Wild Frontier

beck

文字の大きさ
上 下
37 / 142
第二章

隷奴

しおりを挟む
 この短い旅も最終日の四日目。
 今日の午後には町に到着するようで、それは馬車から見える景色でも実感出来た。
 広々とした耕作地が見えて来たのだ。
 ベンの話だと、この辺りでは麦や豆類を生産しているという話だった。

「ダンケルドは大規模な農園を営んでいる農家が何件かあって、多くの奴隷を抱えているんですよね」

 奴隷。
 アラーニ村に奴隷は居なかったが、この世界では極めて一般的な制度らしい。
 ベァナも特に驚いた様子は無かったので、常識なのだろう。

 しかし元の世界の常識が身に染みついている俺からすると、あまり気分の良いシステムではない。
 俺のそんな気持ちを察してくれたのか、ベァナが補足してくれた。

「奴隷の仕組みは元々生活に困窮こんきゅうした人を救済する目的で作られたと言われています。だからそのあるじは、彼らが労働して得た収入を得る代わりに、自分の奴隷達をしっかり養わなければいけない、という規則があります」

 ええと……聞く限りだと会社員みたいなもののように思えるが……
 なぜ奴隷という呼び名が付くのだろう?

「規則という事は、何かしらの罰則とかがあるのか?」

 ベァナも詳しい事は知らないらしく、その後の話はベンが引き継いでくれた。

「まぁヒースさんなので先にお話しておきますが、かなり抜け道の多い決まりなんですよね。結局の所、主となる方の人柄次第といいますか……」

 ますます会社組織を彷彿ほうふつとさせる仕組みだ。
 結局は金を握っている人間が一番強い。

「今通ってる街道沿いの農地の主は、とても良い農園主だと聞いています。普通の従業員と同じように扱ってくれるそうです」

 それを聞いて少し安心する。
 しかし良い人もいれば悪い人もいるのがこの世の中だ。
 きっとそういった仕組みや立場を悪用する奴らもいるに違いない。

 考えるだけで腹立たしくなってくるが、この辺りで働いている人々はベンの言う通り、その表情に暗さはない。働きぶりも一生懸命だ。
 一見すると彼らが奴隷かどうか全く分からなかったのだが、道のすぐ近くで働く農夫の首に魔法で描かれた模様がある事に気付き、驚くと同時に悟った。
 きっと彼が奴隷の身分にある人なのだろう。
 その模様は署名魔法オートグラフを使った時に出現したものとよく似ている。
 しかし署名魔法は生物相手には使えないと聞いていたが……

「ベァナ、あの模様はオートグラフではないのか?」

 俺は遠くまで外に声が届かないよう、控えめに聞いた。

「描かれている模様は同じものなのですが、魔法ではなくて魔法協会で手続きした際に発現する模様らしいです。管理者を識別する為のものだとか」

 人に刻印を施すとは、なんと悪趣味な!

 もしこれがこの世界の神による行いだとしたならば、よほど人間離れした感性の持ち主なのだろう。まぁ人ではなく神だから当然なのかも知れないが……多分俺とは全く分かり合えない存在に違いない。
 ただこれがこの世界のことわりなのだとしたら……少なくとも表面上ではそういうものだと受け入れるしかない。

 それにやはり先程の農夫も含め、ここで働いている人達に悲壮感は全く感じられない。このシステムのセンスの無さは許せないにしても、この農場の経営者とは分かり合えそうな気がした。


 しばらく続いた田園風景の中、遠くに巨大な一枚岩のような人工物が見えてきた。
 ダンケルドの防壁だ。
 それほど高い壁では無かったが、ホブゴブリン等の侵入を防ぐには十分役立つであろう、石作りの頑丈そうな壁である。
 関所で聞いた話を裏付けるかように、町の入り口でも検問が行なわれていた。

