◯✕▢そしてニコッ△

鵜海喨

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第一章-春節「駆け出す蛇の一噛に」

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「集音器確認。間もなく「桜」に到着します。ご乗車の生徒は、忘れ物の無いようにお降りください。間もなく「桜」に到着です。右側のドアをご利用ください」

 と、車内放送があった。でも、私達の座っている席からでは、建物の様子も含め何があるのか分からない。
「見えない側に座らされるなんて、ツイてないわね」
 立っていて残念がる言葉を言う小梅さんは、乱暴に席に座った。今思えば、小梅さん一人でその席を座っている。

「小雪見たい。でも見えない」
 真似するようにため息を吐く小雪を私は撫で、「これから、飽きるまで見るから良いって」と耳で囁いた。
「うん」

「集音器確認。これ、何度もしているからしなくていいですか? 間もなく停車します。生徒の皆様は、停車次第に下車をお願いします。うちの従業員である烏が先導いたします。異例として、小葉さん、小雪さん、小梅さんは、先ほど駅に居ました鳩が案内しますので、そちらに従ってください」
 
 名指さしされた。私達以外の生徒は私達の事を驚きながら凝視したけど、瞬きの間に妬むような形相に変わっている。
「小雪ちゃん? 私達何かしたの?」

 同じく、驚いている小雪ちゃんにこっそり訊くも私と同じく「わかんない」と返ってきた。
「優等生だからよ。優等生って、学年に一人二人居るかどうかもわからないのに、今年は三人も居て、その三人は特別な事を教わるっていう噂よ。で、その三人が私達って話」
 あたかも、一般人とは格が違うのよといった態度で説明をする小梅さんは、自分が凄い目で見られている事に気づいているのかな。
 言っている事は、なんとなく理解できた。でも私の招待状は普通で優等生ではなかったはず。
「でも、私に届いた招待状は、優等生って文字一言も書いてなかったけど」

 証拠を見せようと懐に手を突っ込むも、明らかに触れた紙の紙質が変わっている。
 安い和紙ではない。もっと細かく、質の良い紙。薄桃色ではなく真っ白な色にもなっている。

「あれ? 小雪ちゃん私の招待状って薄桃色だったよね?」
「うむ。あんまり覚えてないけど」

 取り出した三つ折の紙を恐る恐る広げる。カサカサと音と共に、中に書いてる文字が見えた。「小葉殿、優等生として招待す」と書いてある。

「おぉ、魔法」
 驚きよりも関心に近い声をあげる小雪ちゃんと反対に、私は困惑していた。

「やっぱり、優等生扱いじゃない。まあ緑を使えれば当たり前か」
 緑を使う。とか、術を使う。と聞くけど、それが何なのか分からない。ただ、自分が他人の見えない糸が見える事だけ知っている。

「皆様、お久しぶりです。駅で見たと思う鳩です。宿舎に案内しますので後についてきてください」

 聞き覚えのある声、その声のいう通り
に駅に居た鳩さんだと思う。ってことは、また足元にいるのだろうと、通路の床に目をやるも、そこに鳩さんは居ない。

「上です、上。つり革です」
 
 つり革にぶら下がるように、鳩さんは居た。見つけてもらった事に安堵の息を吐き、「小葉様、肩に失礼」と、私の肩に飛び乗ってきた。鳩と言えどやんわりと重く温かい。
 近くで見る鳩は思ったより大きく、首周りの青紫色がより輝いて見える。橙色の瞳も遠くで見るよりもずっと鮮やかだった。
「鳩さんって土鳩どばと?」
 鳩を撫でた小雪は、少し自信げに訊いた。
「御名答です、小雪様。土鳩や河原鳩かわらばと塔鳩たうばと堂鳩だうばと家鳩いえばとなどと呼ぶこともありまけど、属名がカワラバト属なのでカワラバトが正しいのではないか? と最近思ってますが」
 鳩さん本人も少し、困っているのか最後の方は渋い顔をしている。
 そんな顔を他の生徒たちも見ているけど、どこか少し怒っているような顔付だった。しかし、そのまま他の鳥に連れられ下車している。
「なんで、あんなに怖い顔するのだろうね。普通の生徒として桜に入ることもかなりすごい事だけど、見てて呆れるわ。欲深い外ありゃしない」
 そんな言葉を聞いたのだと思う生徒たちは足早に、私達の目の前から去って行った。何だか悔しそうな表情もしている。

「小梅ちゃん言い過ぎ。言い過ぎよくない」
 頬を膨らませて少し怒った声色で言う小雪。そんな小雪ちゃんに小梅さんは「冗談よ」と頭を叩き撫でる。
「行き過ぎた冗談はただの暴言だと思うのですが。まぁ事実ですしいいでしょう。では、あの子達についていきますよ」
 鳩は、翼を広げて出入り口の方を指した。

