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第1章 伯爵になったアレク
第180話 叙任式は、色々大慌てである!
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叙任式が行われる知らせがきて、アレクの仲間以外は部屋を出ていく中、アレクは魔法鞄から器とポーション用の瓶を取り出す。
「全知全能薬学 」
ずらりと並ぶ閲覧一覧の中に、やたら目に付く文字がある。テンションアゲアゲチョベ...これ以上は、死語も含まれるし、悲しき学生時代の黒ギャルとの逸話を思い出すので見なかったことにしよう。
そんなことを考えながら、今回の目的でもあるリラクゼーション薬を探す。
「薬素材創造」
器にリラックベアのミルクとバニャニャの果実と火星産カカオの実を出す。
「調合」
全てを調合すると、なんとも言えない茶色の液体が出来たのだ。
汚いなとは思ったが、時間がないので、すぐにポーションの瓶に移す。ちなみに副作用はないようだ。
「アレク坊、先行ってるぞ」
「はい!セイランさんとスベアさんに飲ませたら、すぐ行きます」
ノックスとオレールは、先に控室を出て謁見の間まで向かった。
「セイランさんとスベアさん、呆けてないで早く飲んで下さい」
座ったままボケ~とする2人に、瓶を持たせて無理矢理口に突っ込む。
「「ん...ん...ゴクン」」
飲んだことを確認してアレクもリラクゼーション薬を飲むのであった。
「2人とも行きますよ!」
「あれ?私は何をしていたのでしょう?」
「ん?アレクくん、どうしたんの?」
2人は、完璧に平常心を取り戻したのだが、一切記憶がないようである。
「もう謁見が始まるから行きますよ」
「謁見?あ~そうでしたね」
「そうだったわ」
2人とも、リラックスしてなかなか動かないので、手を引っ張って2人を連れて行くのだった。
「すいません。お待たせしました」
「何をされていたのですか?もう始まりますよ。入場の準備をお願いします」
何故か、アレクだけが怒られるという腑に落ちない現象が起こる。しかし、リラクゼーション薬を飲んでいる所為か、一切苛立つこともないのだ。
「申し訳ございません。立ち眩みがしたもので、ご迷惑をお掛けしました」
「今は大丈夫でしょうか?」
「はい。緊張の所為だと思います。失礼致しました」
2人のことは一切言わないアレク。それに、2人もアレクに救われたことに気付いていない様子だ。
薬のお陰で、イライラもなく結果良ければ全て良しといった心境になっているのであった。
そんなことを思っていると、謁見の間の重たい扉が開く。ちなみに、アレクが1番最後に入場する。
「叙爵者入場!」
真ん中に敷かれた赤いカーペットの上を歩いて入場するのだが、その脇には先輩方である貴族達が大勢いた。値踏みをする者、笑顔の者、苦虫を噛み潰したような顔をする者など様々である。
そして、陛下の前へ行き、片膝をついて礼を取る。
「これより、叙任式を執り行います。名前が呼ばれた者は前へお進み下さい」
宰相アントンが、皆に聞こえるように話し出す。
「スベア、前へ」
スベアは、リラクゼーション薬のお陰で、一切緊張の色が見えない。
「スベア、面を上げい。此度の貴女の働き見事であった。貴女の働きにより、多数の騎士達が救われた。そして、ストレン領のスタンピードを良くぞ止めてくれた。この功績を称え男爵位を与えるものとする。領地や家名については、叙任式後とする。以上」
「拝命、しかと受け止めました。国の繁栄の為、努力して参ります」
そう言ってスベアは、元の位置に下がる。
「セイラン、前へ」
セイランも、リラクゼーション薬のお陰で、一切緊張の色が見えない。
「セイラン、面を上げい。此度の貴女の働き見事であった。貴女の働きにより、多数の国民が救われた。貴女の転移魔法がなければ、今頃王国は滅亡していただろう。この功績を称え男爵位を与えるものとする。領地や家名については、叙任式後とする。以上」