「ここの検問も普段はかなり簡単なチェックだけで終わるのですが……やはり北の騒ぎのせいで長くかかりそうですね」

 検問待ちなのか、そこにはかなりの台数の馬車が並んでいる。

「えー、こんなに待つんですかー? チーズ売り切れちゃう!」

 先日別の行商人に譲ってもらったオリーブオイル漬けチーズがよっぽどお気に召したらしく、ベァナは町に入ったらまずその店に行くと決めているのだ。
 そうでなくても色々とやらなければならない事が多い。
 冒険者カードの発行、戦利品の換金、ティネさんへの挨拶、宿の確保……


 衛兵も大変だと思うが、ベァナの機嫌を損ねるほうがもっと大変だ。
 俺は少しでも早く、この行列が進むことを祈っていた。



    ◆  ◇  ◇



 そもそも無神論者の俺が、どの神に祈っていたというのだろうか?

 俺の祈りが誰かに届いたのかを確認する術は無い。
 きっとどこにも届かなかったのだろう。
 検問が全く進まなくなっていた。

 どうやらかなり前の馬車がトラブルを起こしたらしく、揉めているようだ。
 そちらで揉める分には一向に構わないが……火種はこちらでもくすぶっている状況で、もはや発火寸前だ。

「……チーズ売り切れていたら……泣きます」

 そんな状況が結構続いていたので、ベンが機転を利かせてくれた。

「実はダンケルドには西門というのもあるのです。もしかしたらそちらなら空いているかも知れませんので、西側に回ってみましょう」

 ダンケルドの周辺は農耕が盛んで、町の周りには耕作地が広がっている。
 そのため町を取り囲むように農道が整備されており、俺たちは町を迂回うかいする形で西の門に移動する事にした。

 移動途中にも、まばらながら農作業をする人の姿があった。
 しかし町の北側で働いていた人々に比べると、この西側の人々はあまり活発そうには見えない。やる気が感じられないというよりも、生気を感じられなかった。

「大きな声じゃ言えないのですが……この辺の管理をしている農園主は、この町の中では一番奴隷の扱いが酷いという噂なんです。まぁ見れば分かる通りですが」

 そもそも着ている服からして違っていた。
 北の耕作地にいた奴隷達は、普通よりも優遇されていたのだろう。
 彼らは一般市民となんら変わらない服装だった。

 しかしこちらの奴隷達は……その身なりはまるで囚人だ。
 選んだ主によってこうも待遇が違うとは……
 世の不条理というのはどの世界でも起こりうるという事か。

 とは言え、俺たちに何が出来るわけでもない。管轄する人間が上に立っている以上、そこへの干渉はトラブルの元だ。
 彼らはそういう契約を行っているのだ。

 自分の非力さを痛感している中、ふと畑の傍に横たわっている奴隷の少女が目に入った。その近くにもう一人、同じ立場と思われる少女がしゃがみ込んでいた。
 横になっている子の心配をしているらしい。
 回りを見渡すが、管理者らしい人間は見当たらなかった。
 管理者であればその身なりですぐに見分けられるはずだ。

 俺はベンに馬車を止めてもらって、その場に駆けつけた。
 ベァナも俺に続いて馬車から降りようとする。
 彼女たちの首筋には隷属を表す模様が描かれていた。

「どうしたんだい?」
「あの……ニーヴがうごけないです」

 どうやら横になっている薄水色の髪をした少女がニーヴというらしい。
 表情は苦しそうで、心なしか顔が赤い。

「ごめん、ちょっと体調を確認させてくれ」

 何かの感染症かも知れなかったが、構わずニーヴの額に手を当てた。
 熱い。
 俺は医者では無いので原因の特定は出来ないが、発熱の原因として考えられるものは菌やウイルス、各種毒素、体組織の炎症などによるものである。
 やけどや熱中症など、体の機能によって引き起こされるものもあるが、やけどはしていなさそうだし、今日はそれほど暑い日ではない。