 座り過ぎなせいで、少し鈍った足を動かし立ち上がる。そして足に血が巡る嫌な感じがあるけど、それを吹き飛ばすようなドキドキで私の胸はいっぱいだった。
「それでは行きます」

 外の世界は、案外普通だった。というよりも、森の一角といった感じで特に何もなかった。ただ、乗り降りするための土盛りがあるぐらいで、正直期待した目新しい世界はそこにはない。
「森」
「そうね。森ね」

 二人も、同じような事を呟いてみんな同じことを思ってると思うと、何故だか嬉しかった。あまり同い年の娘達と話したことないし、年上ばかりの世界だっから、私の思う感覚は安っぽく思えていた。でも、みんなと同じなんだな。って思えて嬉しい。

「見ての通り、森です。ですが、この森を抜ければ「桜」に到着です。その距離は二百間ほどありましすが十分だけの辛抱ですのでお許しください」

 そうは言うけど、結局はかなりの距離だと私は思う。

「はーい。小雪歩く。歩くの楽しい」
「小雪あんた、丈夫すぎるでしょ」
 なんて言いながら二人も、前方に歩く生徒たちと同じ速度で歩いている。

「小葉さんは、この距離どう思います? 私も遠いとは思いますが」
 二百間は、私も遠いとは思う。けど、汽車が止まる以上、音とかの問題あると思うと仕方ないと飲み込める。文句はあるだろうけど、私は住む場所近くでこんなガタンゴトンされたら、嫌だ。
「理由があるなら、仕方ないんじゃない?」
 と答えた。

 鳩さんは何も言い返せないような顔で、「ですけども」と困ってしまった。
「でも、歩くの楽しい。あと楽しみは取っておいたほうが後々もっと楽しい」
 

 華やかで、潤った時間。木々の隙間から、雨粒みたいに漏れた光。森という森は深く迷いそうな色をしている。ただ怖い糸を纏い、只管に生きている。
 楽しい気持ち。私は笑っていた。
「私も歩くの好き。贈り物の小包を開けるみたいな」
 鼻で笑われたって良い。ただこの焦れったさが、かえって心地良い。それに胸を張る。

「うちは歩くのそこまで楽しくないんだけど」

「楽しい事は作るもの。世界を美味しく齧った者勝ち」

 必ずって言葉は好きじゃないけど、未来これからは必ず楽しい。私に映る景色は、そう見える。

 足を踏み込んだときだった。肩に何か大きな物がぶつかったかと思えば、闇雲を見ている。煌めく砂、騒いだ声。

 人語を忘れて騒ぐ鳩さん。私を仰向けに転がし肩を叩き、小梅さんは私の名前を叫ぶ。その後ろでアタフタしている小雪ちゃんは、結局、私の手を握って落ち着いている。
「小葉! 聞こえる!? 聞こえるなら何かしらで返事して!」

 大丈夫。聞こえてるよ。

「駄目だわ。目は開いてるけど気を失ってる。鳩、医者呼んで、早く」

ぽぽぽ!分かりました!
 不恰好な羽音。歪む視界。

 太陽の光がやけに眩しい。声は出ていないみたい。
 陽の光は、燃やすように暖かい。木漏れ日すら体を蝕むよう。

 小梅さんは、私の目を手で覆う。けど、直ぐにその手をどけた。
「瞳孔反応あり。触って分かるってことは血圧許容内、心拍九十六。息正常。今のところ大丈夫だろうけど、油断はできないわね。小雪、医者が着くまで後何分?」
「あわわ待って、澄んだ空の微笑みに、世界見せかいみ。多分三分後。鳩さんが二分後に診療所に着く」

 二人は、私に触れたまま話している。焦って感じを漂わせながら。
「わかった。呪文、欠けてはならない一片に、貴方の役目の困り事。治癒」

 視界が赤い。体は布団にでも包まれたかのような心地よさ。でも体は動かない。目すらも硬直している。
 小雪たちゃんはお召し物が汚れても構わないと地べたに座り、私の太腿に触れ泣き出しそうな声色。鼻もすすっていた。小梅ちゃんは、落ち着いて私の事をじっと見ている。

 人が自分に悲しむのは、嫌いだ。当事者はどんな顔をして良いのかなんて分からない。この時間が早く終わってほしいとも思うし、でもこの人の温もりを感じていたいと思う。私って我儘なのかな。なんだって良い。

 雪のような太い糸が見えた。一瞬にして張られたそれは、その糸末の空間を歪ませ三人と二匹を連れてやってきた。

「大丈夫でしょうか!?」
 聞き慣れない女性の声。
「小梅様。最寄りの診療所医師、島柄長さんです」
 慌てた鳩さん。

夢帆ゆほさん、身体確認を。稲帆いなほさんは転移の準備、華帆かほさんは担架の展開と搬送準備。自己紹介は後です。お二方は、担架の手伝いをお願いします。私は、術で応急処置をします」

