異世界モフモフ食堂！美味しいご飯で幸せいっぱい！

第2章 新たなお客様登場

第15話 香菜の未来を大きく左右する存在！ガンダルフが常連となる！

「200年生きておるが、このような奇抜な料理は見たことがないのぅ。それに、この椅子も便利じゃわい」

ガンダルフは、すぐさま器用に箸を使って食べている。モフモフ達は、お腹がいっぱいになったようで、地面に寝そべって寝息を立てているのだ。そして、ガンダルフは折りたたみ椅子にも注目していた。

「200年も生きているのですか！？料理は、自己流ですが、この辺りではあまり見かけないでしょうか？あと、この椅子便利ですよね。気に入っています」

香菜は、人間が200年も生きていることに驚きを隠せずにいた。

「魔力が多い人間は、寿命が長いんじゃ！自分で言うのもなんじゃ、ワシは大魔法使いじゃからな。それと、このような複雑かつ脳を直接刺激してくる料理は食ったことがないわい」

ガンダルフは、少し戯けたように自分のことを大魔法使いと言う。そして、香菜の料理を食べた感想なのだが、おいしさの基準の概念を逸脱したおいしさであったようだ。

「そうなのですね。私は魔力がないみたいだがら長生きできないのか......ガンダルフさん、料理を褒めてくれてありがとうございます」

ガンダルフは、魔力がないと言った瞬間、香菜を必要以上に凝視したのだ。

「え？ガンダルフさん！？」

香菜は、思わず驚いてしまう。

「おっと、すまんのぅ！転生者を見るのは久しぶりじゃったから、物珍しく凝視してしまったわい」

「え！？なんで転生者ってわかったのですか？」

ガンダルフが、急に核心を突くことを言ってきたので、香菜は目を見開いて驚く。

「この世界の人間は、皆大小はあれど、魔力を持って生まれてくるんじゃ。転生者の中には、魔力を犠牲にして強大なスキルを女神様から授かる者がおるんじゃ！じゃから、お嬢ちゃんが、転生者とすぐわかったわい」

ガンダルフは、わかりやすく丁寧に説明をしてくれる。香菜は、真剣になって話を聞く。フェンリルは、ガンダルフが悪い人間ではないと理解したのか、大あくびをして地面に伏せている。

「そうだったのですね！確かに、魔力を犠牲にして生活に必要な物を頼みました......」

香菜は、女神様に家兼食堂を建ててもらって、インフルを無限に使えるようにしてもらったことを話した。食材や調味料などを無限に生成できることは秘密にしたのだ。

「確かに、人智を越えておるが、この森の中で、攻撃......いやフェンリルがおるようじゃし、いらんお世話じゃったのぅ。それより、長居をしてすまんかった。ミーニャを連れてそろそろ帰るとするわい。これは、お代じゃ」

凶悪な魔物が数多く住む森で、家とインフラだけを願ったことに驚いたが、フェンリルという強い味方がいるなら安心だなと思ったようだ。そしてガンダルフは、おいしい料理のお礼にお金を渡す。

「ミーニャちゃんを連れてきますね。あと、お金なんていりませんよ」

香菜は、ガンダルフにお金を返そうとするが、受け取ろうとしない。

「食堂をやるならば、しっかり対価をもらわねばいかん！それに、お嬢ちゃんの料理にはそれだけの価値があるんじゃ！自ら価値を下げてはいかんぞい」

ガンダルフは、経営を考えているなら、しっかりとお金をもらって、見合った物を作って喜んでもらい、責任を持ってやるようにと伝える。

「はい！わかりました！でしたら、次からはメニューも用意しておくのでお客さんとして食べにきてください」

「うむ！常連になろうかのぅ！一人でおるとなかなか料理を作る気になれんからのぅ。それと、旧友を連れてきてもよいか？」

ガンダルフは、いい穴場を見つけたと思い、旧友にも紹介してやりたいと思うのだ。

「嬉しいです！いつでも来てください！それと、お友達もいっぱい連れてきてくださいね」

「こりゃ、あやつも喜ぶじゃろうな！最高の肉料理を頼むわい」

ガンダルフの友人というのは、この世界の一王様である獣王のことなのだ。香菜は、そんなことはつゆ知らず安請け合いをしてしまうが、このことが後々、大変な事態になるとは思ってもみなかったのであった。