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ローズリー・ワンドのその後
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トロワー伯爵家の別邸に匿われていたローズリー・ワンドは、ドレインたちが攫うようにエランディアを修道院に入れたことは聞かされないまま、ただエランディアが姿を消したようだと聞いてその身を案じていた。
「おまえは馬鹿なのか?」
ドレインにはそう呆れられたが。
「まだ未練があるんじゃないだろうな」
「未練?ないない。ただ、逃亡したのならこの先が大変だろうと思っただけだよ」
ローズリーはどこまでもお人よしだった。
「とにかく姿を消してもう数日らしいから、一度様子を見に行ったほうがいいな。安全のために大人数のほうがいい」
「ああ、護衛たちと行ってみるよ」
「その方がいい。あと、もし役人がきたら」
「わかってるよ。イールズ商会の紹介でジャムの取引先を回っていた」
「そうだ」
ミヒアは結局ローズリーを助けることにしたのだ。
ローズリーのためではない。
ナミリアを守るために身を引いたと知った、ナミリアの懇願があったから。
今後、道が交わることはないが、遠くででも元気でいてほしいとナミリアが涙したから。
ローズリーにここ暫くのアリバイを用意してやったミヒアは、エランディアが自分から出ていったよう細工を施したが、それをローズリーに教えることはなかった。
「誰に聞かれても完璧に同じことを答えなさいよ」
そう言われて、今日まであらゆる設定を暗記し、自分で質問集を作って、何を聞かれたらこう答えると訓練し続けていた。ローズリー。
「完璧にやれる、私なら!」
そう言った顔は悲しげだった。
ドレインと別れ、屋敷に戻ると即、別邸に行く支度を整えたローズリーに、執事がやっと戻ってきたのだから少し執務をこなしてほしいと文句を言う。それでも先を急いだのは、もぬけの殻となった別邸を自分の目で見て、エランディアとの別れを実感し、心を整理したかったからだ。
「護衛は誰が来るか確認しておいてくれ。戻ったら今度こそ溜まった仕事を片付けると約束する」
「かしこまりました」
執事が諦めた顔で頭を下げた。
ドレインの忠告どおりに、ローズリーは執事が調整した護衛に一人追加するよう言い付け、別邸へと向かうと。
夕暮れの中で灯りを灯すこともない屋敷が丘の上に見える。
「暗いですね」
不審そうに護衛のひとりが呟いた。
門扉も閉められていたが、開けて敷地の中に入っても物音一つしない。
「メイドはどうしたんでしょう?」
「うん、どうしたんだろうな」
ローズリーは既にエランディアがいないことを知っていたが、素知らぬ振りで室内に足を踏み入れる。
「灯りをつけましょう」
護衛が暗がりの中でゴソゴソとマッチをすり、壁に取り付けられた燭台の蝋燭に火をつけた。
ぼんやりと明るくなったエントランスを見渡し、テーブルに残された手紙を見つけた。
「ローズリー様、これがありました」
受け取ったローズリーがカサカサと音を立てながら封を切り、手紙を引っ張り出し、灯りのそばに寄って文面に目を通す。
「ここを辞め、他の町に行くと書いてある」
「そんな勝手な!」
背後にいた護衛が思わず覗き込んだ。
「本当だ!ローズリー様に断りもなくだなんて、なんて女だ」
「私が長く離れていたから相談できなかったのだろう」
「そんな!ローズリー様がお戻りになるまで待つのが使用人の務めですよ!」
「待ちきれなかったのか。男でもできたのかもしれんな」
ふと漏らしたローズリー。
護衛たちに印象づけるように態と呟いた。
「・・・かもしれませんな」
いないとわかっても一応家探しした。
「誰もいません」
「盗まれたものも特になさそうだ。屋敷に戻るか」
「泊まらないのですか?今からだと危険が伴いますよ」
護衛に諌められ、それもそうかと日の落ちた外を窓から覗く。
