結婚しろよ

ヒマリ

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貴宮の体温

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そして、私の顔の赤みが引いた頃、バイク音が耳に届いた。
???
バイク?
何で?
あっ!まさか、貴宮!?
でも、貴宮がバイクって・・・・!
考えらんない!
私が迷走し始めたとき、バタンッと扉が蹴られたような音がした。
貴宮!
希望が生まれたとばかりにパッとそちらに目を向ける。
「!?・・・・え?彰?」
そう、そこに立っていたのは貴宮ではなく、不機嫌そうに眉間にシワを寄せる彰だった。
なんで、彰が・・・・?
「彰お坊っちゃま!」
お、お坊っちゃま!?
じゃあ、まさかこいつらは彰の部下かなにかで、彰が私をさらうように命じたの!?
よほど、急いで来たのか、彼は汗だくだ。
「お前ら、歌弥に誘拐以外に何かしたか?ああん?」
「いっ、いえ!何も!」
ん?何かこれじゃあ、彰はもともと何も知らないみたい。
まるで、彰の部下(?)が独断で私を誘拐したみたいな・・・・・?
「お前ら、次、歌弥に何かしたら、ブッ殺すぞ?いいな!?」
「ひぃっ!は、はい!す、すみませんでした!」
彰は年に一度出すか出さないかくらいのドスの効いた声で部下たち(?)を説教するこちらに優しい目を向けた。
ドキッ
「歌弥」
優しい声。
彰は私に近づくと、手首の拘束を解いた。
手首に拘束の紐のあとが思った以上に残っている。
それを見るなり、再び眉間にシワを寄せる、彰。
「チッ!あいつら!」
その言葉をきいて、震え上がる部下たち(?)。
彼が私の手に触れようとした、その時!
何かと何かがぶつかるような衝突音がこの空間に響き渡る! 
!!?
その音は恐らく、車と扉が衝突して音だ。
そして、その車から降りてきたのは貴宮と貴宮のSPたち。
「貴宮っ!」
「歌弥!」
貴宮は走ってこちらに来た。
私も彰の横を通りすぎて彼のもとへ。
私は貴宮に抱きついた。
「貴宮・・・・・・貴宮・・・・貴宮!」
彼は私を優しくギュッと抱き締め返す。
貴宮の体温がものすごく安心するのはなんで?
ポロポロと涙が流れ出した。
それを見た貴宮はより一層、抱き締める力を強める。
「あいつっ!」
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