「きみ、お名前は?」

 俺はしゃがみこんでいる薄桃色の髪の少女に、なるべくやさしく声をかけた。

「プリム……です」

 気付くと近くにベァナも駆けつけていた。
 横になっているニーヴを心配そうに見ている。

「プリム、ニーヴは何かの病気かも知れない。病気を直すための魔法をかけたいんだけど大丈夫?」
「おねがいしますです!」

 俺は右の掌をニーヴの額に近づけ、アンチドートの魔法を唱えた。



── ᛚᚨ ᛗᛏᚱᚨ ᛞᛖ ᛗᚨᛚᛒ ᚱᛖᛞᚴ ᛟᛗᚾᛋ ──



 魔法はしっかり発動した。
 しかし暫く様子を見ても症状の改善は見られない。
 アンチドートは解毒魔法なので、原因は別にあるという事か。
 となると……

「ベァナ、大変だとは思うがディスインフェクトの詠唱頼めないか?」

 こういった時、ベァナの性格ならすぐに快諾してくれるはずだ。

「……」

 一瞬の間が空く。

「……わかりました……あの、念のためマナ供給をお願いできますか」

 彼女には珍しく即答しなかったが、そういう事か。

「もちろんだ。それで、どうやるんだ?」
「あの……て、手を……握ってもらえますか」

 彼女はそう言って自分の左手をそっと差し出した。
 そうか。マナは基本的に体内にあるものを消費する。
 こうして体同士が触れ合う事でマナを融通できるという事か。
 俺は彼女を手をそっと掴む。
 自分の手とは違い、きめ細やかな感触がした。

「私の手にマナを送るイメージを思い浮かべてください。まだ明るいのでディスインフェクトなら、この方法でもマナ供給は間に合うと思います」

 外の明るさとマナ供給に何か関係あるのだろうか?

「それでは始めます」

 彼女は右手をニーヴにかざし、詠唱を始めた。



── ᛚᚨ ᛗᛏᚱᚨ ᛞᛖ ᛚᚨ ᛗᚳᚾᛟ ᚺᚨᛚᛏ ᛟᛗᚾᛋ ──



 呪文自体はアンチドートとかなり似ている。呪文の中身が少し違うだけだ。これもきっと何か意味があるのだろう。
 詠唱は無事終わり、しっかり発動したようだ。
 ベァナは少し疲れているようだが、動けないという程ではない。
 倒れていたニーヴの様子を見てみると、苦しそうな表情が和らいでいた。
 魔法が効いたという事は、風邪やインフルエンザのたぐいだったのだろう。

「ニーヴちゃん!」

 プリムが声を掛けると、ニーヴの目がうっすらと開いた。

「……あ……プリムちゃん……この人たちは?」
「ニーヴちゃんをたすけてくれたです」
「そうなんだ……お姉さんお兄さん、ありがとうございます」

 ニーヴはそう言うと、横になったまま俺とベァナを交互に見比べた。 

「プリムちゃんとわたしみたいに、お二人は仲良しさんなんですね」

 ん、どういう事だ?
 そう思っていた俺に、伏し目がちのベァナがこう言った。

「ヒースさん……手」

 マナ供給のために手を握ったままだった。
 ニーヴの容体ばかりに気を取られていて、すっかり忘れていた。
 しかもちょっと力み気味だったかも知れない。

「ごめん!」

 さっと手を放す。
 そんなやりとりを笑顔で見ていたニーヴだったが、その後すぐに困り顔で申し出をしてきた。

「あの、私たち何も持ってないので、お礼が……」
「心配しないで。君たちから何も取ったりしないよ」

 彼女たちはこれまでずっと、誰かに搾取され続けてきたはずだ。
 なのにそれでもなお、自分が受けた恩を返そうとしている。


 なぜだ?
 なぜこんなにも正しい人間が、このような仕打ちを受けているのだ?


