Wild Frontier

beck

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第三章

封神

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「巨人の歩くペースが上がってないか?」

 そういった変化に一番最初に気付くのは、大抵いつもセレナだ。
 その言葉にベァナが同意する。

「本当ですね。早く倒さないと町が再起不能になってしまいます」

 一つ目の巨人キュクロプスは再び手ごろな樹木を引き抜き、それを棍棒が代わりとして手に持っていた。
 そしてとにかく自分の目の前にある建造物は、手に持った自然の棍棒や自らの手で全て破壊しながら進んでいるのだ。

「ティネさん、確認なのですが、防護壁の外から中に向かって攻撃魔法を打ち込む事は可能ですか?」
「無理ね。もしそれが出来るなら、防護壁の意味が無いでしょう?」
「確かに──では発動後に防護壁を張り、壁の外から発動時間を延長するのは?」
「それは可能。一度発動した魔法であれば、外からでもコントロール出来るわ」
「なるほど。ありがとうございます」


 俺は全員に簡単な概要を説明する。
 セレナとベァナには念のためティネへのマナ供給を担当してもらう事にした。
 色々と疑問に思うような事も多いと思うが、今はとにかく時間が惜しい。


「持続時間を延ばせる火魔法というと設置型──やっぱりフレイムしかないわね」


 やはりティネは思っていた通りの魔術師だ。
 その知識量、魔法技術は半端ない。
 彼女から学べることは、間違いなく山のようにあるだろう。


「詠唱するわ」




── ᚣᚨᛈᚱ ᚨᛚ ᛢᛚᛞᚨ ᛈᛚᛁᚷ ᚣᚨᛗᛟ ᛚᛁᚷ ᚨᛚ ᛏᛁᛟ ᛞᚨᚢᚱ ──





(先程と違うのは呪文の最後の一句と、手の動き)

 彼女の呪文に意識が持って行かれるのを抑え、フレイムの発動を待つ。


「ヒースさん!」
「ああ、大丈夫だ」


 ベァナからフレイム発動の報が入る。
 見ると巨人が手に持つ樹木が激しく燃えていた。


 今までとは違い、『相手』に『半球状』の防護壁プロテクションを展開しなければならない。

 俺はそれらを考慮し、その場で呪文に必要な古代語を再構築──
 詠唱を開始した。





── ᛚᚨ ᚲᛖᛗ ᛞᛖ ᛚᚨ ᚣᚨᛈᚱ ᚲᚨᛃ ᛚᚨ ᛢᛚᛞᚨ ᚨᛚ ᛏᛁᛟ ᛞᚨᚢᚱ ──





 右手を燃え始めたキュクロプスに、左手を天頂に真っ直ぐ向け、詠唱しながらゆっくりと左に降ろしていく。
 イメージはもちろん、キュクロプスを半球状に取り囲む半透明の防護壁だ。


「よし」


 普段の防護壁プロテクションより一瞬だけ遅れはしたが、無事発動する。

 目的の状況を構築出来た。
 炎上するキュクロプスを半球型の防護壁が取り囲むという、この状況を。



(後は俺達とキュクロプスの根比べって所だな)



 ティネはフレイムの魔法を、俺はプロテクションの魔法を詠唱し続ける。

 俺は暫く魔法を使っていないので、まだマナ枯渇の心配は無い。

 だが難易度も攻撃力も高いフレイムは、相当量のマナを使用する。
 一応ベァナとセレナによるサポートはあるが、三人ともかなり苦しいはずだ。
 特にマナ総量の低いセレナが最も苦しいはずなのだが、彼女の表情からはそんな様子は微塵も感じられなかった。


(炎が自然に鎮火するまで、なんとか辛抱してくれ)


 町に来る途中、ティネからプロテクションの特性について教えを受けていた。
 それによると、プロテクションは非常に機密性に優れた魔法らしく、炎や水の攻撃を一切通す事は無いそうだ。

