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第5話 スカウト
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魔技師、という職業がある。
魔力で動作する道具類──魔法道具──を製作・修復する者の事を指す。
僕が目指しているものだ。
魔法が使えない僕は、幼いころからこの魔法道具という技術に魅せられていた。
父が、母が、そして姉が操る魔法に憧れながらも、ままならない現実をそれに求め、紛らわせていたのだ。
……今にして思えば、あれは『逃げ』だったように思う。
だが、その出会いがどうあれ、僕はこれにのめり込むことで幾分救われていたのは確かだ。
魔法不感症である山人族が、魔法道具に惹かれるのと同じように、僕もこれに魅了されていった。
そして、その結果が……ここにある。
「すごいわ、ノエル!」
「思ったよりもうまくいった、かな」
うめく少年たちを注意深く観察しながら、僕は床に落ちた紙片を拾い集めて確認する。
どれもこれも、薄く焦げて脆くなっていた。
これは、僕が自分の工房で開発した【超小型魔法巻物】と呼ばれる魔法道具だ。
通常の魔法の巻物を最小最適化させ、親指ほどの大きさにまでしたもの。
父や母が当たり前に行う魔法の『無詠唱』を魔法道具で実現できないかと、研究した結果に生まれた代物である。
学園では、たまに実験用魔物が逃げ出すこともあると聞いて、念のために仕込んできたのだが……まさか、実用実験を人に向けて行うことになるとは思わなかった。
僕は、これを人に向けて使うつもりはなかったのだ。
だが、あの時……ギルバルトが姉に酷いことをしようとしていると理解した瞬間、肝が据わってしまった。
もし、【超小型魔法巻物】が上手くいかなかったとしても、もう一つ隠し持っている魔法道具を使って、彼らを躊躇なく殺してしまっていただろうと思う。
そうならなくて本当に良かった。
「これ、どうしたら?」
廊下は惨憺たる有様となってしまっている。
麻痺、頭痛、呼吸困難……そして、顔面骨折による気絶が一名。
幸いなことに今のところ死人はいないようだが、このままにしておいていいのだろうか。
それこそ、ここに脱走中の魔物でも通りがかったら事件になりそうなだが。
「放っておきましょ。何かあったとしても知ったことじゃないわ。学園ではよくあることだし」
「そうなの?」
「死ななかっただけましでしょ。もし死んでたら、黒の塔の連中がもう回収に来てるわよ。新鮮な死体は利用価値が高いもの」
聞いた通り、学園はぶっ飛んでいるらしい。
うめくゴロツキで埋め尽くされた廊下を後にして、階段へ向かう。
「それより、どこの派閥に入るか決めたの?」
「うん。『無色の派閥』に入りたいと思う」
「素敵ね。きっと父さんたちも喜ぶわ」
普通に魔技師を目指すのであれば、知識や魔法の探求に重きを置く『青の派閥』に入るのがいいとは思う。
されど、よく考えてみれば僕の目指すところは知識による『真理』への到達ではない。
人の役に立つ魔法道具を研究することだ。
そうなると、やはり意味合いは少し違ってくる。
その点、父の興した『無色の派閥』は現地へのフィールドワークを重視した、現場主義的な研究が主だ。
中には「冒険者の真似事ばかりする」などと揶揄する人もいるが、父からして元冒険者なのだからそう間違いでもない。
僕がどんな『真理』を目指すにせよ、研究室や工房に籠っているばかりでは魔法道具の有用性やアイデアは、やがて手詰まりになるのが目に見えている。
だから、僕にしても『無色の派閥』に属するのはメリットは大きい。
……あとは、父が許してくれるかどうかだ。
「よろこんでくれる、かな?」
「あたしのときは喜んでくれたけど?」
「それは姉さんだからでしょ……」
〝英雄の再来〟とまで言われる姉──エファ・アルワース。
剣を使っても、魔法を使っても才能を発揮し、冒険者としてもたった一年で第四等級冒険者にまで登った才女。
『無色の派閥』が重要視するフィールドワークにおいても一目置かれ、『緑の派閥』、『青の派閥』と協力して行った北の新迷宮の調査攻略でも多大な成果を収めている。