「食事は近くで買ってきますから今夜は泊まりましょう」
そう護衛たちが勧めるので、早く立ち去りたかったエランディアとの思い出の家で一晩過ごすことになってしまった。
町で買った食事を食べ、主寝室に潜り込む。
まだエランディアの残り香があるような錯覚・・・。
「出て行ったか」
本当は攫われたのだが。
それを知らないローズリーは、既に冷めていたことを忘れ、捨てられた自分を憐れむのだった。
翌朝、明るくなってから屋敷をもう一度探索する。いないと思いつつ、再度すべての部屋を見て回り、改めて何も失ったものはないことを確認。
ローズリーはあのエランディアが何も手をつけなかったことにほんの少しだけ違和感を感じたが、護衛に急かされて別邸をあとにした。
「おやローズリー様!早いおかえりでしたね」
溜まった執務に音を上げていた執事が、嫌味半分に帰宅のローズリーを出迎える。
「ただいま。着替えて一息入れたら、すぐ執務に取りかかる。部屋の空気を入れ替えておいてくれ」
使用人の嫌味に嫌な顔一つせず。まるで立ち枯れた草のように窶れたローズリーは、足を重たそうに引き摺りながら部屋へ戻って行った。
久しぶりの、自分の香りが染みついたベッドに疲れ切った体を放り投げる。
胸の奥から、何かが込み上げて。
「ううっ」
気づくと止めどなく涙が流れていた。
エランディアを失ったことではない、紙切れ一枚でこんなにも簡単に自分を捨てる女に唆され、ナミリアを傷つけた愚かな自分に嫌気が差して。
今ならわかる。エランディアは自分を愛してなどいなかったのだ。ただ利用していただけ。それなのに自分と来たらふわふわと、女の言う事を聞いてさえいれば愛されると勘違いして。
そのせいで初めて心から守りたいと思ったナミリアを永遠に失った。
痛む胸を押さえ、気の済むまで泣き続けた。
尋問を受けたアレンは、ミヒアたちが予想したように、死なばもろともとエランディアやローズリーを共犯者だとその名を挙げていた。
ミヒアが伸ばした腕に守られたローズリーは証拠不十分。エランディアについては治安部はその姿を見つけることもできなかった。
その後。
ローズリーは自分は子爵当主を務める資格がないと、遠縁の男爵家から養子を貰い継がせ、ひとり旅立って行った。
ジャムをたくさん持って。
見慣れない果実のジャムは、丁寧に売り込むとリピートする客が増えた。
時折ワンドに戻ってはジャムを仕入れ、また旅に出る。
最初はあてのない気ままな旅の中、少しでもやりかけの仕事の役に立てばという気持ちだったが、客が増え、紹介されて繋がりが拡がっていくと、それがローズリーの楽しみに、やり甲斐になった。
何度目かのワンドへの帰郷でミヒアが探していると聞き、イールズ商会に顔を出すと、後見してやるから自分で商会を起こしたらどうかと勧められた。そうして王都から遠く離れたイールズ商会の支店に間借りし、拠点を構えることに。
彼の人の瞳色の草茂る原っぱを見ては物思いに耽るローズリーは、生涯独身でいるつもりだった。
だがミヒアが助手につけてくれた女性から、商会長が独身では付き合いに困るから自分の娘を嫁にもらえと圧をかけられるようになる。
勿論ミヒアの策略で、断りきれなくなって見合いをすると、平民だがもったいないようなしっかり者の器量良し。
「自分などが幸せになってもいいのでしょうか」
悩んだローズリーが、訪ねたミヒアに相談すると、大きく頷いたミヒアから太鼓判を捺された。
「勿論じゃない!しあわせになってはいけないなんて不幸に酔い痴れたようなことを言うのはやめて。あなたに幸せになってほしいとナミリアさんも思ってるのよ」
背中を押されたローズリーは、小さな教会で結婚式をあげたあと、ワンドのジャムだけではなく、思いの外料理上手な妻の、ジャムを使った焼き菓子も売り始める。
それならとミヒアから茶の産地や茶器の工房を紹介され、貴族の茶会に使う一式を取り扱う商会へと成長させていった。
ある日のこと。
