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第2章 魔ノ国の調査隊
第183話 魔ノ国へいざ参る!ノックスの説教!
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あっという間に、魔ノ国へ向かう日となった。この2日間は、スペイビズをストレン領へ迎えに行ったり、ヘルミーナに事情を話したりなど身内に出張の件を話すだけで時間が過ぎて行った。
「長くて2ヶ月程、屋敷を空けることになるけど留守の間頼んだよ」
「任せて下さい。仕事をたんまりと溜めてお帰りをお待ちしております」
言葉とは裏腹に、笑顔で見送ってくるファビロに、帰ったらどれだけの仕事が溜まっているのだろうと恐怖を覚えるのであった。
「なるべく仕事は、減らしてくれるとありがたいな~ファビロの裁量でやっていてくれても構わないよ」
「私は、ただの執事ですよ。何を言っているのですか。・・・・・もう仕方ありませんね。仕分けるだけはやっておきます」
領地を持つことになったら、ファビロを文官として雇おうと思うアレクであった。
「流石、ファビロ。ありがとう。ちゃんと特別手当を出すから期待しといて」
「では、特別手当をしっかり受け取りたいですので、必ず生きて帰って来てください。何かあれば、すぐ転移で逃げて下さいね」
「アハハハ、わかったよ。必ず帰ってくるから、そろそろ行ってくる」
「いってらっしゃいませ。アレク様」
ファビロは、笑顔で頭を下げて見送ってくれた。少ないながらも働いてくれているメイド達も頭を下げて見送ってくれたのであった。
「皆さん、お待たせ致しました。行きましょう」
「よし!行くとするか」
ノックスが、先導して前を行く。事前の話し合いで、行軍になれたノックスに任せて魔ノ国まで行くことになったのだ。
「それにしても、少ないですな。普通3人も貴族が使者として行く場合、護衛が何十人も付くはずなのですが...」
スペイビズが、普通ではないと呟く。ちなみに、スペイビズも家族も奴隷から解放している。
「俺達は、少数の方が動きやすいからな。無駄にぞろぞろついて来られても困る。それよりも、スペイビズやパスクを無理矢理連れて行ったって難癖を付けられたらどうするつもりなんだ?」
確かに、ごもっともな意見ではあるのだが、正直アレクは行き当たりばったりで何も考えていないのである。
「なるようになるかなって...正直何も考えていませんでした」
「あぁ~...この馬鹿が!陛下も甘いな。もしかすると、戦争になりかねない事だぞ。アレク坊、姿を変えるか、姿を消す薬はないのか?以前パスクに密偵させたって話をしていただろ」
ノックスは、頭をガシガシと掻き、仕方ないなと思いながら提案をする。
「ありますけど、姿を消すのは時間制限...ちょっと待って下さい。全知全能薬学」
全知全能薬学で、姿を変える薬を探していたら、変身薬というのを発見する。副作用として、変身が解けたあと足の裏が痒くなるらしいが、3日間は変身し続けられるという。しかも、変身解除薬もあり、いつでも元に戻れるのだ。
「変身薬というのがありました。人族に変身できるらしいのですが、変身が解けたあとに足の裏が痒くなるらしいです」
「ブッハハハハ、なんだ?その薬は!足裏が痒くなる...見てみたいな。スペイビズとパスク、人族に変身してくれるか?護衛でも魔ノ国の研究者でも魔道具研究者でもなんでもいいからよ」
足の裏が、痒くなる現象を想像しながら大笑いするノックス。
「では、私が魔ノ国の研究者で、パスクが魔道具研究者としていきましょうかね。私は魔ノ国に詳しく、パスクは学院で魔道具の基礎知識については習っておりますから。あの...アレク伯爵、申し訳ないのですが、足裏の痒みをどうにかする薬も調べておいてはもらえませんか?」
スペイビズは、足の裏の痒みがどうしても気になるようで、心の底から調べてくれないかというような顔をする。
「わかりました。道中まだまだありますから、調べておきます。それで、師匠どういう流れでパスク達の復讐を果たすのですか?」
「ん?知らん。とりあえず潜入できるかが大事だろ?後はなるようになれだ。まぁ、1番理想は、魔王に理性があって魔王と話せる場を作ることが出来れば可能性はあるんじゃないか。だが、アレク坊もスペイビズもパスクも、第一目標は魔ノ国の現状把握と戦争を仕掛ける意思があるかだ。復讐は、二の次なのを忘れるなよ。先走って王国に戦争なんかって流れになったら、アレク坊であろうと切るからな。陛下も、信頼して許してくれたことだろう?期待を裏切るような真似はするな。わかったな?・・・・って柄にもねぇことを言っちまったな。おい!そろそろ、馬を休憩させるぞ」
ノックスは、複雑な顔をしながら、話を逸らすように馬を止めて休憩するように言う。
「ごめんなさい。そうでしたね。使者として行くわけですからね。反省します」
「私も、目先のことばかりになっていましたな。ノックス子爵の言う通りです」
「ノックスさん、すいません。反省します」
