酒気帯び詩集

酒場の片隅

捻くれた幸運に愛想が尽き果て、隣の酒場へ走ってゆく。
猫背が走った！猫背が走った！
少年少女の嘲笑はクレッシェンドを経て爆発音へ。
この身が遊びの種になればいい。
道の向こう側を恐れ、地獄から天国に手を振り、犬より猫と騒ぎ立てる私。
燃え尽きた瓶が転がる私の部屋を想像すると、燃え上がる私の姿がある。
凍りついた近未来の日本を想像すると、やはり燃え上がる私の姿がある。
足を止めるな。足を止めるな。
私の内臓は美しく、明日の朝も燃え上がっていることを望んでいる。
少年少女の哀愁と、病院の窓に張り付いた蝶の涙を、全て私が飲み干そう。
静かな酒場の片隅で、全て私が飲み干そう。