 であるならば。

 防護壁プロテクションで覆われた内部へは、新鮮な空気の供給が一切断たれるという事になる。

 つまりそれは──

「炎、完全に消えました!」
「三人ともお疲れ様。後は俺に任せろ」

 全員かなりマナを消耗したようだ。
 炎の消失を確認した途端、彼女達はその場にへたり込んだ。
 マナ欠乏はその度合いに応じて、人の体力を大幅に削る。

 そして俺は、攻撃力の全く無いプロテクションを詠唱し続けた。

 今回の攻撃は、炎による敵の焼却が目的ではない。




 窒息死。
 燃焼による酸素欠乏を引き起こす事が目的なのだ。




 自分が置かれている状況を認識したのか、キュクロプスは自らを覆う防護壁を全力で叩き始めた。

 分厚い防弾ガラスを叩くような音がこちらまで響いてくる。
 だが防護壁は微動だにしない。

「しっかしヒース君の言う通り、本当にフレイムが途中で消えちゃったわね。術は維持したままだったのに」

 休憩しながらも、相変わらず軽い口調で話をするティネ。
 だがその視線がキュクロプスから外れる事は無い。

「ヒース君。後でたっくさんお話しましょう? ベァナちゃんには悪いけど」
「失礼ながら私も同席させていただきます」

 師匠であっても一切物怖じしないベァナ。
 彼女がこんな態度を取れるのも、きっと師匠の人柄のお陰なのだろう。

 そんな二人のやり取りを横目に、セレナは状況の変化を告げる。


「見ろ! キュクロプスの動きが!?」


 好気呼吸をする生物にとって、酸素は最も重要な物質だ。

 人は食事を取らずとも、数週間は生きのびる事が出来る。
 また水が無かったとしても、数日ならば生存は可能だ。

 だが酸素は違う。
 人は酸素が無ければ、たった数分しか生きられない。

 あれだけ大暴れしていたキュクロプスが膝を付く。

「ヒースさん、本当にマナは大丈夫ですか?」
「ありがとうベァナ。まだ大丈夫だ」

 ベァナのマナ総量がセレナの倍近くある事は知っている。
 三人の中では最もマナに余裕があるだろう。

 しかし、それでも俺に比べればせいぜい半分を超える程度だ。
 俺は単独詠唱のため、既に相当量のマナを消費している。
 補助を頼んでしまうと、彼女のマナが一気に枯渇してしまう可能性が高い。

 単発で発動するプロテクションの持続時間はせいぜい三十~四十五秒程度。
 そう考えると、既に単発詠唱の五倍以上の時間が経過していた。


(とは言ったものの──さすがにこれはきつい)


 キュクロプスにもう動きはない。
 だがそれは、この怪物を仕留めた証拠にはなりえない。

 この防護壁をいつまで維持し続ければ良いのだろうか。

 元の世界ではその判断は難しかったかも知れない。
 敵が『死んだふり』をする可能性もある。

 だがこの世界の魔物であれば、その判断は非常に明確である。




(死した魔物は、その場で分解される!)




 かなりマナを消費したせいだろうか。
 体が重い。


 そしてそんな状況の中。
 ここ暫く音沙汰の無かった、あのフラッシュイメージが頭に浮かんだ。



<中断せよ>



 このイメージは、俺が危機に陥った時に浮かぶもの。



<中断せよ>



 つまりこれはしなければ命に関わる、という事を意味する。
 このタイミングでの中断と言えば──



(つまり、詠唱を中断しろって事か?)



<中断せよ>


(冗談じゃない! ここで辞めたら、全員怪物にやられちまうだろうが!)


<中断せよ>

<意識の剥離>

<自己の消失>



(あーっ、うるせぇっ! これが今の俺の意思なんだよっ!!)



 イメージに意思など無いはずだとは思うが──
 どういうわけか、それを境にイメージはぴたりと止んだ。



 その間、どれくらい時間が経ったかもわからない。
 だがそんな朦朧とした意識の中、遠くにベァナの声が響く。



「キュクロプスが……されていきます!」



 全身から力が抜けていった。
 意識がスッとかすんでいく。




「ヒースさんっ! ヒースさんっ!!」




 俺を呼ぶベァナの声。
 そしてその時、最後に感じたのは──




 俺の体を優しく包む、彼女の柔らかな感触だけだった。





    ◆  ◇  ◇





 おそらく、夢を見ていた。


 人の少ない林の中で、無邪気に走り回る白い犬。


(シロ? お前、無事に生きて──)


 彼女は辺りを元気よく走り回っていたが、俺からの距離が一定以上離れると必ずこちらを振り返る。
 それはまるで

「早く先に行こうよ」

 とでも言いたそうな表情で。


 俺は彼女に追いつこうと、必死で追いかけようとする。
 だが、なぜか足がもつれたような感覚があり、全く前へ進めない。

(もどかしいっ! なぜ!?)

 シロは先に進みながらも、絶えずこちらを振り返る。
 振り返ってはくれるのだが、彼女との距離は少しずつ開いて行ってしまう。


(待ってくれシロ! キミは俺の相棒だろう? どこに行くというんだ!?)