ローズリーの活躍を耳にしたナミリアがミヒアに言った。
「ミヒア様って、何だかんだと仰っても、面倒見がとってもよろしいのですよね。わたくし、そういうミヒア様が本当に本当に大好きですわ」
「おまえは馬鹿なのか?」
ドレインにはそう呆れられたが。
「まだ未練があるんじゃないだろうな」
「未練?ないない。ただ、逃亡したのならこの先が大変だろうと思っただけだよ」
ローズリーはどこまでもお人よしだった。
「とにかく姿を消してもう数日らしいから、一度様子を見に行ったほうがいいな。安全のために大人数のほうがいい」
「ああ、護衛たちと行ってみるよ」
「その方がいい。あと、もし役人がきたら」
「わかってるよ。イールズ商会の紹介でジャムの取引先を回っていた」
「そうだ」
ミヒアは結局ローズリーを助けることにしたのだ。
ローズリーのためではない。
ナミリアを守るために身を引いたと知った、ナミリアの懇願があったから。
今後、道が交わることはないが、遠くででも元気でいてほしいとナミリアが涙したから。
ローズリーにここ暫くのアリバイを用意してやったミヒアは、エランディアが自分から出ていったよう細工を施したが、それをローズリーに教えることはなかった。
「誰に聞かれても完璧に同じことを答えなさいよ」
そう言われて、今日まであらゆる設定を暗記し、自分で質問集を作って、何を聞かれたらこう答えると訓練し続けていた。ローズリー。
「完璧にやれる、私なら!」
そう言った顔は悲しげだった。
ドレインと別れ、屋敷に戻ると即、別邸に行く支度を整えたローズリーに、執事がやっと戻ってきたのだから少し執務をこなしてほしいと文句を言う。それでも先を急いだのは、もぬけの殻となった別邸を自分の目で見て、エランディアとの別れを実感し、心を整理したかったからだ。
「護衛は誰が来るか確認しておいてくれ。戻ったら今度こそ溜まった仕事を片付けると約束する」
「かしこまりました」
執事が諦めた顔で頭を下げた。
ドレインの忠告どおりに、ローズリーは執事が調整した護衛に一人追加するよう言い付け、別邸へと向かうと。
夕暮れの中で灯りを灯すこともない屋敷が丘の上に見える。
「暗いですね」
不審そうに護衛のひとりが呟いた。
門扉も閉められていたが、開けて敷地の中に入っても物音一つしない。
「メイドはどうしたんでしょう?」
「うん、どうしたんだろうな」
ローズリーは既にエランディアがいないことを知っていたが、素知らぬ振りで室内に足を踏み入れる。
「灯りをつけましょう」
護衛が暗がりの中でゴソゴソとマッチをすり、壁に取り付けられた燭台の蝋燭に火をつけた。
ぼんやりと明るくなったエントランスを見渡し、テーブルに残された手紙を見つけた。
「ローズリー様、これがありました」
受け取ったローズリーがカサカサと音を立てながら封を切り、手紙を引っ張り出し、灯りのそばに寄って文面に目を通す。
「ここを辞め、他の町に行くと書いてある」
「そんな勝手な!」
背後にいた護衛が思わず覗き込んだ。
「本当だ!ローズリー様に断りもなくだなんて、なんて女だ」
「私が長く離れていたから相談できなかったのだろう」
「そんな!ローズリー様がお戻りになるまで待つのが使用人の務めですよ!」
「待ちきれなかったのか。男でもできたのかもしれんな」
ふと漏らしたローズリー。
護衛たちに印象づけるように態と呟いた。
「・・・かもしれませんな」
いないとわかっても一応家探しした。
「誰もいません」
「盗まれたものも特になさそうだ。屋敷に戻るか」
「泊まらないのですか?今からだと危険が伴いますよ」
護衛に諌められ、それもそうかと日の落ちた外を窓から覗く。
「食事は近くで買ってきますから今夜は泊まりましょう」
そう護衛たちが勧めるので、早く立ち去りたかったエランディアとの思い出の家で一晩過ごすことになってしまった。
町で買った食事を食べ、主寝室に潜り込む。
まだエランディアの残り香があるような錯覚・・・。
「出て行ったか」