 こちらに来たばかりの俺は、この未開の土地に対して色々な期待をしていた。
 しかし結局のところ、これが現実だった。


 正直者が馬鹿を見る世界。
 ここはその言葉が生まれた元の世界より、もっと非情で過酷な土地だった。





 この世界に、本当に神など存在するのか?





 どうしようも無い事実に悶々もんもんとしていた俺とは違い、ベァナは俺の出来損ないの返答に適切な補足をしてくれた。

「もし管理者さんに何か言われても、病気だった事とか黙っているようにね。私たちがあなたたちに勝手に話しかけていただけ。わかった?」
「はいです」
「ありがとうございます」

 ああそうか。
 彼女たちに何かを施すのも、危害を加えるのも、全ては管理者許可の元で行われなければならないのか。
 つまり非常に嫌な言い方をすると、他人の持ち物に勝手に触るなという事だ。

 少し疲れている様子の彼女達に、俺は修業がてらマナヒールの魔法をかけると、彼女たちは元気が出て来たと言ってはしゃいでいた。
 俺は二人に、効果は一時的なものなので無茶をしないように伝えた。
 しかしこんな姿が見られるなら、ひとまず安心という所か。


 そうこうしているうちに、彼女たちの管理者と思われる若者が歩いて来た。
 彼がこの子達の……

 若者はベァナのすぐ横を通ろうとしていたので、悪さでもしないか注視していた。
 しかし彼はベァナに全く興味を示さなかった。
 それどころか一瞥もせずに少女達の元に歩いていく。
 仕事熱心なのか他人に興味が無いのか……
 珍しい人もいるものだと思い、どんな表情をしているのかを確認してみると……

 彼には表情は無かった。

 人間が持っているであろう、いかなる感情も感じ取れない。
 彼の応対はあくまで業務的だった。

「失礼します。うちの奴隷達に何かご用でしょうか」
「いえ、ちょっと彼女達に話しかけていただけです」
「仕事の邪魔をしないでいただけると助かります」

 管理人はあくまで無表情でプリムとニーヴを仕事場に戻し、そして他の奴隷の様子を見に行ってしまった。

 悪意が感じられたわけではない。 
 冷徹とも違う。
 他人にも奴隷にも仕事にも、何に対しても関心がないような態度。
 それは奴隷達よりも、更に心に余裕が無い人間の姿に見えた。


 慌てて持ち場に戻って行く二人の少女は、途中俺たちのほうを振り返った。 
 俺が手を振っているのを見た彼女たちは、お返しに手を振り返してくれた。

 まだまだ沢山遊びたい年頃だろうに……
 この世界は本当に理不尽で出来ている。



 こちらに来てから、色々な事に慣れてきたと思っていた。
 だが、まだまだそうではないようだ。

 奴隷達に対しても。
 管理人の彼に対しても。
 『仕方が無い』事とは済ませられない自分がここにいた。



 良かった。
 まだ俺の本質は何も変わってなどいない。
 元の世界のままだ。

 俺はそう自覚し、心から安堵した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

この行く先に

爺誤
BL
少しだけ不思議な力を持つリウスはサフィーマラの王家に生まれて、王位を継がないから神官になる予定で修行をしていた。しかし平和な国の隙をついて海を隔てた隣国カリッツォが急襲され陥落。かろうじて逃げ出したリウスは王子とばれないまま捕らえられてカリッツォへ連れて行かれて性奴隷にされる。数年間最初の主人のもとで奴隷として過ごしたが、その後カリッツォの王太子イーフォの奴隷となり祖国への思いを強めていく。イーフォの随行としてサフィーマラに陥落後初めて帰ったリウスはその惨状に衝撃を受けた。イーフォの元を逃げ出して民のもとへ戻るが……。 暗い展開・モブレ等に嫌悪感のある方はご遠慮ください。R18シーンに予告はありません。 ムーンライトノベルズにて完結済

