異世界モフモフ食堂！美味しいご飯で幸せいっぱい！

第1章 転生したら少女になった

第7話 モフモフが、みんな住むことになりました！

「みんな～、お待たせ～！一人一人に配っていくから少し待っててね」

香菜は、お皿に入れたハンバーグを全員に割り振られるように目の前へ置いていく。フェンリルも、口に咥えて運ぶのを手伝ってくれている。

「リルちゃんも、手伝ってくれたからきっとおいしいと思うよ！食べていいけど、熱いからゆっくりね」

香菜が、食べていいと言うと、ヨダレを垂らしていたケルベロスやオルトロスやホワイトウルフが、勢いよく食べ始める。

「フェンリル様、リルちゃんとは？それから、フェンリル様が我々のために作って頂いたのですか？」

ケルベロスの長が、食べる前に尋ねる。

「うむ！あとで答えてやるのでな！まずは、温かいうちに食べるのだ！よく見てみろ。早く食べなくてお主の分がなくなってしまうぞ」

ケルベロスが、言われた通りに周りを見渡すと、全員が次から次にお代わりをしているのだ。その光景を見たケルベロスは、ハンバーグを咥えてモグモグと食べる。すると、目を大きく見開いて固まってしまうのだ。

「やはり、そういう反応になったか！どうだ？香菜作る料理は、絶品であろう？」

「これは、なんなのですか！？甘みいや程よい酸味も......そこに、肉のうまさと合わさって更になんとも言えない複雑なおいしさを作り出しています！こんな物を食べてしまったら、もう生肉なんて食べられませんよ」

ケルベロスは、今にも天に昇ってしまいそうな表情をして語る。

「ハンバーグという料理らしい！この世界にはない料理である。香菜にしか作れない代物であるな！そんなことよりも、今は腹いっぱい食べるのだ」

そんなことを話していると、香菜が新しいお皿を持ってやってくる。そのお皿をケルベロスとフェンリルに前へ置くのだ。

「まだまだあるからいっぱい食べてね！どうかな？おいしいかな？」

「こやつは、満足しているようであるぞ！それに、もう生肉は食えんようだ」

ケルベロスは、バクバクと勢いよく食べて、ハンバーグが見事になくなる。香菜は、感想を聞く暇もなく、大慌てでキッチンにいき、焼いて持ってきてを何度も繰り返す。

「うむ！香菜には、お礼が必要であるな！皆よく聞け！今後は、ここに来る敵を皆殺しにし、香菜を全力で守るのであるぞ」

フェンリルは、戦闘のスキルがない香菜を陰ながら守ろうと決意する。他の魔物達も、フェンリルの意見に同意して、遠吠えをあげる。

「みんな、急にどうしたの？」

香菜が、大きな鳴き声を聞いて、何があったのだろうかと聞きに来た。

「俺達は、今日からここへ住まわせてもらう。そのかわりに、敵が来たら追い払ってやろう。どうだ？良いか？」

ケルベロスやオルトロスやホワイトウルフは、ウルウルした瞳で香菜を見つめる。香菜は、思わず抱きしめてしまう。すると、一斉に香菜目掛けてモフモフ達が襲いかかるのだ。

「ぐるじぃ～好きなだけいていいよ！こんな可愛いモフモフに囲まれて暮らせるなら嬉しいもん」

香菜は、モフモフの間から顔を出して笑顔いっぱいで答える。

「感謝する！ならば、早速この辺りの偵察に出かけるとしよう！ケルベロス達は、ここへ残り香菜を守るのだ！それ以外は、俺についてこい」

フェンリルが、そう言うと遠吠えを上げたオルトロスとホワイトウルフが、走り出して森へと消えていく。

「ケルベロス達は、私とゆっくり待ってようね」

香菜が、ケルベロスの頭を撫でると嬉しそうな顔をする。

「香菜殿、我々が全身全霊お守り致します！」

「え！？話がわかるんだけど？話せたの？」

今までフェンリルしか言葉を理解できなかったのだが、ケルベロスの言葉も理解できるようになったのだ。

「香菜殿！私の言っていることがわかるのですか？」

ケルベロスも、まさか人間と対話できると思っていなかったので驚いてしまう。

「うん！さっきまで全然わからなかったけど、今は何を言っているかわかるよ！」

「不思議なことですが、もしかするとスキルか料理の影響でしょうか？」

ケルベロスは、どういうことなのか分析しようとするが、全く理解できずにいる。しかし、香菜はそんなことはどうでもいいようだ。

「なんで話せるのかよくわからないけど、みんなと話せるなら、これからいっぱい仲良くなれるし、理由なんてどうでもいいよ」

香菜は、笑顔で答える。ケルベロスも、香菜のあっけらかんとした表情に自然と考えるのを止めるのだった。