そして、それは運とか偶然では決してない。姉が才能を使いこなすべく努力が積み上げてきた結果だ。
姉ほどの人材であれば、『無色の派閥』へ所属していたとしても、親の七光りなどとは誰も口を挟むまい。
むしろ、親子の縁故で以て『無色の派閥』にヘッドハンティングされたと周囲は考えているはずだ。
「んー……ノエルはさ、ちょっと自己評価低いよね」
「そんなことないよ。客観的に見て、僕は……」
「自分で判断しておいて客観的だなんて、ちょっとヘンよ」
言葉が終わる前に、姉が吹き出すようにして笑う。
「大丈夫、ノエルは『無色の派閥』に必要な人材よ。あたしが保証する」
「そう?」
「だって、あたしが相棒に欲しいんだもの。これ以上の理由ってある?」
「それじゃあ、姉さんの横暴じゃないか」
少しモヤっとして言い返すが、姉は不思議そうな顔で首をかしげる。
「横暴? なんで? ついさっきの事、もう忘れちゃったの?」
「さっき?」
小さく後ろを振り返って、姉が笑う。
「ノエルったら、あたしのことを守ってくれたわ!」
「それは、そうできる手段を僕が持っていたからで……」
「そうよ。あなたはあたしを守るだけの手段を持っていて、事実として守ってくれた。もし、姉弟じゃなかったら、きっとあたしったらノエルに恋をしていたわよ?」
ご機嫌に笑う姉が、俺の手を引く。
「だから、行きましょ! 善は急げよ。他の派閥にノエルの事を勘付かれる前に、『無色の派閥』に入ってもらわなくっちゃ!」
「ちょっ、姉さん……待って!」
駆けるようにして僕の手を引く姉。
僕は、まんざらでもない気持ちでそれについていく。
学園を抜け、大通りを渡り、『無色の塔』がある小広場につくまで、姉は手を引いてくれた。
姉は、いつもこうなのだ。
どこか強引で、過保護で、僕の話をあんまり聞かないけど……いつだって、僕を望む場所まで連れて行ってくれる。
「姉弟じゃなきゃ恋に落ちてた」なんて、僕の中では使い古されたセリフだ。
「よっし、到着! さ、父さんのところに行きましょ」
「うん」
嬉し気な姉に続いて、僕は見慣れた『無色の塔』の扉をくぐった。
魔力で動作する道具類──魔法道具──を製作・修復する者の事を指す。
僕が目指しているものだ。
魔法が使えない僕は、幼いころからこの魔法道具という技術に魅せられていた。
父が、母が、そして姉が操る魔法に憧れながらも、ままならない現実をそれに求め、紛らわせていたのだ。
……今にして思えば、あれは『逃げ』だったように思う。
だが、その出会いがどうあれ、僕はこれにのめり込むことで幾分救われていたのは確かだ。
魔法不感症である山人族が、魔法道具に惹かれるのと同じように、僕もこれに魅了されていった。
そして、その結果が……ここにある。
「すごいわ、ノエル!」
「思ったよりもうまくいった、かな」
うめく少年たちを注意深く観察しながら、僕は床に落ちた紙片を拾い集めて確認する。
どれもこれも、薄く焦げて脆くなっていた。
これは、僕が自分の工房で開発した【超小型魔法巻物】と呼ばれる魔法道具だ。
通常の魔法の巻物を最小最適化させ、親指ほどの大きさにまでしたもの。
父や母が当たり前に行う魔法の『無詠唱』を魔法道具で実現できないかと、研究した結果に生まれた代物である。
学園では、たまに実験用魔物が逃げ出すこともあると聞いて、念のために仕込んできたのだが……まさか、実用実験を人に向けて行うことになるとは思わなかった。
僕は、これを人に向けて使うつもりはなかったのだ。
だが、あの時……ギルバルトが姉に酷いことをしようとしていると理解した瞬間、肝が据わってしまった。
もし、【超小型魔法巻物】が上手くいかなかったとしても、もう一つ隠し持っている魔法道具を使って、彼らを躊躇なく殺してしまっていただろうと思う。
そうならなくて本当に良かった。
「これ、どうしたら?」
廊下は惨憺たる有様となってしまっている。
麻痺、頭痛、呼吸困難……そして、顔面骨折による気絶が一名。
幸いなことに今のところ死人はいないようだが、このままにしておいていいのだろうか。
