異世界モフモフ食堂！美味しいご飯で幸せいっぱい！

第2章 新たなお客様登場

第25話 贅沢焼き豚チャーハン！全員が魅力されてしまう。

香菜は、長ネギとニンニクをみじん切りにして、焼き豚は１センチほどの角切りにする。 そして、卵を溶いて塩コショウをしておくのだ。

「久しぶりに、チャーハンを作るけど、うまくパラパラになるかな？」

香菜は、パラパラしたチャーハンが好きであり、べちゃっとしたチャーハンにならないか心配になる。そして、フライパンにサラダ油入れて中火で熱し、 卵を入れて、半熟状に炒めたらお皿に取り出しておく。

「卵とご飯を事前に混ぜるやり方もあるけど、この方が卵の形が残って卵の味をしっかり味わえるんだよね」

フライパンにラードを入れて、中火で熱し 長ネギとニンニクと生姜を入れて軽く炒める。それから、焼豚を入れて軽く塩胡椒をして炒めてから、少し強火にして半熟卵を入れる。そこに、ご飯も入れて、中華だしを加えて炒めていく。醤油を鍋肌から加えて炒め、 味をみて塩胡椒で整えたら、仕上げにねぎ油を加えて全体に炒めるのだ。

「醤油の香ばしい匂いに、食欲をそそる色合いが堪らないよぉぉ！最後の仕上げだね」

香菜は、分厚く焼き豚を5枚切って、チャーハンの上に乗せて、最後にオーク肉の旨味がたっぷり出たタレをサッとかけるのだ。

「こんなの絶対に不味いわけないよ！早くみんなに食べてもらわなきゃ」

香菜は、出来上がったチャーハンを食堂に運ぶ。フェンリルは、香菜の邪魔をしないように、台を持ってきて上り、鍋に残ったチャーハンをお皿に掬って、残った焼き豚を乗せて、ミニチャーハンを自ら作って密かに食べたのだ。そして、フェンリルはキッチンで一人おいしさのあまりに小躍りしていたのである。

「贅沢焼き豚チャーハンお待たせしました！熱いうちに食べてください」

いまだに正座をしているガンダルフと獣王を除いた精霊王とドルシーとケイリックが、スプーンを手にとってチャーハンを食べ始める。一口食べた瞬間全員が、固まって動かなくなる。そして、ほんの数秒経った瞬間、顔がふにゃ～っととろけたような感じになるのだ。

「なにこれ！？こんな甘くて濃厚でとろけるお肉食べたことないよ！」

精霊王は、おいし過ぎて掻き込んで食べたせいで、ほっぺたにご飯粒をつけたまま騒いでいる。

「こんな全身を貫くような刺激を与えてくれる料理見たことも食べたことないわ！うちの料理長と比較にならないおいしさよ！」

上品なドルシーも、周りを気にせず無我夢中で掻き込んで食べている。

「父上が、会談を放ったらかしても来た理由がわかります！私でも、この料理を目の前にしたら抗えません」

ケイリックは、獣王の行いを擁護する発言をする。

「そうだね！仕方ないかも！それにしても、これだけ濃厚な味付けなのに、一切くどく無いからスプーンが止まらないよ」

精霊王は、顎に手を当てて、チャーハンの不思議な魅力と何故手が止まらないかを分析し始める。

「アナタ、ガンダルフ様、許すからチャーハンを食べていいわよ！香菜さん、申し訳ないのだけど、用意してくれるかしら？」

ドルシーも、このおいしさなら仕方ないと二人を許して食べていい許可を出す。二人は、嬉しさのあまり勢いよく立ち上がるが、足が痺れているので、激痛でコケたあと、ヨタヨタ歩きで椅子に座るのだ。

「すぐ用意するので待っていてくださいね」

香菜は、笑顔でキッチンに向かうのだった。