はい!聞いたな!全員帰投だ」

そう言って兵士は全員馬に乗って辺境伯領に戻るのだった。デストロイはというと、オレールの馬がいるところまで走り、戦利品として馬をもらうのであった。





パリン...残されたオレールの遺体から何か割れる音が聞こえる。

「ぐはぁ...はぁはぁはぁはぁ...どうやらこれのお陰で助かったようですね」

地面には、割れた腕輪が落ちていたのだ。

「とりあえず服を着てから王城へ知らせに行かないといけませんね。それにしても、あんな化け物がいるとは...」

ハルバートで真っ二つに切られた所為で、素っ裸なのである。しかし、何故生きていたかというと、魔ノ国で親善試合をした時につけていた身代わりの腕輪を密かに持ち帰って身に付けていたのだ。

「はぁ~アレクくんには、申し訳ないですが、更に強力なポーションを頼まないといけませんね」

そう呟きながら、着替え終わったオレールは、飛行フライで空を飛び王城へと報告をしにいくのであった。
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