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第十一話
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女魔法使いの話を聞き終えた一行は、病院近くの定食屋でお昼にした。ここでのお代は軍が持ってくれると言われたので、好みに拘らずに量を重視したメニューを注文した。
「フフ。レイとカレンもいっぱしの旅人になって来たじゃないか」
グレイが冷やかすと、レイは澄ました顔でお冷を飲んだ。
「城の外でお行儀良くしてもお腹は膨れない事を、さすがに学びましたからね。旅先では質より量です」
「だよねー」
カレンが同意して笑うと、他のみんなも笑った。
「さて。国境に行くかこのまま折り返し帰るかの判断は、我々に任されました。ハンターとして相談を始めましょう。何か意見が有る人は居ますか?」
テルラが表情を引き締めて言ったので、仲間達も仕事モードに入った。
「俺の意見は一貫している。金になるなら行く。待っているのは魔物の大群と言う話だから、報酬は破格になるだろう。上手く行けば大儲けだから、危険でも行きたい」
と、グレイ。
次に口を開くのはレイ。
「我が国の事を考えるのなら、魔物退治よりも先に王子をなんとかしないといけないと思います。さきほどジェイルク様とお話しましたが、わたくし達が編み出した不死の魔物を退治する方法を試す準備が整っているとの事です。このふたつの事から、わたくしは無理に国境越えをする必要は無いと思いますわ」
「カレンとプリシゥアはどうですか?」
テルラが話を振ると、注文していた定食が運ばれて来た。
人数分の食事がテーブルに並ぶのを待ち、店員が去って行くのを見ながら応えるカレン。
「うーん、そうだなぁ。あの魔法使いがした『彼女』の話には同情するよ。王子がやってる行動も、事情を知ったら分からなくもない。でも王子は人を平気で殺してるって話じゃない? だから、レイと同じく王子の方を何とかしないとって思う。ただ、それはハンターが心配する事かな」
「魔法使いの話は王子が仕込んだ嘘で罠の可能性も有るっスから、王子は隣国に任せてこのまま帰るのが安全だと思うっス。でも、不死の魔物を確認しないで帰ったら女神に失望されるかも知れないっスから、現地の様子を見るのも必要かなって思うっス」
「確かにプリシゥアの言う通りですね。女神ティングミア様はご不在らしいですが、だからこそ妹のオグビア様が我々をご覧になっている可能性は有ります。さすが僧兵のプリシゥアは信仰心に篤いですね」
テルラが褒めると、プリシゥアは照れ隠しにフォークを持った。
「いやぁ、信徒として当然っス。で、テルラはどう考えてるっスか?」
「僕もグレイとは別の方向で一貫しています。不死の魔物が居る可能性が有るのなら、左目で見て確認します。それが僕の役目ですから。――では、全員の意見を聞いたところで、リーダーとして、これからどうするかを考えます」
一旦目を瞑って思考を巡らせたテルラは、頷いてから口を開く。
「みなさんの意見を纏めると、隣国の要塞が見える地点まで行く事になりますね。王子をなんとかしないといけないと言うレイの発言も、王子が関わっている恐れが有る現場に行かないとどうにも出来ませんからね。僕のガーネットの左目で要塞を見れば潜在能力を持った存在を確認出来ますから、王子がまだそこに居るなら見えるかも知れません」
レイを見るテルラ。
銀髪美女は無言で頷く。
「王子と不死の魔物の存在を確認した後にどう動くかは、現場の状況を見てからでしか判断出来ないと思います。――どうですか? みなさん」
「異議無し」
カレンが右手を上げると、他の仲間も片手を上げて賛同した。
「では、援軍に便乗して国境の街まで行きましょう。話が纏まったところで、いただきましょう」
「いただきます」
「フフ。レイとカレンもいっぱしの旅人になって来たじゃないか」
グレイが冷やかすと、レイは澄ました顔でお冷を飲んだ。
「城の外でお行儀良くしてもお腹は膨れない事を、さすがに学びましたからね。旅先では質より量です」
「だよねー」
カレンが同意して笑うと、他のみんなも笑った。
「さて。国境に行くかこのまま折り返し帰るかの判断は、我々に任されました。ハンターとして相談を始めましょう。何か意見が有る人は居ますか?」
テルラが表情を引き締めて言ったので、仲間達も仕事モードに入った。
「俺の意見は一貫している。金になるなら行く。待っているのは魔物の大群と言う話だから、報酬は破格になるだろう。上手く行けば大儲けだから、危険でも行きたい」
と、グレイ。
次に口を開くのはレイ。
「我が国の事を考えるのなら、魔物退治よりも先に王子をなんとかしないといけないと思います。さきほどジェイルク様とお話しましたが、わたくし達が編み出した不死の魔物を退治する方法を試す準備が整っているとの事です。このふたつの事から、わたくしは無理に国境越えをする必要は無いと思いますわ」
「カレンとプリシゥアはどうですか?」
テルラが話を振ると、注文していた定食が運ばれて来た。
人数分の食事がテーブルに並ぶのを待ち、店員が去って行くのを見ながら応えるカレン。
「うーん、そうだなぁ。あの魔法使いがした『彼女』の話には同情するよ。王子がやってる行動も、事情を知ったら分からなくもない。でも王子は人を平気で殺してるって話じゃない? だから、レイと同じく王子の方を何とかしないとって思う。ただ、それはハンターが心配する事かな」
「魔法使いの話は王子が仕込んだ嘘で罠の可能性も有るっスから、王子は隣国に任せてこのまま帰るのが安全だと思うっス。でも、不死の魔物を確認しないで帰ったら女神に失望されるかも知れないっスから、現地の様子を見るのも必要かなって思うっス」
「確かにプリシゥアの言う通りですね。女神ティングミア様はご不在らしいですが、だからこそ妹のオグビア様が我々をご覧になっている可能性は有ります。さすが僧兵のプリシゥアは信仰心に篤いですね」
テルラが褒めると、プリシゥアは照れ隠しにフォークを持った。
「いやぁ、信徒として当然っス。で、テルラはどう考えてるっスか?」
「僕もグレイとは別の方向で一貫しています。不死の魔物が居る可能性が有るのなら、左目で見て確認します。それが僕の役目ですから。――では、全員の意見を聞いたところで、リーダーとして、これからどうするかを考えます」
一旦目を瞑って思考を巡らせたテルラは、頷いてから口を開く。
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「王子と不死の魔物の存在を確認した後にどう動くかは、現場の状況を見てからでしか判断出来ないと思います。――どうですか? みなさん」
「異議無し」
カレンが右手を上げると、他の仲間も片手を上げて賛同した。
「では、援軍に便乗して国境の街まで行きましょう。話が纏まったところで、いただきましょう」
「いただきます」
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