7 / 15
7.結局出前を取ることにした。
しおりを挟む
最近は、こんな地方都市でもスマホ一本で、気軽に飯を届けてくれる。良い世の中だ。
配達人から飯を受け取って、部屋の中の二人に渡す。
「私が作るのに、私が作るのに」
菜野葉ちゃんはハンバーガーを食べながらぶつぶつ言ってる。
「うまいうまい」
女神ちゃんはバクバク、ハンバーガーを頬張っている。
僕は二人を見つめながら、二人の事を思案する。
「君達、これ食べたら帰りなよ」
そう言ったら、二人ははぁ?と言いたげな顔で僕を見た。
「何で?」
「何でって、おうちの人が心配しているよ?」
「だから、そんなもの無いってば、救世主様」
菜野葉ちゃんはぷんすか怒った。
「そうそう、私達は女神と魔法少女。親なんていませんよ」
女神ちゃんは、ポテトをムシャムシャ頬張りながら、言った。
「親が居ない?それはどういう事かな?君たちは、木の股か何かから生まれたという事かな?」
「私は女神だから女神に親なんているものじゃないし、まどかは私が魔法力を授けた瞬間から、人間じゃなくなり、魔法少女になりました。魔法少女に親なんてありませんから、救世主様は何も気を使う事無いですよ。」
「気を使う事無いって・・・、菜野葉ちゃんは、元は人間なのかい?」
「そうだよ、人間だったよ、でも、救世主様を助ける為に、女神様と契約して、魔法少女になったの。」
「へえ・・・」
だから、私に頼ってね、と言って菜野葉ちゃんは胸を張った。
「何で僕を助けるんだ?」
「そりゃあ、救世主様の為よ」
「わざわざ?他の人に任せれば良いじゃないか、こんなおっさんを助ける仕事を引き受けなくとも」
「そんな事無い!」
菜野葉ちゃんはばしんと机を叩いた。
「救世主様は私の大切な人だもの!助けるわ!」
そう言って、真剣な眼ざしを、菜野葉ちゃんに向けられてしまった。
こんな女の子に大切な人なんて言われるのは、彼女居ない歴=年齢。異性の無縁な人生を歩んだ俺にとって、人生初経験だ。しかし、胸は高鳴らなかった。
大切にされる根拠が無いからだ。
「もしかして、君と僕、どこかで出会ったりした?」
「ううん、これが初対面よ」
「何で、君に大切な人呼ばわりされる理由が思いつかないんだけど」
「理由なんて無いわ。分かるもの、救世主様が私の大切な人だって、だから、私、女神様と契約して魔法少女になったの」
僕を見据える菜野葉ちゃんの目は、うるうる輝いていた。まるで、憧れていふものを見る目だった。
「だから、何にも気にする事ないのです、救世主様。私達に守られて、一緒に生活するだけで良いのです。そうすれば、世界は救われるんですから」
そう言って女神ちゃんはナゲットを頬張った。
「そういうものなのか?」
「うん」
困惑するしか出来ない僕に、菜野葉ちゃんは、笑顔を浮かべているのだった。
配達人から飯を受け取って、部屋の中の二人に渡す。
「私が作るのに、私が作るのに」
菜野葉ちゃんはハンバーガーを食べながらぶつぶつ言ってる。
「うまいうまい」
女神ちゃんはバクバク、ハンバーガーを頬張っている。
僕は二人を見つめながら、二人の事を思案する。
「君達、これ食べたら帰りなよ」
そう言ったら、二人ははぁ?と言いたげな顔で僕を見た。
「何で?」
「何でって、おうちの人が心配しているよ?」
「だから、そんなもの無いってば、救世主様」
菜野葉ちゃんはぷんすか怒った。
「そうそう、私達は女神と魔法少女。親なんていませんよ」
女神ちゃんは、ポテトをムシャムシャ頬張りながら、言った。
「親が居ない?それはどういう事かな?君たちは、木の股か何かから生まれたという事かな?」
「私は女神だから女神に親なんているものじゃないし、まどかは私が魔法力を授けた瞬間から、人間じゃなくなり、魔法少女になりました。魔法少女に親なんてありませんから、救世主様は何も気を使う事無いですよ。」
「気を使う事無いって・・・、菜野葉ちゃんは、元は人間なのかい?」
「そうだよ、人間だったよ、でも、救世主様を助ける為に、女神様と契約して、魔法少女になったの。」
「へえ・・・」
だから、私に頼ってね、と言って菜野葉ちゃんは胸を張った。
「何で僕を助けるんだ?」
「そりゃあ、救世主様の為よ」
「わざわざ?他の人に任せれば良いじゃないか、こんなおっさんを助ける仕事を引き受けなくとも」
「そんな事無い!」
菜野葉ちゃんはばしんと机を叩いた。
「救世主様は私の大切な人だもの!助けるわ!」
そう言って、真剣な眼ざしを、菜野葉ちゃんに向けられてしまった。
こんな女の子に大切な人なんて言われるのは、彼女居ない歴=年齢。異性の無縁な人生を歩んだ俺にとって、人生初経験だ。しかし、胸は高鳴らなかった。
大切にされる根拠が無いからだ。
「もしかして、君と僕、どこかで出会ったりした?」
「ううん、これが初対面よ」
「何で、君に大切な人呼ばわりされる理由が思いつかないんだけど」
「理由なんて無いわ。分かるもの、救世主様が私の大切な人だって、だから、私、女神様と契約して魔法少女になったの」
僕を見据える菜野葉ちゃんの目は、うるうる輝いていた。まるで、憧れていふものを見る目だった。
「だから、何にも気にする事ないのです、救世主様。私達に守られて、一緒に生活するだけで良いのです。そうすれば、世界は救われるんですから」
そう言って女神ちゃんはナゲットを頬張った。
「そういうものなのか?」
「うん」
困惑するしか出来ない僕に、菜野葉ちゃんは、笑顔を浮かべているのだった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる