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10.自称妹はポロポロと泣いていた様だったが、とにかくは泣き止みなだめすかせられた様だった。

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「・・・大丈夫か・・・?」

と聞くと

「大丈夫だよ」

と声を震わせて自称妹は言った。

「・・・悪かった。不安にさせて。ただ、まあ、僕も突然妹が出来た様でびっくりしちゃって。悪かったよ。」

僕はぺこぺこと自称妹に頭を下げるのだった。何で僕が頭下げてるんだか。

「あ、あの・・・。私、私ね。お兄ちゃんにとって・・・邪魔・・・ですか・・・? 」

と自称妹はおずおずと言った。

「はっ?」

「だって、だって、知らない人が急にあなたの妹だ、なんて言ってやって来たら、困っちゃうよね・・・。」

いやまあ、困ると言えば困るんだが、率直にそんな事言えないし。

「・・・ごめんなさい・・・わがまま言って・・・」

と自称妹は歯をカチカチ震わせながら言った。

「いや、いいんだ。お互い混乱してるみたいだし。」僕は自称妹を宥めすかせてやった。

「私・・・迷惑・・・ですよね?」

おずおずと自称妹は口を開いた。

何故敬語?

「ごめんなさい。お兄ちゃん、私、私。お兄ちゃんは私の事迷惑と思っているよね?・・・当然だよね。私、お兄ちゃんと面識無い事になってるし」

うん、そうだね。と言ってやりたいが言うわけにもいかない。

「いやー、こんな学生の子が困っているのは忍びなく思ってるよ。たははは・・・」

「・・・・・・」

自称妹は僕を疑惑に満ちた目で見ている。

「・・・私・・・、出ていきますね・・・」

自称妹は決心した様に、されど歯をかちかち震わせて言った。

「はあ?」と僕は思わず驚いた。

「だって、だって、お兄ちゃん、私の事邪魔だと思ってるみたいもん。・・・迷惑はかけたくないから・・・。」

「お、おい」

自称妹はドアに駆け寄り

「それじゃあ!」

と言って出ていってしまった。

・・・一体・・・何なんだ・・・。のだ。
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