「拝命、しかと受け止めました。国の繁栄の為、努力して参ります」
リラクゼーション薬がなければ、2人とも今頃パニック状態だっただろう。
それから、面識のない人達が叙爵されていく。そして騎士団からは、ルーヘンとヘリオスが、今回の活躍で男爵位を与えられていた。その後、何名か終わったところで、やっとあの2人が呼ばれる。
「ノックス、前へ」
「ノックス、面を上げい。此度の貴殿の働き見事であった。王都に攻め入った数々の敵を殲滅し、多くの国民を救い、王国の滅亡をも阻止するという偉業を成し遂げた。この功績を称え子爵位を与えるものとする。領地や家名については、叙任式後とする。以上」
「拝命、しかと受け止めました。国を守る為、剣を振るい続けて参ります」
「オレール、前へ」
「オレール、面を上げい。此度の貴殿の働き見事であった。ストレン領のスタンピード阻止に加えて、王都に攻め入った数々の敵を殲滅し、多くの国民を救い、王国の滅亡をも阻止するという偉業を成し遂げた。この功績を称え子爵位を与えるものとする。領地や家名については、叙任式後とする。以上」
「拝命、しかと受け止めました。国を守る為、剣を振るい続けて参ります」
ノックスもオレールも、流石と言わざるを得ない程、見事な立ち振る舞いなのであった。
「アレク・フォン・ヴェルトロ、前へ」
とうとうアレクの順番が回ってくる。
リラクゼーション薬で緊張は一切していないが、前世から考えると、こんな場に自分がいること自体考えられなかったなと思うのだった。
「アレク・フォン・ヴェルトロ、面を上げい。此度の貴殿の働き見事であった。その若さで、各地のスタンピードを全て殲滅し、王都に攻め入った敵を数多く阻止した。そして、復興にも多大なる貢献をしてくれた。全てが、偉業と言う他ない。この功績を称え伯爵位を与えるものとする」
「拝命、しかと「陛下お待ち下さい。彼は、まだ13歳とお聞きしました。そのことで些か思うところがございます。」」
アレクはこの時、また物言いが入るのかよと思い、どれだけ目の敵にしたいんだと思うのだった。
「全知全能薬学 」
ずらりと並ぶ閲覧一覧の中に、やたら目に付く文字がある。テンションアゲアゲチョベ...これ以上は、死語も含まれるし、悲しき学生時代の黒ギャルとの逸話を思い出すので見なかったことにしよう。
そんなことを考えながら、今回の目的でもあるリラクゼーション薬を探す。
「薬素材創造」
器にリラックベアのミルクとバニャニャの果実と火星産カカオの実を出す。
「調合」
全てを調合すると、なんとも言えない茶色の液体が出来たのだ。
汚いなとは思ったが、時間がないので、すぐにポーションの瓶に移す。ちなみに副作用はないようだ。
「アレク坊、先行ってるぞ」
「はい!セイランさんとスベアさんに飲ませたら、すぐ行きます」
ノックスとオレールは、先に控室を出て謁見の間まで向かった。
「セイランさんとスベアさん、呆けてないで早く飲んで下さい」
座ったままボケ~とする2人に、瓶を持たせて無理矢理口に突っ込む。
「「ん...ん...ゴクン」」
飲んだことを確認してアレクもリラクゼーション薬を飲むのであった。
「2人とも行きますよ!」
「あれ?私は何をしていたのでしょう?」
「ん?アレクくん、どうしたんの?」
2人は、完璧に平常心を取り戻したのだが、一切記憶がないようである。
「もう謁見が始まるから行きますよ」
「謁見?あ~そうでしたね」
「そうだったわ」
2人とも、リラックスしてなかなか動かないので、手を引っ張って2人を連れて行くのだった。
「すいません。お待たせしました」
「何をされていたのですか?もう始まりますよ。入場の準備をお願いします」
何故か、アレクだけが怒られるという腑に落ちない現象が起こる。しかし、リラクゼーション薬を飲んでいる所為か、一切苛立つこともないのだ。
「申し訳ございません。立ち眩みがしたもので、ご迷惑をお掛けしました」
