君色 My Dream

ヒマリ

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モヤモヤ

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<翌日の放課後>
メールでパパからの緊急呼び出しがかかり、友達との会話もそこそこに走って家に帰った。

ガチャ 
「ただいま!」
二階へ荷物を置くのも忘れて、ダイニングへ!
そこにはパパとママと机を挟んで向かい合って座っている拓哉がいた!
え?拓哉?なんでここに?
「あ、舞菜おかえり。拓哉さんがあなたとこれから出掛けたいって言って下さってるの!」
「せっかくのお誘いだ、行ってきなさい」
はぁ~?
「まさかとは思うけど、緊急呼び出しを掛けたのって・・・・・・」
「もちろん、拓哉くんが来ているからだよ」
満面の笑みで答える父に怒りが沸いてくるのは気のせいかな・・・・・・・?
「ちょっと!パパもママもこんなことで緊急呼び出し、かけないでよ!」 
「こんなこととはなんだ?こんなこととは!」
だって、拓哉と出かけるだけでしょ?
緊急呼び出しはもっとこう・・・・・ママが交通事故に遭った、とかの時にしてよ! 
心臓に悪い!
「行くぞ、舞菜」
へ?
「わっ!?」
拓哉に手を引かれて、家を出ると車に押し込まれた。
もう!強引なんだから!
ブーと膨れていると、拓哉が笑みを浮かべる。
「そんな可愛い顔されるとは思わなかった」
はい!?これのどこをどう見れば、可愛い顔に見えるのよ!?
この人、頭おかしいんじゃないの?
呆気にとられ、変な表情になってしまう。
「その顔も好きだ」
こんな変な顔まで好きだとは・・・・・・!
拓哉は本当に変わった人だ。
車が発進し、行き着いた場所は映画館。
何の映画観るのかな?
さっきの怒りは消え、何の映画を観るのかワクワクしながら、彼の横を歩いた。
そして、観ることになったのは・・・・・バ〇オハザード!
私が最も苦手とするジャンルの映画だ。
「た、拓哉、ホントにこれ観るの?」
「当たり前だろ」
ですよねぇ~!
なくなく座席に腰をおろした。
私のバクバクの心臓なんて一切無視して、映画は上映される。
ひぃ~!
怖い怖い怖い!!!
思わずギュッと目をつぶると、
「怖いなら、俺の腕につかまっておけ」 
と、隣にいる拓哉に言われた。
怖いなら、っていうか、この映画わざと選んだよね!?
こうなることを知ってて!
彼の顔は暗い中じゃ見えずらいが笑ってるのが分かる。
だって、少し触れている彼の肩が小刻みに震えているもの!
でもこんな映画を一人で乗り切るのはかなりキツい。
仕方がないので彼の思惑にハマってあげる。
ギュッと彼の腕にしがみつくと、満足そうに微笑む拓哉の姿が一瞬だけ見えた。 
わぁ、きれい!
いつもこんな顔してれば良いのに。
そんなことを考えつつ、この映画をなんとか乗り切った!
よし、頑張ったぞ!私!
自分を褒め称えながら、達成感を胸に抱いて堂々と映画から出た。

その後はディナーに軽い買い物をして、帰路につく。
帰り道の途中、彼からこんな質問を投げ掛けられた。
「舞菜、お前は俺のことを好きになれそうか?」
彼から、唐突に投げ掛けられた質問にアタフタする。
好きか嫌いか?
の質問であれば、
『人間的でいえば、好きだけど、恋愛的な意味では好きじゃない』
と即答できるのに!
まさかの未来形な質問に困惑してしまう。
「それはその、分かんない。もしかしたら、好きになるかもしれないけど、ならないかもしれない。先のことなんて誰にも分かんないし、決められない。それに出会ってからそんなに経っていないのにそんなこと言われても困るよ・・・・」
正直な感想を述べると拓哉は少し悲しそうに眉根を下げた。
でも拓哉のことを考えるといつもモヤモヤとした変な感じがする・・・・。
もしかしたら、このモヤモヤが何なのか分かれば、拓哉のことが好きか嫌いか分かるかもしれない!

拓哉のためにもこの胸のうちにある、モヤモヤがなんなのか突き止めなきゃ!
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