忌子は敵国の王に愛される

かとらり。
BL
 ミシャは宮廷画家の父を持つ下級貴族の子。  しかし、生まれつき色を持たず、髪も肌も真っ白で、瞳も濁った灰色のミシャは忌子として差別を受ける対象だった。  そのため家からは出ずに、父の絵のモデルをする日々を送っていた。  ある日、ミシャの母国アマルティナは隣国ゼルトリアと戦争し、敗北する。  ゼルトリアの王、カイは金でも土地でもなくミシャを要求した。  どうやら彼は父の描いた天使に心酔し、そのモデルであるミシャを手に入れたいらしい。  アマルティナと一転、白を高貴な色とするゼルトリアでミシャは崇高な存在と崇められ、ミシャは困惑する。

捨てられ令嬢は屋台を使って町おこしをする。

しずもり
ファンタジー
コスト侯爵家の長女ティアナは実父であるジェイソンに仕事を押し付けられ学校にも通わせてもらえず後妻のマーガレットと義妹エミリーに使用人のように扱われ虐げられていた。 それでも亡くなった母から譲り受けた小さな商会を夫となる婚約者ロバートと王都一の商会にする事を夢見て耐えていた。  しかし商会とロバートをエミリーに奪われ父からも捨てられた。彼女に残されたのはボロボロの屋台だけ。屋台の前に立つティアナと元専属侍従のクリスフォード。 「・・・・・ふふふ、本当に追い出されちゃったわね。」 「お嬢様の仰る通り今日がXデーでしたね。ところでコレ、どうするんです?」 「あら、大丈夫よ。空間収納に入れておくし。」 「はっ!?前世の記憶だけじゃなくそんなモンまで使えるようになったんですか?」 「うん♪商売するには便利そうよね〜。」 婚約者と義妹の浮気現場を目撃したショックで前世を思い出したティアナは新たな自分の人生を謳歌しようと前世の知識を活かし屋台を引っ提げて王国を駆け巡り気付けば町おこし令嬢と呼ばれるようになっていた!? *屋台で活躍するまでちょっと時間が掛かります。(イケアに到着してから) *現実の史実や時代設定とは異なるゆるゆるの独自の異世界設定です。 *誤字脱字等は気付き次第修正します。 *

さだめの星が紡ぐ糸

おにぎり1000米
BL
それは最初で最後の恋だった――不慮の事故でアルファの夫を亡くしたオメガの照井七星(てるいななせ)は、2年後、夫を看取った病院でアルファの三城伊吹(みしろいぶき)とすれちがう。ふたりは惹かれあったすえにおたがいを〈運命のつがい〉と自覚したが、三城には名門の妻がいた。しかし七星と伊吹のあいだにかけられた運命の糸は切り離されることがなく、ふたりを結びつけていく。 オメガバース 妻に裏切られているアルファ×夫を亡くしたオメガ ハッピーエンド *完結済み。小ネタの番外編をこのあと時々投下します。 *基本的なオメガバース設定として使っているのは「この世界の人々には男女以外にアルファ、オメガ、ベータの性特徴がある」「オメガは性周期によって、男性でも妊娠出産できる機能を持つ。また性周期に合わせた発情期がある」「特定のアルファ-オメガ間にある唯一無二の絆を〈運命のつがい〉と表現する」程度です。細かいところは独自解釈のアレンジです。 *パラレル現代もの設定ですが、オメガバース世界なので若干SFでかつファンタジーでもあるとご了承ください。『まばゆいほどに深い闇』と同じ世界の話ですが、キャラはかぶりません。

主人公は高みの見物していたい

ポリ 外丸
ファンタジー
高等魔術学園に入学した主人公の新田伸。彼は大人しく高校生活を送りたいのに、友人たちが問題を持ち込んでくる。嫌々ながら巻き込まれつつ、彼は徹底的に目立たないようにやり過ごそうとする。例え相手が高校最強と呼ばれる人間だろうと、やり過ごす自信が彼にはあった。何故なら、彼こそが世界最強の魔術使いなのだから……。最強の魔術使いの高校生が、平穏な学園生活のために実力を隠しながら、迫り来る問題を解決していく物語。 ※主人公はできる限り本気を出さず、ずっと実力を誤魔化し続けます ※小説家になろう、ノベルアップ+、ノベルバ、カクヨムにも投稿しています。

