魔法世界の綺沙羅

みちづきシモン

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綺沙羅続き(仮)

32。目覚め。そして…

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 綺沙羅はすうっと目を開けた。傍に優がいた。
「綺沙羅?」
「おはよう、優君」
「綺沙羅……!無事でよかった!」
 優はスグに皆を呼びに行った。番樹、陸也、来夢が部屋に入ってきた。
「綺沙羅!良かった!本当に良かったぜ!」
「ふん、やれやれだぜ」
「ほんまにほんまに綺沙羅か?また神羅様ちゃうやろね?」
 来夢の問いにふふふと笑った綺沙羅は、炎羅を呼んだ。
「ワタシもいるわよ」
「炎羅ー!ほんまにほんまやんな?!」
 声色の変化に気づきつつも、
「あんた一ヶ月も神羅様のままやってんで、綺沙羅」
「一ヶ月?!」
「もうウチらも心配で心配で。おまけに神羅様にしごかれるし」
「修行してたの?」
「そうだぜ!綺沙羅達が修行してるだけじゃいけないって優がな」
「ふん、オレも強くなったんだぜ」
「僕達も綺沙羅に追いつきたくて」
 そっか、と笑った綺沙羅は、ベッドから起き上がり体を伸ばした。
「神羅様はもういないの?」
「うん、魔法世界へ帰ったよ」
「ほんならこれからどうするかやな」
「私ね、大人になったら世界中を回ってみたいんだ」
「大人になったら?今じゃなくて?」
「うん、今は……。問題が解決したから帰って勉強したいな」
「けっ、殊勝なこった。まぁ、勉学も退屈しねーけどよ」
「それじゃあ、天園王国へ帰ろう!」
 方針が固まったところで、真那が入ってきた。
「おっおっおっ、帰りは是非馬車で帰るお」
 げぇーっと男三人は頭を垂れる。綺沙羅と来夢は、おーっと手を上に上げた。
 火丸王国で炎王に挨拶を済ませ、様々な人と別れを済ませて天園王国へと帰った。
 天園王国に着くと、吉報を知ったのか多くの人が祝福してくれた。
 それからの日々は学校へ通い知識を増やし、時に訓練で切磋琢磨し。
 高校を卒業した彼らは全員同じ大学へと入った。学科は違えど全員が教師を目指した。それは真那の影響だったのかもしれない。
 大人になった彼らは、教員免許を取得した後、教師となる前に天園王国を旅立つ。
その旅には真那がついてきていた。
「先生、いいんですか?学校は」
「おっおっおっ、学校にあたいがいる必要はないお。また世界を旅できるなら喜んでついてくお」
「ふん、休みてーだけじゃねーかよ?」
「でもよ!うれしーよな、先生がいてくれると!」
「せやせや!やっぱりこの七人やないとな」
「そうだね、どんな世界が待ってるか楽しみだ」
「ワタシも入れるなんて嬉しいわ、来夢ちゃん」
 皆それぞれの期待を込めて世界へ出発した。テイオーとシンオーの馬車は揺れる。
 様々な世界を見ることになる彼らは歩みを止めない。
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