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第七話

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 定食屋でお昼ご飯を食べたテルラ達は、午後から何をしようかと考えていた。
 こまめに役所に行って仕事を探しているグレイと、部屋に籠って何やら考え込んでいるカレンは忙しそうだが、それ以外の三人は退屈で仕方がない。
「みなさん! リトンの街から連絡が来ましたよ!」
 なので、玄関先で三人の帰りを待っていたシスター・トキミの言葉に過剰に反応してしまった。
「本当ですか?」
 トキミの前に立ったテルラは満面の笑顔だった。
 その顔を見たトキミも釣られて嬉しくなった。
「はい! 教会の魔法ネットワークではなく、なぜか郵便での連絡でした。だから遅れたんですね」
 トキミから封筒を手渡されるテルラ。確かにリトンの街の大聖堂を表すハンコで封緘がされている。
「まだ開けてないんですね」
「はい。ウチの教会宛ですが、実際はテルラパーティ宛ですからね」
「リトンの街に行くっスか?」
 テルラの横に立ったプリシゥアも封筒に視線を落とす。
「待ってください、今開けます」
 封を開けたテルラは、波の模様で縁取られた便箋に目を通した。
「要点だけ読みますと、街の悪い噂が外部に漏れると都合が悪いので詳細は書けないが、倒したはずの魔物が何度も復活している。ダンダルミア大聖堂から不死の魔物の情報提供を要請されたので仕方なく連絡したが、外部からの戦力派遣は不要、との事です」
「露骨に歓迎されてないっスね。それでも行くんスか?」
「他に不死の魔物の情報が無い以上、行くしかないでしょう。それに、この書き方だと、勇者やハンターに対処の依頼をしていない可能性が有ります。もしそうなら、不死の魔物を退治出来る僕達が何とかしないといけません」
「じゃ、旅立ちの準備を始めないといけないっスね。カレンは二階に居るっスが、グレイとレイは外っスね。保存食の買い込みついでに探して来るっス」
「手分けして探しましょうか」
「いや、テルラはカレンと一緒に荷物のチェックをするっス。レイはターニャの家を覗いているっスから、グレイの方を探せば良いだけっス。こっちは私がやるっス」
「ターニャって、あの子犬の飼い主になったあの子ですか? なぜ?」
「なんか、犬の躾に興味が有るとか言ってたっス。迷惑になるからこっそり見ているっス」
「こっそりって、のぞき見をしているって事ですか? 一国の王女がする事ではないのでは……」
「大丈夫っス。ターニャの許可は取ってあるっスから。なら堂々と見れば良いと思うっスが、関係無い人が居ると犬の気が散って躾にならないそうなんで、しょうがないんスよ」
「ならしょうがないですね。では、迎えに行ってください。僕の方も、荷物のチェックが終わったら、ゾエに旅立ちの挨拶をして来ます。明日一番で旅立つので、いつもより早めに朝食を作って頂かないといけませんから」
 トキミに礼を言ったテルラとプリシゥアは、明日の旅立ちに向けて準備を始めた。
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