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第二十二話
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半島行きの船に乗るには、一旦北に有る港町に行く必要が有る。地理に詳しいプリシゥアが言うには歩きで二,三日の距離らしく、そこまで遠い訳ではない。天気が崩れそうな雲の流れではないし、時間の余裕は有る。
「ミマルンは二日酔いですし、補給したら宿に戻りましょうか。出発は明朝と言う事で」
「そこまで気を使って頂かなくても大丈夫ですよ、テルラ。すぐ出発出来ます」
「公爵様のお宅に行っていた二人は知らないでしょうが、下町は今朝から大騒ぎなんです。旅人向けの買い物が出来るところは下町にしかないそうで、望む通りに出来るかどうか分かりません。なので、そう判断しただけです。お気になさらず」
「大騒ぎ? 事件ですの?」
肩に緊張を込めたレイだったが、プリシゥアは気楽な声で手の平を横に振った。
「いや、ゴールドグラス名物のお祭っスよ。金山の神様を祭る、季節の祭っス。レイなら知ってるっスよね?」
「ああ、聞いた事が有りますわ。金を掘るために山を削っているので、山の恵みが減る。なので、それを補充するために人の手で果物を育て、果実酒や果物料理を作り、山奥の神殿に奉納する。でしたかしら」
「それっス。今では観光客向けのお祭になってるんで、下町のあちこちで果物の準備がされてるって訳っス。観光客が減ってるんで大人しくなるかとも思ったスが、子供達も飲み食いするんで、規模は変わらないみたいっスね。だから大騒ぎっス」
「なるほど」
「そう言う訳で下町の人通りが多いので、街中ですが警戒します」
レイとミマルンが納得したので、テルラが隊列の指示を出す。
いつも通り、レイとミマルンが先頭。
プリシゥアがしんがり。
テルラとカレンはそれらに挟まる形。
「宿も下町にしかないですから、補給が済んだら速やかに戻ります。こっち側に戻る予定は無いですけど、大丈夫ですか? 公爵様のお宅に忘れ物や用事は有りませんか?」
「大丈夫ですわ。ね? ミマルン」
「はい。問題有りません」
テルラ一行は通用口を潜って下町に行く。
祭の準備のせいで果物の甘い香りが下町全体を覆っていて、観光案内の押し売りをされる事が無かった。
「ミマルンは二日酔いですし、補給したら宿に戻りましょうか。出発は明朝と言う事で」
「そこまで気を使って頂かなくても大丈夫ですよ、テルラ。すぐ出発出来ます」
「公爵様のお宅に行っていた二人は知らないでしょうが、下町は今朝から大騒ぎなんです。旅人向けの買い物が出来るところは下町にしかないそうで、望む通りに出来るかどうか分かりません。なので、そう判断しただけです。お気になさらず」
「大騒ぎ? 事件ですの?」
肩に緊張を込めたレイだったが、プリシゥアは気楽な声で手の平を横に振った。
「いや、ゴールドグラス名物のお祭っスよ。金山の神様を祭る、季節の祭っス。レイなら知ってるっスよね?」
「ああ、聞いた事が有りますわ。金を掘るために山を削っているので、山の恵みが減る。なので、それを補充するために人の手で果物を育て、果実酒や果物料理を作り、山奥の神殿に奉納する。でしたかしら」
「それっス。今では観光客向けのお祭になってるんで、下町のあちこちで果物の準備がされてるって訳っス。観光客が減ってるんで大人しくなるかとも思ったスが、子供達も飲み食いするんで、規模は変わらないみたいっスね。だから大騒ぎっス」
「なるほど」
「そう言う訳で下町の人通りが多いので、街中ですが警戒します」
レイとミマルンが納得したので、テルラが隊列の指示を出す。
いつも通り、レイとミマルンが先頭。
プリシゥアがしんがり。
テルラとカレンはそれらに挟まる形。
「宿も下町にしかないですから、補給が済んだら速やかに戻ります。こっち側に戻る予定は無いですけど、大丈夫ですか? 公爵様のお宅に忘れ物や用事は有りませんか?」
「大丈夫ですわ。ね? ミマルン」
「はい。問題有りません」
テルラ一行は通用口を潜って下町に行く。
祭の準備のせいで果物の甘い香りが下町全体を覆っていて、観光案内の押し売りをされる事が無かった。
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