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第一章 出会いと再会
将吾の家
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将吾の家は生活感の全くない、無機質なワンルームだった。
本当に必要なものだけが揃えてあり、家具も最小限で調理器具なんてもっての他、皿もなければコップもちゃんとしたものはほぼない。
家電も電子レンジと小さな冷蔵庫のみ。
買ってきたものを一旦冷やすのに冷蔵庫を開けると、何も入ってないが電気は通ってるようで一先ず安心した。
「コレ、入れとくからな~」
「うん」
「ほんっと何もないな、この部屋」
「だって寝るだけだもん」
「布団干すくらいはしろよ?」
「…してるよ」
こりゃ暫くやってないなと踏んで、バルコニーに布団を干した。
と言っても、このお日様もあと数時間しか持たないだろうけど…
将吾がこんな切り詰めた生活をしなきゃいけない理由は、恐らくあの家庭環境にあるんだろう。
高校の時、家に帰っても誰もいないといつも保健室に入り浸り、学校が終われば素行の悪い奴らと夜中までつるんでたんだもんな…
あれ?そう言えば隼人ってどうしたんだろ…?
ふっとあの頃の記憶が蘇った。
「軽く飯でも食うか」
「うん」
買ってきたコンビニ弁当を広げモグモグと食べ始める将吾を眺めながら、さっき思い出した疑問をぶつけてみた。
「あのさ、隼人ってどうしてる?」
「 隼人?さぁ…知らない」
「え?あんな仲良かったのに連絡取ってないの?」
「うん、別に用ねぇし」
「そっか…」
高校卒業してから全く連絡取ってないんだろうか…
俺はてっきり二人はくっついて、隼人が将吾の面倒見てくれてるもんだと思ってたから。
そんなに上手い事いくもんでもないか…
そう考えると、本当に俺は浅はかだったと反省しかない。
卒業後の空白を埋めるように、他の友達とはどうなのか、居酒屋のバイトでは上手くやってるのか、などと怒涛の質問をくり広げる俺に、将吾はいい加減ウザイと呆れ顔。
だけど、肝心な風俗の仕事に関しては怖気付いて聞くことは出来なかった。
そんな他愛もない話から思い出話やらをしていたら、あっという間に夕方になり布団を取り込んで一息つくと、将吾をまた外に連れ出した。
「夕飯はどっか食べに行こ」
「どこ行くの?」
「俺の好きなラーメン屋♡」
「ラーメンなんていつぶりだろっ!?」
「ふはっ、今日一のテンションじゃん!」
「そうかも…けど俺、金…」
「俺が奢るに決まってんだろ?気にすんなよ」
きっと今までも色々我慢してきたんだろうな…
これからはできるだけ甘やかしてやりたい。
俺の行きつけのラーメンを二人で啜って、たらふく食って再び家に戻る道すがら、将吾がボソッと話し始めた。
「ねぇ、いつまで続くかな…」
「ん?なにが?」
「こーゆーの…」
「一緒にご飯食べたりとか…そういう事?」
「うん、だってみんな俺の周りからいなくなるから…親も何してるか知らないし、隼人だって卒業してから全然会わなくなった…」
「将吾、ごめんな…一人にさせて」
「ううん、別に…慣れてるし」
「そんな事言うなよぉ」
「他人に期待しないから」
「俺の事も?」
「うん…」
「そっか…じゃあ俺もっと頑張るわ」
昔っからそういうタイプの子だったけど、俺に対してだけは違うと思いたかった。
少なからず頼られてたと思うし、今だって俺に何かしらの期待をしてくれてると思ってたけど、あいつにとっては俺も一度はいなくなった人の内の一人だもんな…
「何を頑張るの?」なんて言われて、「期待して貰えるように!」なんて答えにもなってないようなことを言ってはみたけど、再び信頼を勝ち取るには恐らくまだまだ時間がかかりそうだ。
本当に必要なものだけが揃えてあり、家具も最小限で調理器具なんてもっての他、皿もなければコップもちゃんとしたものはほぼない。
家電も電子レンジと小さな冷蔵庫のみ。
買ってきたものを一旦冷やすのに冷蔵庫を開けると、何も入ってないが電気は通ってるようで一先ず安心した。
「コレ、入れとくからな~」
「うん」
「ほんっと何もないな、この部屋」
「だって寝るだけだもん」
「布団干すくらいはしろよ?」
「…してるよ」
こりゃ暫くやってないなと踏んで、バルコニーに布団を干した。
と言っても、このお日様もあと数時間しか持たないだろうけど…
将吾がこんな切り詰めた生活をしなきゃいけない理由は、恐らくあの家庭環境にあるんだろう。
高校の時、家に帰っても誰もいないといつも保健室に入り浸り、学校が終われば素行の悪い奴らと夜中までつるんでたんだもんな…
あれ?そう言えば隼人ってどうしたんだろ…?
ふっとあの頃の記憶が蘇った。
「軽く飯でも食うか」
「うん」
買ってきたコンビニ弁当を広げモグモグと食べ始める将吾を眺めながら、さっき思い出した疑問をぶつけてみた。
「あのさ、隼人ってどうしてる?」
「 隼人?さぁ…知らない」
「え?あんな仲良かったのに連絡取ってないの?」
「うん、別に用ねぇし」
「そっか…」
高校卒業してから全く連絡取ってないんだろうか…
俺はてっきり二人はくっついて、隼人が将吾の面倒見てくれてるもんだと思ってたから。
そんなに上手い事いくもんでもないか…
そう考えると、本当に俺は浅はかだったと反省しかない。
卒業後の空白を埋めるように、他の友達とはどうなのか、居酒屋のバイトでは上手くやってるのか、などと怒涛の質問をくり広げる俺に、将吾はいい加減ウザイと呆れ顔。
だけど、肝心な風俗の仕事に関しては怖気付いて聞くことは出来なかった。
そんな他愛もない話から思い出話やらをしていたら、あっという間に夕方になり布団を取り込んで一息つくと、将吾をまた外に連れ出した。
「夕飯はどっか食べに行こ」
「どこ行くの?」
「俺の好きなラーメン屋♡」
「ラーメンなんていつぶりだろっ!?」
「ふはっ、今日一のテンションじゃん!」
「そうかも…けど俺、金…」
「俺が奢るに決まってんだろ?気にすんなよ」
きっと今までも色々我慢してきたんだろうな…
これからはできるだけ甘やかしてやりたい。
俺の行きつけのラーメンを二人で啜って、たらふく食って再び家に戻る道すがら、将吾がボソッと話し始めた。
「ねぇ、いつまで続くかな…」
「ん?なにが?」
「こーゆーの…」
「一緒にご飯食べたりとか…そういう事?」
「うん、だってみんな俺の周りからいなくなるから…親も何してるか知らないし、隼人だって卒業してから全然会わなくなった…」
「将吾、ごめんな…一人にさせて」
「ううん、別に…慣れてるし」
「そんな事言うなよぉ」
「他人に期待しないから」
「俺の事も?」
「うん…」
「そっか…じゃあ俺もっと頑張るわ」
昔っからそういうタイプの子だったけど、俺に対してだけは違うと思いたかった。
少なからず頼られてたと思うし、今だって俺に何かしらの期待をしてくれてると思ってたけど、あいつにとっては俺も一度はいなくなった人の内の一人だもんな…
「何を頑張るの?」なんて言われて、「期待して貰えるように!」なんて答えにもなってないようなことを言ってはみたけど、再び信頼を勝ち取るには恐らくまだまだ時間がかかりそうだ。
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