こじらせ男子は一生恋煩い

第二章 心との生活

独り占めしたい②

りつさんの事が好きでも俺の事も裏切れない、それをわかってて俺は将吾を追い詰めた。

案の定将吾は泣き出してしまい、俺はそんな将吾を独り占めしたくて仕方ない。

へたり込んで泣きじゃくる将吾を抱きしめると、俺は最終手段に出た。


「いいよ…りつさんのところ戻っても」

「…っ、心」

「その代わり…戻るまでは俺の将吾でいてよ…」

「…っ、んぅ…っ」


将吾がうちに来てから一緒に寝ることはあっても、交わる事はしなかった。

俺はしたくてたまらなかったけど、将吾が求めてこなかったから…

その理由だって俺はわかってたよ。

だけど、一緒に暮らして抱きしめてキスして、将吾が甘えてくれるだけで俺は幸せだったから。

だけどその日々も終わってしまうなら…

それならもう我慢しなくてもいいでしょ？
俺のわがまま…聞いて？


「んは…っ、心…っ！？」

「俺…ずっと我慢してたよ…でももう無理…っ、抱かせて…将吾…」

「あっ…まって…っ、し、んっ…」


床の上に将吾を押し倒し唇を重ねる。

最初は抵抗する素振りを見せたものの、何度も何度も角度を変え唇を堪能しながらトレーナーの下に手を入れて胸の突起に触れれば、ビクッと身体を震わせ甘い声を漏らす。 

その開いた口内に舌をねじ込んで絡ませ合えば、もう抵抗する気も起きなくなったのか素直にそれを受け入れ、俺の舌を追いかけるように絡ませてくる。


「ん…っ、ふ…あっ、んぅ…っ」

「はぁっ…将吾…っ、好き…っ」

「心…っ、らめっ…」

「ダメならなんでココ…こんなに硬くしてるの？」

「ん…っ、あっ」


俺の太ももに将吾の硬くなったソレが触れる。
俺のキスで、俺の愛撫で将吾が欲情してくれてるなんて、こんなに嬉しいことは無い。

トレーナーを捲りあげ胸の突起に舌を這わせ下へ下へと降りていき、ズボンを下げると腹に付きそうな程の勃ち上がるソレの先は先走りで溢れていてますます俺の感情を掻き立てる。


「トロトロだよ？出したいよね？」

「んあっ、だっ、だめ…っ」

「なんでダメなの？りつさんに悪いから？それとも俺とは出来ない？」

「ん、ぅっ…」


意地悪な質問をしながらも手の動きを休めることはしない。

先走りを纏わせグチュグチュと律動さながら俺は将吾のソレを咥えた。


「あっ、う…っ、心…っ！」

「んっ…ん…ひもひい？」

「はな…してっ…」

「やら…イクまで離さない…っ」

「…っ、あっ、あ…っ、ダメぇ…っ！」


将吾の限界が近い事を感じた俺は、絶頂を迎える前に口に含んだソレを離した。


「は…っ、へっ…？」

「ダメなんでしょ…？じゃあやめる？」

「…っ、はぁっ…はぁっ…///」


真っ赤になりながら俺を睨みつける将吾。

俺は将吾が欲に勝てない事くらいちゃんと知ってる。

りつさんから離れてウリもしなくなった今、久しぶりだってこともわかってる。

焦らして焦らして極上の将吾を味わいたい…
俺だけの将吾―――


絶頂を目前に愛撫を止められてしまったソレはヒクヒクと動きながら苦しそうに欲を漏らす。

先端の欲を絡め取りそっと後ろに指を這わせるとクルクルと馴染ませ焦らし始めた。


「んっ、はぁ…っ、心…っ////」

「ん？どうして欲しい？」

「…っ、だめ…っ」

「ん…じゃしなくていいの？」


そう言いながらも指の先端をクイッと後ろに押し込むと、身体をよじらせまた甘い声を漏らす。

欲しそうな顔して、いつまで我慢できるかな？

指を奥へと突っ込んで前立腺に触れるか触れないかの所をゆるゆると動かせば、物足りないのか俺の手を掴み自ら腰を動かし始めた。


「あれ？腰動いてるよ？足りない？もう一本増やそうか？」

「ん…っ、あっ、ふや…してっ…」

「ダメって言ってたのに？」


口ではそう言いながらももう一本増やしてやれば、もういよいよ我慢できないのか物欲しそうに俺を求める将吾に、俺だってもう我慢できない。


「…っ、ん、あっ、しん…っ////」

「気持ちいいね…俺も気持ちよくなりたいな…コレ入れていい？」

「はぁっ…んっ、いい…っ、入れてぇっ…」

「じゃあ…ベット行こ？」

「はぁ…っ、んぅ…っ」


もう理性も何も無いんだろう。

将吾の手を掴んでベットに連れていけば、今か今かと俺を求めるように煽ってくる将吾。

俺はもう我慢できなくてそこそこ慣らした後ろに自身のモノをねじ込んだ。

ソコはめちゃくちゃキツくて本当に使ってなかったんだと、内心嬉しくて口元が緩む。

ゆっくり奥まで飲み込ませると欲に従順な将吾は蕩けた顔で俺の手を掴み引き寄せ、首に手を回し舌を出しながら顔を近づけ俺の唇をぺろりと舐めた。


「はぁっ…はぁっ…舌っ、ちょうだい…っ」

「いいよ、将吾が欲しいならいくらでもあげる…」


だらしなく涎を垂れ流しながらそんなことも気にならないのか俺な夢中になってくれる将吾に、もしかしたらずっここにいてくれるんじゃないか？なんていう淡い期待まで湧いてくる。

奥を突く度に先から欲が吹き出し将吾の腹の上に溜まっていき、キュンキュンと後ろを締められれば、俺もいよいよ我慢の限界だ。


「はっ、はぁ…っ、あぁっ、締まる…っ」

「あっ、んっ、ん…っ、はぁっ、気持ちいいっ…」

「…っ、その顔エロ…っ、イって、いい…っ？」

「はぁ…っ、あっ、俺も…っ、も…っ、イクッ」


将吾は最後自分の腹の上に白濁を飛ばし、俺もそれを追うように将吾の腹の上に白濁を飛ばした。

俺はどうにか将吾を引き止めたくて、俺の方がりつさんよりもいいって思ってもらいたくて、汚れたままの将吾を力いっぱい抱きしめた。


「んっ、心…っ、汚れちゃうよ…っ」

「いい…ずっとこうしてたい…離れたくない…っ」

「心…っ、でも…俺っ…」

「どうしても…俺じゃ…ダメ…？」


俺の事で、俺の為に、俺のせいで…悩んで困って泣いて？

もっともっと俺のことだけ考えてよ、将吾っ。
これで最後なんて、俺は許さない…っ。


「……ご、めん」

「だったら全力で拒否してよ…っ」

「…っ、ご…め…ん」

「ずるいよ…将吾…っ」


本当はこんなこと思ってない。
俺は俺の意思で将吾の事が抱きたくて抱いたんだ…

だけど、どんな汚い手を使ってでも将吾を離したくない、りつさんの元に行かせたくない、そう思って最後の最後まで追い詰めた。