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呪われたエザリア
相談
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白猫は実にしっくりとその部屋に馴染み、最早セインの飼い猫だと言われてもなんの疑いも持たないほどである。
「お嬢様、人間だって忘れてませんか?」
セインも時々思うことがあるので、スミルの言葉に苦笑をもらす。
『わすれるわけない』
前足を高速で動かして文字盤を押さえながら、不機嫌そうにパタパタと尻尾を打ち付けている白猫もといエザリア。
『それで』
猫らしい強い視線で、スミルに先を促した。
「昼にジョル・ドレイラという騎士に会って、まずブラス様とシュマー、それと場合によってはエザリア様のことも相談しろと指示がきた」
「その騎士は信用のおける人なのか?」
「副商会長のナレスさんが勧める人だから間違いないとは思う」
「それでスミルはエザリアのこの呪いも話すのかい?」
「そうだな。そのほうがよさそうだとは思っている。ナレスさんはブラス様の様子がおかしいのもシュマーの影響じゃないかと思ってるそうで、エザリアお嬢様がそんなことになっているならブラス様の異変もシュマーのせいかもしれないと疑いを持ったそうだ」
「ニャ」
(そうよきっと!だから急に再婚するなんて言ったのだわ)
『しゆまわる・・・や・・な・・な』
感情に任せた猫の足は、動きが速すぎてうまく読み取れないが、セインはあいだの言葉を想像で繋ぐ。
「シュマーわるい、やなおんな?」
言いたかったことを正確にセインが読み取ったので、白猫はうれしそうに尻尾をふわんふわんと振る。
次にスミルの顔を見て前足をトントンと動かし、今度はゆっくりと文字盤を指していく。
『きし あう よかたらつれてきて』
「え?いいんですか?その姿を見せて」
『みないとしんようしない』
「「確かに!」」
しかしそうなると、スミルの人を見る目が重要になってくる。
第一次選択をナレスがしているとはいえ、ことがことだから慎重を期さねばならない。
トントンとまた白猫が注意を引く。
『よくないもの つれてきたらすみるゆるさない』
いけないと思いつつ、ぷっと笑ってしまったセインだが、スミルは「えー!」と肩を竦めた。
「そんなあ、騎士に相談しろって言ってきたのはナレスさんなのに?!その時はナレスさんにしてくれないと」
冷めた茶を入れ替えたセインが、口を開いた。
「昼に会うならそろそろ町に戻ったほうがいいんじゃないかな?エザリアもあまりスミルにプレッシャーかけないようにね。ナレスさんっていう人のこと信用できるって最初に言ったのエザリアなんだし」
「そ、そうだ!そうだったよなセインっ」
忘れていた事実を明かしたセインに、スミルが親指を立てていると、音もなく近づいたエザリアはテーブルに片手をついていたスミルの手の甲に、ぐっさりと爪を立てたのであった。
「お嬢様、人間だって忘れてませんか?」
セインも時々思うことがあるので、スミルの言葉に苦笑をもらす。
『わすれるわけない』
前足を高速で動かして文字盤を押さえながら、不機嫌そうにパタパタと尻尾を打ち付けている白猫もといエザリア。
『それで』
猫らしい強い視線で、スミルに先を促した。
「昼にジョル・ドレイラという騎士に会って、まずブラス様とシュマー、それと場合によってはエザリア様のことも相談しろと指示がきた」
「その騎士は信用のおける人なのか?」
「副商会長のナレスさんが勧める人だから間違いないとは思う」
「それでスミルはエザリアのこの呪いも話すのかい?」
「そうだな。そのほうがよさそうだとは思っている。ナレスさんはブラス様の様子がおかしいのもシュマーの影響じゃないかと思ってるそうで、エザリアお嬢様がそんなことになっているならブラス様の異変もシュマーのせいかもしれないと疑いを持ったそうだ」
「ニャ」
(そうよきっと!だから急に再婚するなんて言ったのだわ)
『しゆまわる・・・や・・な・・な』
感情に任せた猫の足は、動きが速すぎてうまく読み取れないが、セインはあいだの言葉を想像で繋ぐ。
「シュマーわるい、やなおんな?」
言いたかったことを正確にセインが読み取ったので、白猫はうれしそうに尻尾をふわんふわんと振る。
次にスミルの顔を見て前足をトントンと動かし、今度はゆっくりと文字盤を指していく。
『きし あう よかたらつれてきて』
「え?いいんですか?その姿を見せて」
『みないとしんようしない』
「「確かに!」」
しかしそうなると、スミルの人を見る目が重要になってくる。
第一次選択をナレスがしているとはいえ、ことがことだから慎重を期さねばならない。
トントンとまた白猫が注意を引く。
『よくないもの つれてきたらすみるゆるさない』
いけないと思いつつ、ぷっと笑ってしまったセインだが、スミルは「えー!」と肩を竦めた。
「そんなあ、騎士に相談しろって言ってきたのはナレスさんなのに?!その時はナレスさんにしてくれないと」
冷めた茶を入れ替えたセインが、口を開いた。
「昼に会うならそろそろ町に戻ったほうがいいんじゃないかな?エザリアもあまりスミルにプレッシャーかけないようにね。ナレスさんっていう人のこと信用できるって最初に言ったのエザリアなんだし」
「そ、そうだ!そうだったよなセインっ」
忘れていた事実を明かしたセインに、スミルが親指を立てていると、音もなく近づいたエザリアはテーブルに片手をついていたスミルの手の甲に、ぐっさりと爪を立てたのであった。
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