3人とも、肩を落として反省をする。多分このまま行けば、本当に戦争になっていただろうなと思ったからだ。
「反省してるならいい!お前達も休め!先はまだまだ長いからな」
ノックスは、切り替えが出来るように、引きずるようなことを言わないのであった。
「長くて2ヶ月程、屋敷を空けることになるけど留守の間頼んだよ」
「任せて下さい。仕事をたんまりと溜めてお帰りをお待ちしております」
言葉とは裏腹に、笑顔で見送ってくるファビロに、帰ったらどれだけの仕事が溜まっているのだろうと恐怖を覚えるのであった。
「なるべく仕事は、減らしてくれるとありがたいな~ファビロの裁量でやっていてくれても構わないよ」
「私は、ただの執事ですよ。何を言っているのですか。・・・・・もう仕方ありませんね。仕分けるだけはやっておきます」
領地を持つことになったら、ファビロを文官として雇おうと思うアレクであった。
「流石、ファビロ。ありがとう。ちゃんと特別手当を出すから期待しといて」
「では、特別手当をしっかり受け取りたいですので、必ず生きて帰って来てください。何かあれば、すぐ転移で逃げて下さいね」
「アハハハ、わかったよ。必ず帰ってくるから、そろそろ行ってくる」
「いってらっしゃいませ。アレク様」
ファビロは、笑顔で頭を下げて見送ってくれた。少ないながらも働いてくれているメイド達も頭を下げて見送ってくれたのであった。
「皆さん、お待たせ致しました。行きましょう」
「よし!行くとするか」
ノックスが、先導して前を行く。事前の話し合いで、行軍になれたノックスに任せて魔ノ国まで行くことになったのだ。
「それにしても、少ないですな。普通3人も貴族が使者として行く場合、護衛が何十人も付くはずなのですが...」
スペイビズが、普通ではないと呟く。ちなみに、スペイビズも家族も奴隷から解放している。
「俺達は、少数の方が動きやすいからな。無駄にぞろぞろついて来られても困る。それよりも、スペイビズやパスクを無理矢理連れて行ったって難癖を付けられたらどうするつもりなんだ?」
確かに、ごもっともな意見ではあるのだが、正直アレクは行き当たりばったりで何も考えていないのである。
「なるようになるかなって...正直何も考えていませんでした」
「あぁ~...この馬鹿が!陛下も甘いな。もしかすると、戦争になりかねない事だぞ。アレク坊、姿を変えるか、姿を消す薬はないのか?以前パスクに密偵させたって話をしていただろ」
ノックスは、頭をガシガシと掻き、仕方ないなと思いながら提案をする。
「ありますけど、姿を消すのは時間制限...ちょっと待って下さい。全知全能薬学」
全知全能薬学で、姿を変える薬を探していたら、変身薬というのを発見する。副作用として、変身が解けたあと足の裏が痒くなるらしいが、3日間は変身し続けられるという。しかも、変身解除薬もあり、いつでも元に戻れるのだ。
「変身薬というのがありました。人族に変身できるらしいのですが、変身が解けたあとに足の裏が痒くなるらしいです」
「ブッハハハハ、なんだ?その薬は!足裏が痒くなる...見てみたいな。スペイビズとパスク、人族に変身してくれるか?護衛でも魔ノ国の研究者でも魔道具研究者でもなんでもいいからよ」
足の裏が、痒くなる現象を想像しながら大笑いするノックス。
「では、私が魔ノ国の研究者で、パスクが魔道具研究者としていきましょうかね。私は魔ノ国に詳しく、パスクは学院で魔道具の基礎知識については習っておりますから。あの...アレク伯爵、申し訳ないのですが、足裏の痒みをどうにかする薬も調べておいてはもらえませんか?」
スペイビズは、足の裏の痒みがどうしても気になるようで、心の底から調べてくれないかというような顔をする。
「わかりました。道中まだまだありますから、調べておきます。それで、師匠どういう流れでパスク達の復讐を果たすのですか?」
「ん?知らん。とりあえず潜入できるかが大事だろ?後はなるようになれだ。まぁ、1番理想は、魔王に理性があって魔王と話せる場を作ることが出来れば可能性はあるんじゃないか。だが、アレク坊もスペイビズもパスクも、第一目標は魔ノ国の現状把握と戦争を仕掛ける意思があるかだ。復讐は、二の次なのを忘れるなよ。先走って王国に戦争なんかって流れになったら、アレク坊であろうと切るからな。陛下も、信頼して許してくれたことだろう?期待を裏切るような真似はするな。わかったな?・・・・って柄にもねぇことを言っちまったな。おい!そろそろ、馬を休憩させるぞ」
ノックスは、複雑な顔をしながら、話を逸らすように馬を止めて休憩するように言う。
「ごめんなさい。そうでしたね。使者として行くわけですからね。反省します」
「私も、目先のことばかりになっていましたな。ノックス子爵の言う通りです」
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3人とも、肩を落として反省をする。多分このまま行けば、本当に戦争になっていただろうなと思ったからだ。
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