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第二十四話

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「大丈夫ですか? テルラ。背中が寂しそうですが」
 仕留めた犬の様な動物を持ったミマルンが林の向こうから帰って来た。
 テルラは振り向きながら立ち上がり、波打ち際から離れる。
「正直途方に暮れていましたが、大丈夫です。で、どうでしたか? ミマルン」
「隅々まで見て回る時間は有りませんでしたが、まず間違いなく無人島ですね。森の木々を燃料にした形跡が有りませんし、水源に加工や細工の跡も見られませんでした」
「そうですか……。水源が有るなら、海水に浸かった服を洗えますね」
 持っていた動物を砂浜に置くミマルン。首が割かれていて、血抜きが終わっている。
「ペットでおなじみの小動物が野生に帰っているので、事故か何かで船から落ちた荷物が良く流れ着いていると思われます。取り敢えず、飢えと渇きの心配は無いでしょう」
「海岸にゴミが全然有りませんから、流れ着くのは稀ではないでしょうか。でも、流された僕達がこうして辿り着いたので、自力で泳げる動物なら来られるのかも知れません」
「そうですね。――他の三人ですが、どうでしたか? まぁ、テルラの背中が物語っていましたが。居ませんでしたか」
「……はい。でも島を一周した訳ではありませんので、反対側に居るかも知れません。希望はまだ有ります」
「そうですね。島ではない可能性も有りますので、探索は万全の体調で望みましょう」
「はい。さて、日が沈む前に調理を始めましょう。これからを考えるのはお腹を満たしてからにしましょう」
 テルラは物干しロープの方に行く。砂浜なので歩き難く、姿勢の悪い中腰気味になる。
「ミマルンには動物を狩って来て頂きましたが、保存食の半分が海水に浸かってふやけてしまいました。日持ちしなくなったので、そちらを早めに食べないといけません」
「あら、そうでしたか。まぁ、体力を回復させるためにお腹いっぱい食べるのも良いかも知れませんね。この犬は明日の朝ごはんにしましょう」
 テルラは、テントが乾いたかどうかを確かめながら頷いた。少し湿っているが、設営に支障が出るほどではない。
「では、薪を拾いに行きましょう。ただ、今回はワザと生木を混ぜましょう」
「なぜです? 煙が凄い事になりますよ?」
「それが狙いです。王女であるレイが行方不明だとなれば、定期船が方々に連絡して探索を始めるはず。それに対するのろしになればと。海賊が来るかも知れませんが、救助が無いよりマシです」
「なるほど。でも、生木は調理後にしましょう。煙い中で調理はしたくありませんから」
「あはは、そうですね」
「では、テルラは薪拾いと食べる保存食の準備をお願いします。私は水を汲んで来ます。私の水筒だけでは足りないかも知れないので、テルラの水筒をお借りしますね」
「助かります。実は、海水が染みて飲めないかなと心配していたので」
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