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夢は交錯する
第35話
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キャメイリアの茶会は生粋のシルベス貴族の夫人が他に四名と、金髪の女性は他国から嫁いできた夫人、カーラの七名だ。
ヴァーミル侯爵夫人キャメイリアとシドーム侯爵夫人ミモル、ソレズ伯爵夫人イエナ、アーズ伯爵夫人ツィーティアとソボンド子爵夫人ララミーは銀髪のシルベス人、ジュルエッツ伯爵夫人ミューリがメシード国出身だと紹介された。
「シーズン公爵家は我がボンド商会もお取引頂いておりますのよ」
ララミーがカーラに挨拶した際、そう告げる。
「まあ、ボンド商会の!いつもニアルン様にお世話になっておりますわ」
初対面ばかりの中では、ほんの少しの繋がりでも心強く感じられるものだ。
「シーズン様はご自身で御髪用の装飾品店を始められるそうですのよ。コーテズに行く時は是非立ち寄りたいものですわ。そういえば!今日のカーラ様の御髪が素晴らしいですわ!」
キャメイリアがカーラのヘアスタイルに注目を集めると、皆が後ろを見せろと言い出したので、くるりと首を回してトイルが仕上げたフラワースタイルを見せてやる。
「「「何それ、すごい!」」」
ミモルが立ち上がり、ちょっと不躾なほどにカーラの後頭部に顔を近づけていく。
「これ、どうやってセットしたのかしら?」
「細かくは私にも見えませんでしたから」
それは本当だ。
トイルの動きは鏡越しにチラチラとは見えたが、髪を触るのが好きなカーラでも、何をどうやったらこうなるのかは全くわからない。
やはり本気で訓練を積んだ人間には敵わないものなのだ。
仮に知っていたとしても、後のことを考えると情報は小出しにしておきたいからとぼけただろうが。
「シーズン様の侍女をお貸し頂けませんこと?私の髪を結ってみてほしいの」
ミモルは諦めが悪い。
しかしカーラも易易と手の内を見せるつもりはない。父とたいして変わらない年齢の夫人たちを相手に渡り合う。
「そうですわねえ・・・では私が泊まるコテージにお招きするのは如何でしょう?」
「いいわ!いつ伺えばよろしくて?」
「予定を確認し、改めてご招待いたしますわ」
満足したらしいミモルは、にっこりと笑いこくりと頷いた。
「それと是非カーラとお呼びくださいませ。キャメイリア様とお友だちの皆様と少しでもお近づきになれたら、私とってもうれしいですわ!そう、お土産を持って参りましたの。コーテズの店で扱う物ですのよ」
そう言うとエイミから籠を受け取り、立ち上がって一つづつ手渡していく。
キャメイリアの友たちは髪は銀色だが瞳は微妙に違うので、覗き込みながらカーラがリボンの色を選んだ。
「開けてみてもよろしいかしら」
「もちろんですわ」
皆いそいそと結ばれたリボンを解き、ハンカチを開く。
すると小さなダイヤやサファイア、ルビーなどがついたカンザシといくつかのピンが入っている。
「きれい!形が変わっているわね。これはどうやって使うものですの?」
カンザシを挿すのはトイルが一番上手いが、今日は宿で留守番をしている。
エイミがカーラの髪に差し込んで見せてやると、こう勧めた。
「カンザシを触ってみてくださいませ」
ヴァーミル侯爵夫人キャメイリアとシドーム侯爵夫人ミモル、ソレズ伯爵夫人イエナ、アーズ伯爵夫人ツィーティアとソボンド子爵夫人ララミーは銀髪のシルベス人、ジュルエッツ伯爵夫人ミューリがメシード国出身だと紹介された。
「シーズン公爵家は我がボンド商会もお取引頂いておりますのよ」
ララミーがカーラに挨拶した際、そう告げる。
「まあ、ボンド商会の!いつもニアルン様にお世話になっておりますわ」
初対面ばかりの中では、ほんの少しの繋がりでも心強く感じられるものだ。
「シーズン様はご自身で御髪用の装飾品店を始められるそうですのよ。コーテズに行く時は是非立ち寄りたいものですわ。そういえば!今日のカーラ様の御髪が素晴らしいですわ!」
キャメイリアがカーラのヘアスタイルに注目を集めると、皆が後ろを見せろと言い出したので、くるりと首を回してトイルが仕上げたフラワースタイルを見せてやる。
「「「何それ、すごい!」」」
ミモルが立ち上がり、ちょっと不躾なほどにカーラの後頭部に顔を近づけていく。
「これ、どうやってセットしたのかしら?」
「細かくは私にも見えませんでしたから」
それは本当だ。
トイルの動きは鏡越しにチラチラとは見えたが、髪を触るのが好きなカーラでも、何をどうやったらこうなるのかは全くわからない。
やはり本気で訓練を積んだ人間には敵わないものなのだ。
仮に知っていたとしても、後のことを考えると情報は小出しにしておきたいからとぼけただろうが。
「シーズン様の侍女をお貸し頂けませんこと?私の髪を結ってみてほしいの」
ミモルは諦めが悪い。
しかしカーラも易易と手の内を見せるつもりはない。父とたいして変わらない年齢の夫人たちを相手に渡り合う。
「そうですわねえ・・・では私が泊まるコテージにお招きするのは如何でしょう?」
「いいわ!いつ伺えばよろしくて?」
「予定を確認し、改めてご招待いたしますわ」
満足したらしいミモルは、にっこりと笑いこくりと頷いた。
「それと是非カーラとお呼びくださいませ。キャメイリア様とお友だちの皆様と少しでもお近づきになれたら、私とってもうれしいですわ!そう、お土産を持って参りましたの。コーテズの店で扱う物ですのよ」
そう言うとエイミから籠を受け取り、立ち上がって一つづつ手渡していく。
キャメイリアの友たちは髪は銀色だが瞳は微妙に違うので、覗き込みながらカーラがリボンの色を選んだ。
「開けてみてもよろしいかしら」
「もちろんですわ」
皆いそいそと結ばれたリボンを解き、ハンカチを開く。
すると小さなダイヤやサファイア、ルビーなどがついたカンザシといくつかのピンが入っている。
「きれい!形が変わっているわね。これはどうやって使うものですの?」
カンザシを挿すのはトイルが一番上手いが、今日は宿で留守番をしている。
エイミがカーラの髪に差し込んで見せてやると、こう勧めた。
「カンザシを触ってみてくださいませ」
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