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第1章 伯爵になったアレク
第177話 積極的なシェリーに諦めるアレク!
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マンテ爺は、肉を食らい、アレクは優雅にコーヒーを飲んでいると、ミアさんと冒険者が現れた。
「お待たせ致しました。浄化が出来る冒険者を1名しか集めることができませんでした。申し訳ございません」
「え?もしかして、シェリーさん?」
「あの時のカワイイ坊やじゃないの。久しぶりね」
冒険者の試験の時に、お世話になったA級冒険者疾風迅雷の魔法使いシェリーだったのだ。
「面識があるお2人でよかったです。では、早速魔力溜まりの依頼をよろしくお願いします」
「じゃあ、転移するからマンテ爺とシェリーさん、俺に掴まって下さい」
そう言うとマンテ爺は、前足を肩に乗せる。シェリーは、なんと腕組みをしてきたのだ。
「シェリーさん...腕組みする必要性はありませんよ...」
「あら、そう?でも転移は、初めてだから。この方が安心だわ。駄目かしら?」
わざと上目遣いで見てくるシェリー。それに、いい香りもするし、柔らかい胸も見事に当たっているのだ。アレクは、煩悩よ去れ煩悩よ去れと、心の中で唱えるのであった。
「あら?もう着いたのね!転移って本当に便利ね」
「膨大な魔力量を使いますが、楽ですね。ってそろそろ、腕を離してくれませんか?」
「ん?私は、このままでもよかったのよ。それで魔力溜りは、この洞窟の中かしら?」
仕方ないわねという感じで、腕から離れるシェリー。アレクは、先が思いやられるなと思うのだった。
「はい!ここの1番奥です。風魔法で死骸の腐敗臭を外に逃しながら歩いて下さい。かなり酷いので」
そのまま進むと、鼻が一生使い物にならない程の悪臭なのである。
「わかったわ」
そして、3人で洞窟内に入る。意外に奥行きはないので、すぐに到着したのだが、魔力溜りが先程より大きくなっていたのだ。
「確かに、これだけの死骸があれば、こうなるのもわかるわ。それより、私1人で大丈夫かしら...この大きさだと魔力がもたないわ」
それを聞いたアレクは、魔法鞄から常時魔力回復薬を取り出して渡す。
「これを飲んで下さい。魔力を回復し続けるポーションです」
「え?そんなポーション聞いたことないわ。でも坊やだもの。有り得そうだわ」
以前に、素早さを上げる薬を見せたことがあったので、少し疑いながらも躊躇なく飲み干すシェリー。
「何か変わる訳ではないのね。じゃあ、早速始めるわ」
「お願いします。俺とマンテ爺は、魔物が来ないか、警戒しておきます」
もしかすると、生き残りがいる可能性を考慮して、マンテ爺と2人で警戒に当たっているのだ。
「マンテ爺、警戒しながら今回の反省会をしよう」
「うむ。そうじゃな。まずワシからじゃ。素早さを過信するあまりに警戒が疎かになっておったわい。あとは、知能のある魔物を甘く見ておったのぅ」
「俺も同じだね。知能ある魔物を甘く見てた。あとは、マンテ爺を頼り過ぎて、もっと安全な位置取りをする必要があったよ。もし、物理耐性強化薬を飲んでいなかったら、マンテ爺を見殺しにすることになったし。それから、最後気が緩んで攻撃を食らってしまったことかな...」
2人は、次からはこうしようとか、この方がいいのではないかとか、議論をするのであった。
「終わったわよ。魔力溜まりは、ここだけかしら?」
議論をしているうちに、どうやら魔力溜まりの浄化が終わったらしく、声を掛けてくるシェリー。
「あ!はい!見つけたのは、ここだけです。では、冒険者ギルドに報告しにいきますので掴まって下さい。あ!その前に、マンテ爺これを飲んで。また驚かせたら大変だしね」
マンテ爺に小さくなる薬を与えて小さくして抱きかかえる。
そしてシェリーは、また腕に絡みついてくる。アレクは、言ったところで離してくれないと思い、諦めるのであった。
「じゃあ、行きますよ。転移」
そして、また冒険者ギルドに戻ってくる。次は、大きい状態のマンテ爺がいないので、周りが驚くことはない。
「ミアさん、シェリーさんのお陰で無事終わりました。あとは、村の人に終わったことを告げてからギルドに再度戻ってきますね。じゃあ、そろそろシェリーさん離しましょうか」
「あら...お姉さんそんなに魅力ないかしら?これは駄目そうね」
「シェリーさんは、魅力的ですよ。ですが、最近婚約しまして、今は他の女性に興味がありません」
「え?婚約されたのですか!!」
大声を出したのは、シェリーではなくミアの方だった。
しかも、かなりの大声だったので、ギルドにいた全員が振り返る。数名は、問いただそうとアレクに迫ろうとしていた。
「ミアさん、あとはよろしくお願いします。村に報告がありますので、転移」
アレクは、危機を感じて、即座に逃げるのであった。
その後の、冒険者ギルド内は、言うまでもなくアレクの婚約話で持ち切りとなり、相手は誰だと探る者や泣き崩れて嘆く者まで様々であった。