本当は攫われたのだが。
それを知らないローズリーは、既に冷めていたことを忘れ、捨てられた自分を憐れむのだった。
翌朝、明るくなってから屋敷をもう一度探索する。いないと思いつつ、再度すべての部屋を見て回り、改めて何も失ったものはないことを確認。
ローズリーはあのエランディアが何も手をつけなかったことにほんの少しだけ違和感を感じたが、護衛に急かされて別邸をあとにした。
「おやローズリー様!早いおかえりでしたね」
溜まった執務に音を上げていた執事が、嫌味半分に帰宅のローズリーを出迎える。
「ただいま。着替えて一息入れたら、すぐ執務に取りかかる。部屋の空気を入れ替えておいてくれ」
使用人の嫌味に嫌な顔一つせず。まるで立ち枯れた草のように窶れたローズリーは、足を重たそうに引き摺りながら部屋へ戻って行った。
久しぶりの、自分の香りが染みついたベッドに疲れ切った体を放り投げる。
胸の奥から、何かが込み上げて。
「ううっ」
気づくと止めどなく涙が流れていた。
エランディアを失ったことではない、紙切れ一枚でこんなにも簡単に自分を捨てる女に唆され、ナミリアを傷つけた愚かな自分に嫌気が差して。
今ならわかる。エランディアは自分を愛してなどいなかったのだ。ただ利用していただけ。それなのに自分と来たらふわふわと、女の言う事を聞いてさえいれば愛されると勘違いして。
そのせいで初めて心から守りたいと思ったナミリアを永遠に失った。
痛む胸を押さえ、気の済むまで泣き続けた。
尋問を受けたアレンは、ミヒアたちが予想したように、死なばもろともとエランディアやローズリーを共犯者だとその名を挙げていた。
ミヒアが伸ばした腕に守られたローズリーは証拠不十分。エランディアについては治安部はその姿を見つけることもできなかった。
その後。
ローズリーは自分は子爵当主を務める資格がないと、遠縁の男爵家から養子を貰い継がせ、ひとり旅立って行った。
ジャムをたくさん持って。
見慣れない果実のジャムは、丁寧に売り込むとリピートする客が増えた。
時折ワンドに戻ってはジャムを仕入れ、また旅に出る。
最初はあてのない気ままな旅の中、少しでもやりかけの仕事の役に立てばという気持ちだったが、客が増え、紹介されて繋がりが拡がっていくと、それがローズリーの楽しみに、やり甲斐になった。
何度目かのワンドへの帰郷でミヒアが探していると聞き、イールズ商会に顔を出すと、後見してやるから自分で商会を起こしたらどうかと勧められた。そうして王都から遠く離れたイールズ商会の支店に間借りし、拠点を構えることに。
彼の人の瞳色の草茂る原っぱを見ては物思いに耽るローズリーは、生涯独身でいるつもりだった。
だがミヒアが助手につけてくれた女性から、商会長が独身では付き合いに困るから自分の娘を嫁にもらえと圧をかけられるようになる。
勿論ミヒアの策略で、断りきれなくなって見合いをすると、平民だがもったいないようなしっかり者の器量良し。
「自分などが幸せになってもいいのでしょうか」
悩んだローズリーが、訪ねたミヒアに相談すると、大きく頷いたミヒアから太鼓判を捺された。
「勿論じゃない!しあわせになってはいけないなんて不幸に酔い痴れたようなことを言うのはやめて。あなたに幸せになってほしいとナミリアさんも思ってるのよ」
背中を押されたローズリーは、小さな教会で結婚式をあげたあと、ワンドのジャムだけではなく、思いの外料理上手な妻の、ジャムを使った焼き菓子も売り始める。
それならとミヒアから茶の産地や茶器の工房を紹介され、貴族の茶会に使う一式を取り扱う商会へと成長させていった。
ある日のこと。
ローズリーの活躍を耳にしたナミリアがミヒアに言った。
「ミヒア様って、何だかんだと仰っても、面倒見がとってもよろしいのですよね。わたくし、そういうミヒア様が本当に本当に大好きですわ」
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