ミーナは糸を紡ぐ
ここは中世ヨーロッパに似た世界。男も女も家のために生きるのが当たり前だった時代。
貴族の妾の子として育った15歳のミーナ(本名:ウィルヘルミーナ)は、幼い頃憧れた10歳年上の青年貴族イェルクの元へ嫁ぐ。
しかし、結婚生活の最初から夫婦はすれ違い、ろくに顔を合わせない日々を送る。
ミーナは、嫁ぎ先のしきたりで、亜麻や草木染め用の植物を育て、糸を紡ぐ日々を過ごす。
こんな暮らしは、それまで過ごしてきた修道院暮らしと変わらないと、ミーナは嘆くが…。
ミーナの「これまで」と「これから」を濃密に描いたひたむきな恋愛小説+ひとりの女性の半生を写実的に描きつつ、戦や人種差別、性差といった問題を扱う重奏的ファンタジー。
本編50話、番外編13話。
注1:作中で描かれる糸の紡ぎ方、糸や布の染色方法、布の織り方は、現在もしくは過去の日本や中世ヨーロッパで行われた方法を参考にしていますが、実際とは異なる方法を含むフィクションです。
参考文献
ミーナは糸を紡ぐ 参考文献一覧|田原更 (note.com)
https://note.com/kou_tahara82/n/nd7957284ff55
注2:18歳未満の女性の結婚と性を扱うストーリーのため、また、現代の価値観では残酷と思われる描写があるためR15指定しています。
表紙イラストはめだ太郎様に依頼して描いていただいたものです。
貴族の妾の子として育った15歳のミーナ(本名:ウィルヘルミーナ)は、幼い頃憧れた10歳年上の青年貴族イェルクの元へ嫁ぐ。
しかし、結婚生活の最初から夫婦はすれ違い、ろくに顔を合わせない日々を送る。
ミーナは、嫁ぎ先のしきたりで、亜麻や草木染め用の植物を育て、糸を紡ぐ日々を過ごす。
こんな暮らしは、それまで過ごしてきた修道院暮らしと変わらないと、ミーナは嘆くが…。
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注1:作中で描かれる糸の紡ぎ方、糸や布の染色方法、布の織り方は、現在もしくは過去の日本や中世ヨーロッパで行われた方法を参考にしていますが、実際とは異なる方法を含むフィクションです。
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ミーナは糸を紡ぐ 参考文献一覧|田原更 (note.com)
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読んでくださったのですね。それから返信までしてくださり、なんというか感無量です。
本当に勝手にすすめた本だったので、気に入ってくれたみたいでとても嬉しいです。
文章を読んで、私もこの本を読んでいた時の静かな感動というか、素晴らしい本に出会えた幸運、そういった気持ちを思い出しました。
さて、内省的、と何度も書いていらっしゃいますね。私はそこまではっきり言葉として意識していなかったですが、確かに「ミーナは糸を紡ぐ」と「鳴りひびく鐘の時代に」は、そのような類似点があったのかもしれませんね。
そうなると、もしかしたらこの本が、私と田原さんの作品を繋げたのかもしれませんね。
もちろんそれだけではないと思いますが、そう考えると面白いな、と思ったのです。
本当に、そう考えると面白いですね。
素晴らしい本を紹介してくださって、ありがとうございました。
ここ数日、作品を楽しませてもらいました。どこか懐かしいような世界観と文体で、なかなか重いテーマを扱っているな、と思いました。
ミーナの機織りは、未熟な彼女が成長して自分に向き合い、愛情や、この世にある悲しみや憎しみなどを学んでいくことと重ね合わせているのでしょうね。
染色のことなども、初めて知ることが多かったです。尿で発酵は、嫌ですね。
ミーナが苦労するのは、その生まれや彼女が未熟であることに加えて、現代的な価値観を持っているからだと感じました。
ミーナとイェルクの気持ちがすれ違う様子は、他人事とは思えないまま読んでいました。
人間ってほんのちょっとの誤解で、喧嘩をしてしまうものですよね。
なるべく、そうしないでいられるといいのですが。
それと、この作品を読んでいて、最近読んだマリアグリーペの「鳴りひびく鐘の時代に」をなぜか思い出しました。その作品は、もうちょっと硬い感じですが、もし読んだことがないなら、ぜひ、と思い、勝手ながら最後に紹介しておきます。
では、ありがとうございました。
yamatukaさま
『鳴りひびく鐘の時代に』を読み終わったので、改めて返信いたします。
ご感想ありがとうございます。アルファポリスで感想頂いたのは初めてで、感動しております。
ミーナについて、解像度高く捉えてくださってありがとうございます。とても嬉しいです。
自分軸で生きているところが現代的なのかもしれませんね。
「鳴りひびく鐘の時代に」については知りませんでした。古い作品のようですが、まだ出回っているようなので、今度是非読んで見ようと思います。
おすすめの本をご紹介いただき、ありがとうございました。
**************************************************************
以下追記
『鳴りひびく鐘の時代に』読み終わりました。
内省的でおよそ王に向いていないアルヴィドと、気高く利発なヘルゲ。
大人になると、こんなに深く、美しく、誰かと繋がることは恐らくできないでしょう。二人の繋がりが少しうらやましくもありました。
エンゲルケの愛と、エリシフの恋の描写も素晴らしくて、何よりとても美しかったです。
内面世界を丁寧に描いた、内省的なファンタジーでした。こんな表現があるのかと、驚かされることの多い作品でした。
実は、『ミーナは糸を紡ぐ』は、内省的なファンタジーを書こうと思って作った作品です。
ミーナが過去をたぐり寄せ、現在を見つめ、未来にたどり着くまでを書こうと思いました。
糸紡ぎ・染色・機織りはそのための暗喩でした。
この作品が内省的なファンタジーだということが伝わっていたならば、これほど嬉しいことはありません。
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