とあるガンマニアの異世界冒険物語。

ポムポム軍曹
ファンタジー
「本当に異世界に来てしまったんだなあ……」  ホームセンターに勤務する榎本孝司は休日の日、趣味のサバイバルゲーム中に突如発生した濃霧に迷い込んでしまう――――そして霧の先にいたのはこの世の者とは思えない絶世の美女であった。 『儂の世界を調べてもらえぬか?』  半ば強引に拉致同然に連れてこられたのは地球でも異世界でもない神の領域。  彼女は自身を異世界の神だと名乗り、自分が作り上げた世界に発生した異常を調べて欲しいと言う。  そして、 『お主には神である儂に代わって異世界で起きている崩壊の兆しを調べて欲しいのじゃ』  そう言われて異世界と地球を管理するそれぞれの神様によって依頼されて送り込まれた先は神が作った異世界。魔法が存在し、文化や技術の差が著しく異なる国同士がひしめき合う箱庭のようなどことなく地球と似た文化や文明が存在する不思議な世界だった……  これは異世界各地を渡り歩き、世界を管理する神に代わって異世界の危機を解決する冒険物語。  銃と剣、火薬と魔法、謀略と正義、人々と神々の思惑が交錯する物語である。

デボルト辺境伯邸の奴隷。

ぽんぽこ狸
BL
シリアルキラーとして捕えられた青年は,処刑当日、物好きな辺境伯に救われ奴隷として仕える事となる。 主人と奴隷、秘密と嘘にまみれた二人の関係、その果てには何があるのか──────。 亜人との戦争を終え勝利をおさめたある巨大な国。その国境に、黒い噂の絶えない変わり者の辺境伯が住んでいた。 亜人の残党を魔術によって処分するために、あちこちに出張へと赴く彼は、久々に戻った自分の領地の広場で、大罪人の処刑を目にする。 少女とも、少年ともつかない、端麗な顔つきに、真っ赤な血染めのドレス。 今から処刑されると言うのに、そんな事はどうでもいいようで、何気ない仕草で、眩しい陽の光を手で遮る。 真っ黒な髪の隙間から、強い日差しでも照らし出せない闇夜のような瞳が覗く。 その瞳に感情が写ったら、どれほど美しいだろうか、そう考えてしまった時、自分は既に逃れられないほど、君を愛していた。 R18になる話には※マークをつけます。 BLコンテスト、応募用作品として作成致しました。応援して頂けますと幸いです。

皇国の復讐者 〜国を出た無能力者は、復讐を胸に魔境を生きる。そして数年後〜

ネコミコズッキーニ
ファンタジー
「あいつがどこの国のどんな貴族でも関係ない。必ず追い詰めて絶対に殺してやる! 絶対に絶対に絶対に絶対にっ!!」  七星皇国の武家に生まれた陸立理玖。幼い頃は剣の才に溢れ、将来を期待されていた彼であったが「霊力」に目覚める事なく15才を迎えてしまった。そんな彼を家に置く事はできないと生家を追われてしまう。だが理玖はただでは追い出されまいと、家宝の刀を持ち出して国を出た。  出奔した先で自由気ままに生きていたが、ある日帝国の魔術師の謀略に巻き込まれてしまう。復讐を決意し帝国へ向かうが、その道中の船旅で嵐に遭遇、目覚めるとそこは人外魔境の地であった。  数々の苦難に遭いながらも決して復讐を諦めず、意地と気合で生き抜く日々が始まる。そして数年後、理玖は魔境からの脱出を果たす。そこにはかつて無能者と呼ばれていた面影はなかった。  復讐から始まり、やがて世界を救う事になる救世の物語。

処理中です...