それこそ、ここに脱走中の魔物でも通りがかったら事件になりそうなだが。
「放っておきましょ。何かあったとしても知ったことじゃないわ。学園ではよくあることだし」
「そうなの?」
「死ななかっただけましでしょ。もし死んでたら、黒の塔の連中がもう回収に来てるわよ。新鮮な死体は利用価値が高いもの」
聞いた通り、学園はぶっ飛んでいるらしい。
うめくゴロツキで埋め尽くされた廊下を後にして、階段へ向かう。
「それより、どこの派閥に入るか決めたの?」
「うん。『無色の派閥』に入りたいと思う」
「素敵ね。きっと父さんたちも喜ぶわ」
普通に魔技師を目指すのであれば、知識や魔法の探求に重きを置く『青の派閥』に入るのがいいとは思う。
されど、よく考えてみれば僕の目指すところは知識による『真理』への到達ではない。
人の役に立つ魔法道具を研究することだ。
そうなると、やはり意味合いは少し違ってくる。
その点、父の興した『無色の派閥』は現地へのフィールドワークを重視した、現場主義的な研究が主だ。
中には「冒険者の真似事ばかりする」などと揶揄する人もいるが、父からして元冒険者なのだからそう間違いでもない。
僕がどんな『真理』を目指すにせよ、研究室や工房に籠っているばかりでは魔法道具の有用性やアイデアは、やがて手詰まりになるのが目に見えている。
だから、僕にしても『無色の派閥』に属するのはメリットは大きい。
……あとは、父が許してくれるかどうかだ。
「よろこんでくれる、かな?」
「あたしのときは喜んでくれたけど?」
「それは姉さんだからでしょ……」
〝英雄の再来〟とまで言われる姉──エファ・アルワース。
剣を使っても、魔法を使っても才能を発揮し、冒険者としてもたった一年で第四等級冒険者にまで登った才女。
『無色の派閥』が重要視するフィールドワークにおいても一目置かれ、『緑の派閥』、『青の派閥』と協力して行った北の新迷宮の調査攻略でも多大な成果を収めている。
そして、それは運とか偶然では決してない。姉が才能を使いこなすべく努力が積み上げてきた結果だ。
姉ほどの人材であれば、『無色の派閥』へ所属していたとしても、親の七光りなどとは誰も口を挟むまい。
むしろ、親子の縁故で以て『無色の派閥』にヘッドハンティングされたと周囲は考えているはずだ。
「んー……ノエルはさ、ちょっと自己評価低いよね」
「そんなことないよ。客観的に見て、僕は……」
「自分で判断しておいて客観的だなんて、ちょっとヘンよ」
言葉が終わる前に、姉が吹き出すようにして笑う。
「大丈夫、ノエルは『無色の派閥』に必要な人材よ。あたしが保証する」
「そう?」
「だって、あたしが相棒に欲しいんだもの。これ以上の理由ってある?」
「それじゃあ、姉さんの横暴じゃないか」
少しモヤっとして言い返すが、姉は不思議そうな顔で首をかしげる。
「横暴? なんで? ついさっきの事、もう忘れちゃったの?」
「さっき?」
小さく後ろを振り返って、姉が笑う。
「ノエルったら、あたしのことを守ってくれたわ!」
「それは、そうできる手段を僕が持っていたからで……」
「そうよ。あなたはあたしを守るだけの手段を持っていて、事実として守ってくれた。もし、姉弟じゃなかったら、きっとあたしったらノエルに恋をしていたわよ?」
ご機嫌に笑う姉が、俺の手を引く。
「だから、行きましょ! 善は急げよ。他の派閥にノエルの事を勘付かれる前に、『無色の派閥』に入ってもらわなくっちゃ!」
「ちょっ、姉さん……待って!」
駆けるようにして僕の手を引く姉。
僕は、まんざらでもない気持ちでそれについていく。
学園を抜け、大通りを渡り、『無色の塔』がある小広場につくまで、姉は手を引いてくれた。
姉は、いつもこうなのだ。
どこか強引で、過保護で、僕の話をあんまり聞かないけど……いつだって、僕を望む場所まで連れて行ってくれる。
「姉弟じゃなきゃ恋に落ちてた」なんて、僕の中では使い古されたセリフだ。
「よっし、到着! さ、父さんのところに行きましょ」
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