さればこそ無敵のルーメン

第二十九話

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　村長宅で一泊したテルラ達は違和感に襲われていた。
　夜明けと共に朝食の準備を進めたのだが、人の気配が無い。村に人が居ないのは分かっているが、それにしては静か過ぎる。
　井戸を探して屋敷中歩き回ったのに、ルーメンやカゲロウが起きて来ないのもおかしい。
「テルラ、こんなのを見付けたっス」
　無意味に屋敷内を探索していたプリシゥアが一通の封筒を見付けた。
　宛名はテルラくんへと書いて有る。
「どこでこれを？」
「隠された階段の上に有った二階の狭い部屋っス。家具の配置が偉い人のソレっぽかったっスから、ルーメンの部屋じゃないっスかね。ただ、荷物らしい物は一個も無かったっス」
　嫌な予感がしたので、テルラは封筒を開いた。

『鎖国しているリビラーナ国は物資不足になり易いので、
　外国との窓口になっているこの村は維持しようと思いました。
　しかし、村人が居なくなってしまいましたので復帰は難しく、
　一晩考えましたが、私はリビラーナ国内に戻る事にしました。
　それを伝えるとテルラくん達も付いて来ると言い出しかねないので、
　こっそりと帰る事にします。
　ごめんね』

　手紙を読み終えたテルラは、プリシゥアと目を合わせた。
「……どうしましょう」