しかし、最終的にはニーナが一喝して、場は静まり返り、普段のギルドに戻るのであった。
「お待たせ致しました。浄化が出来る冒険者を1名しか集めることができませんでした。申し訳ございません」
「え?もしかして、シェリーさん?」
「あの時のカワイイ坊やじゃないの。久しぶりね」
冒険者の試験の時に、お世話になったA級冒険者疾風迅雷の魔法使いシェリーだったのだ。
「面識があるお2人でよかったです。では、早速魔力溜まりの依頼をよろしくお願いします」
「じゃあ、転移するからマンテ爺とシェリーさん、俺に掴まって下さい」
そう言うとマンテ爺は、前足を肩に乗せる。シェリーは、なんと腕組みをしてきたのだ。
「シェリーさん...腕組みする必要性はありませんよ...」
「あら、そう?でも転移は、初めてだから。この方が安心だわ。駄目かしら?」
わざと上目遣いで見てくるシェリー。それに、いい香りもするし、柔らかい胸も見事に当たっているのだ。アレクは、煩悩よ去れ煩悩よ去れと、心の中で唱えるのであった。
「あら?もう着いたのね!転移って本当に便利ね」
「膨大な魔力量を使いますが、楽ですね。ってそろそろ、腕を離してくれませんか?」
「ん?私は、このままでもよかったのよ。それで魔力溜りは、この洞窟の中かしら?」
仕方ないわねという感じで、腕から離れるシェリー。アレクは、先が思いやられるなと思うのだった。
「はい!ここの1番奥です。風魔法で死骸の腐敗臭を外に逃しながら歩いて下さい。かなり酷いので」
そのまま進むと、鼻が一生使い物にならない程の悪臭なのである。
「わかったわ」
そして、3人で洞窟内に入る。意外に奥行きはないので、すぐに到着したのだが、魔力溜りが先程より大きくなっていたのだ。
「確かに、これだけの死骸があれば、こうなるのもわかるわ。それより、私1人で大丈夫かしら...この大きさだと魔力がもたないわ」
それを聞いたアレクは、魔法鞄から常時魔力回復薬を取り出して渡す。
「これを飲んで下さい。魔力を回復し続けるポーションです」
「え?そんなポーション聞いたことないわ。でも坊やだもの。有り得そうだわ」
以前に、素早さを上げる薬を見せたことがあったので、少し疑いながらも躊躇なく飲み干すシェリー。
「何か変わる訳ではないのね。じゃあ、早速始めるわ」
「お願いします。俺とマンテ爺は、魔物が来ないか、警戒しておきます」
もしかすると、生き残りがいる可能性を考慮して、マンテ爺と2人で警戒に当たっているのだ。
「マンテ爺、警戒しながら今回の反省会をしよう」
「うむ。そうじゃな。まずワシからじゃ。素早さを過信するあまりに警戒が疎かになっておったわい。あとは、知能のある魔物を甘く見ておったのぅ」
「俺も同じだね。知能ある魔物を甘く見てた。あとは、マンテ爺を頼り過ぎて、もっと安全な位置取りをする必要があったよ。もし、物理耐性強化薬を飲んでいなかったら、マンテ爺を見殺しにすることになったし。それから、最後気が緩んで攻撃を食らってしまったことかな...」
2人は、次からはこうしようとか、この方がいいのではないかとか、議論をするのであった。
「終わったわよ。魔力溜まりは、ここだけかしら?」
議論をしているうちに、どうやら魔力溜まりの浄化が終わったらしく、声を掛けてくるシェリー。
「あ!はい!見つけたのは、ここだけです。では、冒険者ギルドに報告しにいきますので掴まって下さい。あ!その前に、マンテ爺これを飲んで。また驚かせたら大変だしね」
マンテ爺に小さくなる薬を与えて小さくして抱きかかえる。
そしてシェリーは、また腕に絡みついてくる。アレクは、言ったところで離してくれないと思い、諦めるのであった。
「じゃあ、行きますよ。転移」
そして、また冒険者ギルドに戻ってくる。次は、大きい状態のマンテ爺がいないので、周りが驚くことはない。
「ミアさん、シェリーさんのお陰で無事終わりました。あとは、村の人に終わったことを告げてからギルドに再度戻ってきますね。じゃあ、そろそろシェリーさん離しましょうか」
「あら...お姉さんそんなに魅力ないかしら?これは駄目そうね」
「シェリーさんは、魅力的ですよ。ですが、最近婚約しまして、今は他の女性に興味がありません」
「え?婚約されたのですか!!」
大声を出したのは、シェリーではなくミアの方だった。
しかも、かなりの大声だったので、ギルドにいた全員が振り返る。数名は、問いただそうとアレクに迫ろうとしていた。
「ミアさん、あとはよろしくお願いします。村に報告がありますので、転移」
アレクは、危機を感じて、即座に逃げるのであった。
その後の、冒険者ギルド内は、言うまでもなくアレクの婚約話で持ち切りとなり、相手は誰だと探る者や泣き崩れて嘆く者まで様々であった。
しかし、最終的にはニーナが一喝して、場は静まり返り、普段のギルドに戻るのであった。
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