少女達の日常

ガル

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もう一回開けれたよ

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トントントン
リズムよく金槌で叩く音が聞こえる。
音の正体は長女が平賀が縁側で落ちて開けてしまった穴を何とかするために、板を張り替えているのである。ついでのおまけでにゃーもいる。
「お姉さま穴を開けてしまってほんとーにごめんなさい!」
ひとしきり「太ってません」と叫ぶだけ叫んで気が済んだ平賀が謝る。
長女は「そんなこときにしてないよ」ーと言いたそうな顏をして平賀を眺める。
「そ、そうです。お茶を一杯どうですか?疲れたと思いますし」
そう言うと平賀は台所へお茶を汲みに行った。
「・・・続けようか」と言いたげな様子で作業を続けていく。
トントントン、カンカンカンとリズムよく金槌で叩く音や合いの手を叩くようにドテッと転ぶ音が聞こえる。余談だがこの家は長女自らが建てた家なので板の張り替えぐらい簡単なお仕事なのである。まぁ、いくら簡単でも何個もあるとめんどくさいのだが…。
 しばらくして縁側の穴の板の張り替えが終わりかけてきた頃に平賀がお茶が入った湯吞みを二つお盆に乗せてきた。
「お姉さまー、お茶を持ってきm
バキッ
なぜか先程も聞いた音が響いた。
そうである、平賀がまたやったのである。また縁側に穴を開けたのである。
「な、なんでまた穴が開くんですかー!!」
さっきも見た光景だ。
「太ってませんからからあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
泣いても仕方がない。穴は開いてしまったのだ。
さあ、長女よ追加の仕事だ。がんばれ。


さて、平賀の名誉の為にここでお話をさせてもらう。実際のところ平賀は太っていない。ただ、少し筋肉がついてきたり胸が少し大きくなったりしただけである。だから平賀は太ってないと覚えていて欲しいと思う。
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