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第2章 魔ノ国の調査隊

第220話 アレクの大ファン現る!初めてのファンサ!

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アレクは、先に王城へ行き親書を預かってきた。そして、ジャンティリ一家を迎えに屋敷に戻るのであった。

「皆さん、お待たせ致しました。では魔ノ国に行きましょう。まずは、王城に行きますよ」

そしてジャンティリ一家は、アレクの下に近寄る。

「じゃあ、行きます。転移」

アレクは、ジャンティリ一家を連れて魔王城まで転移するのだった。

「え?アレク様、もう着いたのですか?」

転移を初めて経験したアギケが驚いた表情をする。マスカレードとエメラルダは、転移の魔道具を経験したことがあるようで驚いた表情は見せない。

「転移便利でしょ?一瞬で着いちゃうし。もし努力する気があるなら転移教えようか?」

「え?いいのですか?でも僕に出来るかな?」

転移使う自分を妄想するアギケだったが、才能のない自分に出来るか不安になる。

「努力とやる気次第でどうにでもなるから大丈夫だよ。難しいけど頑張って習得しよ」

「はい!よろしくお願いします」

「アギケ、よかったな。アレク様に任せておけば大丈夫だ」

パスクが、アギケの頭を撫でながら話すのだった。

「そろそろ中に入りましょう」

そう言ってアレクは、王城の入口に向かって歩き出すのだった。





「王城にどのようなご用件でしょ...ってタカハシ伯爵様ですか?」

城門前にいた門番は、どうやらアレクのことを知っていたようだ。

「はい!これが魔王様から頂いた通行証になります」

ラヴァーナと別れる際に、すんなり城に入れるように通行証を貰っていたのだ。

「一応本物か確認させて頂きます」

そう言うと、門番はペンライトのような物を取り出して通行証にかざす。すると、通行証の表側に赤い文字が浮かび上がる。

「ご協力ありがとうございます。本物と確認致しました。それはそれとして、もしよろしければタカハシ伯爵様のサインを頂けないでしょうか?大ファンなんです」

まさか、サインやらファンという言葉が出てきて驚くアレク。しかしすぐに、初代魔王のアイドルが関係しているなと察するのだった。

「サインですか?私のなんかでいいのですか?」

「あの試合を見てからタカハシ伯爵様の大ファンになったのです。ですから、サインをお願いします」

大柄な門番は、見た目とは裏腹にキラキラした瞳でアレクを見るのであった。

「わかりました。どこにサインをしたらいいですか?でも初めてなので期待しないで下さいね」

「初めて...私が初めてを頂けるのですね。感激で涙が止まりません」

門番は、「うぉ~」と言いながら男泣きを見せる。あまりのことにアレクもジャンティリ一家も引いてしまうのだった。

「えっと...サインはどこに...」

この場を早く立ち去りたいアレクは、さっさとサインをしてしまおうと思うのだった。

「あぁぁぁ、申し訳ございません。あまりの感動に我を失っておりました。ここにサインをお願いします」

アレクは、サインする場所にえっ?と思うのだ。

「え?サインするのはいいのですが、大事な鎧でしょうし、すり減って消えちゃいますよ」

鎧の胸部分にデカデカと書いてほしいと要求してきたのだ。アレクは、そんなところに書いて恥ずかしくないのだろうかと思うのであった。

「消えてしまうのは悲しいですが、私も強くなった気がするのと、タカハシ伯爵様に守って頂いてるような気になりますので、よろしくお願いします」

「あ、はい...わかりました」

アレクは、本人が納得しているなら、もうどうでもいいかと思うようになるのだった。そして、デカデカとアレク・フォン・タカハシとサインをする。
芸能人みたいなカッコイイサインを求めるなよと密かに心の中で思うアレクであった。

「あ、ありがとうございます!感激でまた涙が...」

どうやら普通に名前を書くだけでよかったようだ。しかも、また感動で涙を大量に流している門番の魔族。

「じゃあ、私達は急いでいますので通りますね」

アレクは、早く立ち去りたいと思い泣いている門番の横を素通りするのであった。

「アレク様、凄い方でしたね...」

パスクが引き攣った顔をして言う。

「悪い人ではなさそうだけど、あれはちょっと怖いね」

「昔、一度だけ見に行ったにいた人達をを思い出しましたよ」

アレクは、やっぱりライブ会場もあるんだと思うのだった。

「まぁ、ファンと言ってくれて悪い気はしないし、嬉しいことだよ。でも、門番が親善試合を見てる間、城門の警備はどうしたんだろうと思ったけどね」

警備が誰もいない王城とか入り放題で大丈夫なのかと思うアレクであった。

「確かに...まぁ、その辺りは考えないようにしましょう。それよりも、王国と魔ノ国の繋がりを強める方が大事です」

「確かに、そうだね」

二人は、考えても仕方ないことより目先の重要案件を考えるように頭を切り替えるのであった。
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