 複数の足音、ざわめく葉音みたい。その中知らない声が四つ。

「祝詞、生きた意味の色合いに、恵み与える独り言。診断と治療」

 私は、その後の記憶がない。

 気付いた頃には、知らない天井を仰ぎ、手に人肌の温もりがあった。目を開いても、靄越しみたいに見えない。ホンワカした輪郭と、白っぽい色。ひどい頭痛もする。冷や汗が背中を流れる感覚。自分がどの方向で、どんな体制で寝ているかもわからない。その中で、鋭い刃物のように音だけは、はっきり聞こえる。
「術の使いすぎによる全身の神経炎症だと思います。このまま術を使っては、脳を含めた臓器不全で死んでしまうところでしたが、もう安定したみたいですのでひとまず安心ですね。良かったです」
 白い綿みたいな、雪玉みたいな小鳥が、私の耳元で丸くなっている。

「所でお二人さん、この子が術を使ってる所見ました?」
「小雪しらない」
「無詠唱で縁切りの術を使ってたと思います。うちが見た範囲だけど」

 凍った隙間風、滞るような空気感。鈍く重い水銀のようだ。
「縁切りの術、この子の色は緑色ってことです?」
「そうです。緑色です。力を真似たんですけど、糸が見えたので」
「小雪も緑だと思う。小雪も緑見た」

 白い雪玉は、私の胸元に飛び乗り、ぴょんぴょんしている。
「ずるいです。縁切りの術を無詠唱で使えるって、とんだ才能ですよ! 私にもその才能をください。あとこの大きな胸も」

 妬みだった。でも、その心に嫌味はなく純粋な声色。

「胸は認めるわ。でも貴方は鳥だからそもそも無いでしょ」
「あ、言われてみれば、そうでした」
 額に手を当て、「大丈夫なのこの医者」と苦言をもらした小梅さんが見える。でも、重いから正直切り落としたいとは思っているけれど、小梅さんとか小雪ちゃんぐらいの大きさが一番扱いやすいから私も羨ましい。

「小雪、小葉の胸柔らかくて好き。小梅ちゃんのも好き」
「慰めになってないわよ小雪。はぁ」

 いつの間にか、和やかな空気に変わった部屋。ただ少し妬みが飛び交っている
けど、変わらずそれに憎みはなく美しいと感じる。聞いていて落ち着く。
 こうも羨ましいと言われたら重いけど、なんだか嬉しくなってくる。いいだろ。デカいだろ。もっと羨ましがれ。
 
 そんな時間が過ぎ、徐々に体が言うことを聞くようになってきた頃、薄明かりの中、誰かが歩いてくる音が聞こえてきた。周りには誰もいなく、ガランとした和室。徐々に足音が近づいてくけども、なんだか誰も居ない部屋は寂しく感じる。
 調子の良い足音。それは、一番音が大きくなって鳴り止む。ふすまが滑る音。
「動けるようになってのね。良かった」
 
 湯気が立ち上る大きめの御椀の乗ったおぼんを持って、小梅さんがふすまを閉める。すると香ってくる甘やかなお米の匂いと塩の香り。
「お粥持ってきたわよ。今日あんなものしか食べてないでしょ」

「ありがと。迷惑をかけて」
 身を起こしすと小梅さんの緩んだ表情が見える。どこか、お母さんみたいな風貌に違和感を覚える。なんで今日会ったばかりの私に優しくするのかがわからない。警戒してもいいはずなのに。
「人間は迷惑を投げ合う生き物なのよ。それに違和感を覚えるなら、より多くの迷惑を受け入れれば良い話」
 お粥を掬ったさじ(スプーン)を私に向けて、そう微笑えんだ。

 眠る空の下、月光という光が蔓延る冷淡な世界の秩序。口に運ばれたいつもと違うお粥。仄かな塩と、お米の甘さ。咀嚼する必要すらない程にゆるい。
「ごめんね。ちょっとシャビシャビよね。小雪が水の分量間違えたのよ。噂をすればなんとやら」
 駆けるように狭い感覚の足音。豪快にふすまを開け小雪ちゃんが顔を出した。でもその顔に表情がない。でも、口の端にお弁当がついている。
「でら難しかった」
 とだけ言い残し、ふすまを閉じ、去っていく。そんな小雪ちゃんに、溜息を吐き「食べている最中なのに、何やってるのかしら」と、小言をつぶやく。
 
 日常とかけ離れた愉快な今日。それが日常になると思うと、嬉しくなってくる。少し巫山戯たふざけた小雪ちゃんを、叱る小梅さんが目に浮かぶ。
「小梅さんって、面倒見いいね」

「そうかしら、ただ意味もなく自分のできる事をやってるだけよ。あと、呼び捨てでいいわ」
 困りつつも、口角の上がった小梅は、照れ隠しのように私の口に粥を運んだ。
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