チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第2章 魔ノ国の調査隊

第196話 マンテ爺最強からの講師になる!?

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キョエーキョエーキョエー

「ん?朝?変な鳴き声だな...」

アレクは起き上がり、声のする窓を見やると外の木に10羽くらい汚らしい顔と頭が禿げた鳥らしきものが止まって声を上げていた。

「あれは、ハゲ泣き鳥じゃな。こいつらを見たら頭を隠せと言い伝えがあるぞい。隠しとらんと次の日に禿げとるらしいわい。まぁ、迷信じゃがな」

キョエーキョエーキョエーアシタニハハゲルーキョエーキョエー

「ねぇ~今話してなかった?」

アレクは、思わずその鳥を二度見する。

「喋っておったのぅ。だから迷信が拡がったんじゃよ。魔物の中にも禿げを気にする者はおるからのぅ。ハゲ泣き様と敬うやつもおるわい」

見た目を気にする魔物なんて見たくないなと思うアレク。それにしても、キョエーキョエーとうるさ過ぎて完全に目が覚めてしまったので、マンテ爺を連れてマンティコアのいる場所に行こうかなと思うのだった。

「着替えたらマンティコアを見に行こう。マンテ爺以外のマンティコアを見たことがないないからさ」

「わかったわい。ワシも、同族に会うことは滅多にないからのぅ」

それから、アレクは着替えマンテ爺を抱っこしてから部屋を出る。廊下にいるメイドとすれ違うと全員が綺麗なお辞儀と挨拶をしてくれる。そして、玄関近くにたまたま会場まで案内してくれた執事がいたのでマンティコアに会いに行くと告げると、案内致しますと言ってくれた。勝手なことを起こされない為の監視の一環も兼ねているのだろう。

「綺麗なお庭ですね。それに広くて、もし一緒に来てもらわなかったら道に迷ってましたよ」

今アレクは、人族の屋敷の庭の数倍はあるであろう場所を歩いている。来るときは、空からだったので改めて歩いてみると広大過ぎたのだ。

「そう言って頂けると、庭師もここで働く者達も嬉しく思います。それと、一部立ち入り禁止区域がありますので、お一人で行かれなくて正解でした」

立ち入り禁止区域がどんな場所か気になりはしたが、突っ込んで聞く内容ではないので聞くのは止めておこうと思うアレク。

「それは、勝手に行かなくてよかったですよ。もし間違えて入ってしまい、牢獄なんて嫌ですから」

「牢獄に入ることはありませんが、生きて帰ってこられない可能性があります。なので、十分お気を付け下さい。それとタカハシ伯爵様、転移ポータルに付きましたので、その輪の中に入って下さい」

執事が言う場所を見ると、丸い円形の輪の様なものがある。言われた通り、執事と一緒に円の中に入る。すると、ブワッと青く光る。そして、目を開けると景色が変わっていたのだ。

「タカハシ伯爵様、マンティコアの住む場所に着きました。早速、中に入りましょう」

「あ、はい!」

一瞬にして着いたことに驚くより、転移の魔道具が当たり前のように設置されていることに驚いたアレクであったが、執事はお構いなしにマンティコアのいる場所に入っていくので慌てて着いて行くのであった。

「タカハシ伯爵様、こちらから何かしない限りは襲いかかってくることはございませんので安心して下さい」

「あの~でも凄い勢いでこっちに来てませんか?」

地鳴りが聞こえるのではないかという勢いで、向こうからマンティコア5体が走って来るのだ。

「ど、どういうことでしょうか?タカハシ伯爵様、お逃げ下さい。私が食い止めます」

「大丈夫じゃ。敵意はなさそうじゃ。ワシの気配を感じて来たんじゃろう」

「そうなの?じゃあ、このまま来るのを待っておこうか。どうやらマンテ爺いわく大丈夫だそうです」

慌てる執事とは違い、アレクとマンテ爺は落ち着いて待っているのだ。すると、目の前に5体のマンティコアが現れる。

「なんじゃ。ちびっこいのぅ。てっきり新しい仲間が現れたと思って来てみれば、矮小な人間に抱えられたマンティコアとはのぅ。情けないわい」

5体のうち1番大きいマンティコアが、顔をグイっと近付けていきなりそんなことを口にしてきたのだ。

「アレク、ワシを戻すんじゃ。ちょいと遊んでやるわい」

アレクも、このマンティコアの物言いには思うところがあったので、マンテ爺に薬を飲ませて大きくする。

急に大きくなったことに、5体のマンティコアと執事は、驚いて目を丸くさせる。しかも、マンテ爺が一番大きいのだ。

「何を驚いておる。これがワシの本当の姿じゃ。さっきは、人間いやアレクを馬鹿にする発言をしたのぅ。これは、その分じゃわい」

一瞬にして、風魔法で風の塊を作って相手にぶつけるマンテ爺。威力が強かったのか、マンティコアは、かなり吹き飛ばされるのであった。

「なんじゃ、弱いのぅ。もう立ち上がれんのか?温々と魔王様に守ってもらって温室で育っておるから弱くなるんじゃ。情けないわい」

「「「「すいませんでしたぁぁぁぁ」」」」

他の4体は、リーダー各のマンティコアが一発でやられたのを見てみて平伏するのであった。

「マンテ爺、あれにポーション与えてくるよ」

「す、すまんのぅ」

こんな状況になるとは思っていなかったマンテ爺は、少したじろぐのだった。

「マンティコア、この薬を飲んで」

そう言うと、かろうじて口を開けて飲み始めるのであった。

そしてゆっくりと立ち上がり、平伏する仲間の下に行き、リーダー各のマンティコアも同じように平伏するのであった。

「申し訳ございませんでした。ワシに...私めに、その強さの秘訣をお教え下さい」

「マンテ爺、これどうするの?なんか面倒なことになりそうだよ」

「ワシの所為じゃのぅ...このままと言うわけにはいかんかのぅ」

マンテ爺は、逃げたくて仕方ない顔をするが、5体のマンティコアは平伏しながらも顔を上げてキラキラした瞳でマンテ爺を見ているのだ。

「マンテ爺、これは仕方ないよ。付き合ってあげないと」

「うぅ...わ、わかったわい。ワシがやればええんじゃろう」

そう言って吹っ切れたマンテ爺は、講習会を始めるのであった。
マンティコアの先生とマンティコアの生徒という凄い構図に、アレクは思わず笑ってしまうのであった。
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