「今は大丈夫でしょうか?」
「はい。緊張の所為だと思います。失礼致しました」
2人のことは一切言わないアレク。それに、2人もアレクに救われたことに気付いていない様子だ。
薬のお陰で、イライラもなく結果良ければ全て良しといった心境になっているのであった。
そんなことを思っていると、謁見の間の重たい扉が開く。ちなみに、アレクが1番最後に入場する。
「叙爵者入場!」
真ん中に敷かれた赤いカーペットの上を歩いて入場するのだが、その脇には先輩方である貴族達が大勢いた。値踏みをする者、笑顔の者、苦虫を噛み潰したような顔をする者など様々である。
そして、陛下の前へ行き、片膝をついて礼を取る。
「これより、叙任式を執り行います。名前が呼ばれた者は前へお進み下さい」
宰相アントンが、皆に聞こえるように話し出す。
「スベア、前へ」
スベアは、リラクゼーション薬のお陰で、一切緊張の色が見えない。
「スベア、面を上げい。此度の貴女の働き見事であった。貴女の働きにより、多数の騎士達が救われた。そして、ストレン領のスタンピードを良くぞ止めてくれた。この功績を称え男爵位を与えるものとする。領地や家名については、叙任式後とする。以上」
「拝命、しかと受け止めました。国の繁栄の為、努力して参ります」
そう言ってスベアは、元の位置に下がる。
「セイラン、前へ」
セイランも、リラクゼーション薬のお陰で、一切緊張の色が見えない。
「セイラン、面を上げい。此度の貴女の働き見事であった。貴女の働きにより、多数の国民が救われた。貴女の転移魔法がなければ、今頃王国は滅亡していただろう。この功績を称え男爵位を与えるものとする。領地や家名については、叙任式後とする。以上」
「拝命、しかと受け止めました。国の繁栄の為、努力して参ります」
リラクゼーション薬がなければ、2人とも今頃パニック状態だっただろう。
それから、面識のない人達が叙爵されていく。そして騎士団からは、ルーヘンとヘリオスが、今回の活躍で男爵位を与えられていた。その後、何名か終わったところで、やっとあの2人が呼ばれる。
「ノックス、前へ」
「ノックス、面を上げい。此度の貴殿の働き見事であった。王都に攻め入った数々の敵を殲滅し、多くの国民を救い、王国の滅亡をも阻止するという偉業を成し遂げた。この功績を称え子爵位を与えるものとする。領地や家名については、叙任式後とする。以上」
「拝命、しかと受け止めました。国を守る為、剣を振るい続けて参ります」
「オレール、前へ」
「オレール、面を上げい。此度の貴殿の働き見事であった。ストレン領のスタンピード阻止に加えて、王都に攻め入った数々の敵を殲滅し、多くの国民を救い、王国の滅亡をも阻止するという偉業を成し遂げた。この功績を称え子爵位を与えるものとする。領地や家名については、叙任式後とする。以上」
「拝命、しかと受け止めました。国を守る為、剣を振るい続けて参ります」
ノックスもオレールも、流石と言わざるを得ない程、見事な立ち振る舞いなのであった。
「アレク・フォン・ヴェルトロ、前へ」
とうとうアレクの順番が回ってくる。
リラクゼーション薬で緊張は一切していないが、前世から考えると、こんな場に自分がいること自体考えられなかったなと思うのだった。
「アレク・フォン・ヴェルトロ、面を上げい。此度の貴殿の働き見事であった。その若さで、各地のスタンピードを全て殲滅し、王都に攻め入った敵を数多く阻止した。そして、復興にも多大なる貢献をしてくれた。全てが、偉業と言う他ない。この功績を称え伯爵位を与えるものとする」
「拝命、しかと「陛下お待ち下さい。彼は、まだ13歳とお聞きしました。そのことで些か思うところがございます。」」
アレクはこの時、また物言いが入るのかよと思い、どれだけ目の敵にしたいんだと思うのだった。
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