 そんな気持ちを知ってか知らずか、シロとの距離は離れる一方だった。



 ふと子供の頃の情景が思い浮かんだ。

 共働きだった俺の家庭。
 日中、誰もいない家。

 そんな俺の相手をずっとしてくれていたのがシロだった。
 彼女は俺の姉であり、妹であり、そして相棒であり、友だった。


 俺は大人になるまでずっと、あまり自覚していなかったのだ。
 彼女が、とても大切な存在だったという事を。



「俺をっ! 俺を一人にしないでくれっ!」



 次の瞬間。
 気付くと俺は一人、土手に立っていた。
 俺が良く訪れていた、あの土手に。



「俺はまたひとりに……」



 目の前に佇む、一人の少女の姿に気付く。
 彼女はゆっくりとこちらを振り向いた。


「檜原さん?」


 彼女の姿を見た瞬間、俺はそう認識する。


「君はやっと……こっちに帰ってきてくれたの?」


 だがその声は、俺が良く知る女性のものだ。



「ベァナ?」



 そこで記憶が途絶える。
 いつの間にか、再び深い眠りへと落ちていった。





    ◇  ◆  ◇





 おそらく、夢を見ていた。



「……という事があり、残念ながらメアリー殿が犠牲になってしまいまして」
「そう、彼女が……でも彼女を町に連れ帰ってくれたのね。本当にありがとう」


 少し離れた場所から聞こえてくる話声。


(俺は今まで何をして……)


 ゆっくり目を開けると、眼前に青空が広がっていた。

 首を右に向ける。
 どうやら草地で横になっていたようだ。


(草地?……俺はシロと一緒に土手に……)


 いや。
 これは多分記憶が混乱しているだけだ。

 その証拠に、俺の左手に相棒など──


「!?」


 顔を左に向けると、そこには美しい女性の顔が。
 どうやら目をつむって眠っているようだ。

 その距離、鼻先数センチ。


(なんてきれいな少女だろう)


 少し混乱気味だったせいもあったのだろう。
 俺は周りの目など一切考えず、彼女の顔をずっと見つめ続ける。

 そして遅れて気付いたのだが──
 俺の左手は、その少女によってしっかりと握られていた。

「ベァナちゃん、倒れたヒースくんの事をすっごい心配してたのよ。それで自分も結構マナを使ってたはずなのに、私がやります!って言ってマナの補給をね」

 そう話しながら近付いてくるティネ。
 少し顔がにやけている。


(そうか、俺はキュクロプスを相手にプロテクションを発動させ続け──)


「ティネさん、キュクロプスは!?」
「有難い事に、誰かさんのお陰で骨だけになっちゃいました」
「そうですか──それは良かった」



(なんとか倒せたのだな──)



 俺は思わず溜息を漏らす。
 そして眠っている彼女を起こさぬよう、繋いだ手をゆっくりと解いた。


「セレナさんから色々と事情を聞いたわ。要はザウロー家に盾突いたわけね」
「盾突いたとか言われると人聞き悪いですが、まぁ否定はしません」
「で、それよりもビックリなのが井戸の話よっ! それって本当なの?」
「ええ。そもそもヘイデンがシアの父上に難癖付けたのも、元々は治水対策に対してでしたからね。そこを何とかしなければ根本的な解決にはならないと」
「そういう事じゃなくってっ! 私が気になるのは、どうやって井戸を掘ったのかってとこっ!」



 そこで気付いてしまった。



(この人多分、俺と同類だ──)



 悪い人間では無いのだが、おそらく気になる事を放っておけない性格なのだ。
 それも目新しい技術や知識にはとんと目が無い。
 研究熱心だとは聞いていたが、こんな分野にまで興味を示すとは思わなかった。

「ちょっとそれ見学させてよ! ヒース君の解説付きでっ!」
「それはいいですけど、私の解説は高いですよ?」

 ティネが使っていたセリフをそのまま返す。
 教えるのは嫌ではないが、出来れば彼女からも色々と教わりたい。


(というより、それこそこの町を目指した理由ではないか!)


「むぐぐ……わかりましたっ! 私に教えられる事は全部教えちゃうので、代わりにヒース君のとんでも知識を全部教えてっ! それならいいでしょう?」
「そうですね。そういう事でしたら是非お願いします。セレナ、ベァナを見てあげていてくれないか」
「ああ。彼女の目が覚めるまで、ここで休ませてもらおう。私も少々疲れたのでな」
「恩に着る」

 仲間の中で、おそらく最も大人であるセレナ。
 彼女の気遣いによって、これまで何度助けられた事か。

 そしておそらく最も年長者であるにも関わらず、最も子供っぽい女性。
 それがこの魔導士ティネ。

 俺は彼女に袖を捕まれ、半ば強制的に魔法協会へ連行される。





 ふと自分が寝ていた草地に目を向けた。
 彼女の姿を改めて見る。




 そこには、静かに寝息を立てる少女が横たわっていた。





(ベァナ。ありがとうな)





 彼女の無事を確認する。
 俺はその時点で初めて、心から安らぎを感じるのだった。






……四章へ続くto be continued
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